先週金曜日の米ドル/円相場は、ローゼングレン・ボストン連銀総裁が「利上げを待ち過ぎることのリスクが大きくなりつつあるなか、段階的な金融引き締めが適切となる公算が大きい」との考えを示したことを受けて、一時103円台へ上昇した。
同氏は今年FOMCの投票権を持ち、メンバーの中で最もハト派寄りの人物と考えられてきた。その彼が利上げを待つべきでないとの見解を示し、資産市場のバブルに警鐘を鳴らしたことに、市場は少なからず動揺した。
金曜日の米国株式市場は9月利上げを再び意識し、大幅安となった。北朝鮮の核実験実施への懸念もあったとはいえ、S&P500種は-2.45%と英国のEU離脱決定直後の6月24日以来の下げ幅を記録。市場の不安心理を映すボラティリティ・インデックス(VIX指数・別名恐怖指数)も6月下旬以来の水準へ跳ね上がった。ローゼングレン氏による観測気球、すなわち「もし今月利上げしたらどうする?」との問いに対して、株式市場は「拒否」の反応を示したといえる。
確かに米国の株式市場は史上最高値圏にあり、不動産市場もややバブルの兆しが見られるとされる。一方で直近8月の雇用統計は予想を下回り、インフレ率も目標の2%に達していない。インフレリスクは顕在化しておらず、FRBは利上げを急ぐ必要がない。今月利上げに踏み切るとすれば、将来景気が減速したときに利下げできる「のりしろ」を作るためと思われても仕方がない。
FF金利先物が織り込む9月の利上げ確率はいまだ24%と低水準だ。つまり金利市場も9月利上げに対する心の準備が十分できていない。この状態で利上げに踏み切れば、金利の急騰、株価急落、望ましくないドル上昇、急激なリスク回避行動などが予測される。
しかも米国の「ブラックアウト・ルール」により、FRB当局者が金融政策について踏み込んだ発言ができるのは今日までだ。つまり明日以降FOMCが終了するまでは、FRBは市場の金利観に働きかけることができなくなる。
本日はブレイナードFRB理事の講演が予定されているものの、同氏はハト派に属する人物であり、これまで利上げに積極的な発言をしたことはない。市場が今週中に9月利上げに確信を持つようになるとは考えにくく、FRBによる市場との対話は時間切れに終わりつつある。いよいよ来週に迫ったFOMCでの利上げは一段と困難になったのではないか。
今週は「9月利上げ見送り」の見方が優勢となる中でドルも失速していく可能性が高く、引き続き戻り売りスタンスで臨みたい。
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