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FX力を鍛える有名人コラム

週刊FXシナリオ|まるで戦争前夜のNY(8/11 11:15)[阪谷直人]

まるで戦争前夜のNY(8/11 11:15)

米10年債利回りが、2.25%から2.20%まで6月来の低水準へ低下、米国株式相場も下げ幅を拡大、NYダウは204ドル安、NASDAQ指数も135ポイント安で推移。ドル円は、110.18から109.16へ下落し6月14日以来の安値を付けています。

昨日の下げの理由は2つです。

先ず、7月米生産者物価指数(PPI)が、

(1)前月比-0.1%と予想外に昨年8月以降、ほぼ1年ぶりのマイナスに落ち込み、
(2)前年比でも+1.9%と、上昇予想に反して3か月連続の低下と、1月以来で最低となり、
(3)変動の激しい食料やエネルギーを除いたコアPPIは前月比-0.1%と、予想外に2月来のマイナスに落ち込み、
(4)コアPPIは前年比でも+1.8%と、上昇予想に反して3か月連続の低下となった事。

「インフレ率」の一段の、予想に反しての低下を受けて、年内の米追加利上げ観測が後退。

米10年債利回りは2.25%から2.20%まで低下し、ドルも下落したのです。

そして2つ目の理由は、

トランプ大統領が、北朝鮮問題で態度を硬化した事。トランプ米大統領は昨日NY市場の引けにかけ、記者団の質問に「「炎と脅威に直面する」との昨日行った、北朝鮮への警告は十分に強くなかったかもしれない」と述べたため、市場・投資家の間に、一気に警戒感が広がりました。

市場・投資家は、米朝関係の緊迫が一層深刻化した、と受け取り、安全資産としての米国債に一段と買いが集中。米国株式も下げ幅を拡大、ドルも下げたのです。

実は、昨日の東京時間日中のNYからの報告では、米国内のテレビにおける北朝鮮問題の取り上げ方が過熱して大変な騒ぎになっていると言っていました。米国民は普通米国内の問題には興味を示すものの、米国外の話題に関してはさほど大騒ぎをしないのですが、今回は違うようです。

例えば米NBCテレビは昨日、米国防総省が北朝鮮に対する先制軍事攻撃の選択肢として、米空軍のB1戦略爆撃機による北朝鮮の弾道ミサイル発射基地等に対する精密爆撃を実行する準備を整えた、と伝えました。

トランプ大統領による命令があれば、もういつでも実行できる状態にあるという事を意味しています。

この空爆作戦行動には、米領グアムのアンダーセン空軍基地に配備されているB1爆撃機を使用し、北朝鮮国内にある約24か所のミサイル基地や実験場、その他関連施設等を爆撃するとしています。

これまでの理解は、もし北朝鮮と米国なり韓国が戦火を交えることになれば、その被害は双方甚大なものとなるので、戦争行為が現実化する事は無いというのが一般的な受け止め方でした。ですがここ暫くの北朝鮮の言動からすれば、北朝鮮はもう既に米国本土を攻撃できる軍事力を完成させていて、米国からすれば待てば待つほど事態は悪化する、そしてそれは「戦略的忍耐」をしてきたオバマ前大統領の責任です。

トランプ米大統領は、

「(北朝鮮問題)米国民と同盟国は安全」
「北朝鮮、私がいるのだから逃れることはできない」
「理想としては世界から核兵器がなくなるのが望ましい」
「米国の核兵器は最高の状態にある」

との発言をしていて、オバマ前大統領の犯した「戦略的忍耐」という過ちから起きている北朝鮮の脅威を、米国の国益の為に叩くという判断をする可能性が高まって、危機感が高まっています。

VIX恐怖指数は大幅上昇、15.61と前日の清算値11.11から4.50ポイントも高い水準で推移しています。

【緊急レポート】北朝鮮の地政学リスクが再燃(8/9 10:15)

昨夜のNY、ドル円はアジア時間の110.70水準から、ワシントンポスト報道で110.25まで売られ、その後の好調な米指標に110.83まで買い戻され、その度のトランプ大統領発言でNY株が嫌気してダウンした事から再度110.30まで売り込まれました。

先ずは、ワシントンポスト紙の報道です。

「北朝鮮はミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功したとの機密分析を米国防情報局が7月にまとめた」

「北朝鮮が保有する核弾頭は、従来の想定よりも多い最大60発と見積もられる」

「北朝鮮の軍事的脅威は、従来の多くの専門家の予想・想定よりもはるかに急速に拡大している」

従来、北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)に搭載可能な核弾頭を小型化するにはまだ数年かかるとされていましたが、今回の機密分析では、ICBM向けの小型核弾頭とICBMという核兵器を既に製造していると判断しています。

また、従来、北朝鮮の保有する核弾頭数は10〜20発と言われていましたが、今回の機密分析は最大60発としています。

ポイントは、北朝鮮がその最大60発の核弾頭の小型化の技術を完成済で、米国本土を射程に収めるICBMの開発に成功済という事です。

この報道を嫌気してドルはアジア時間の110.70水準から110.25まで売られました。

その後、6月米JOLT求人件数が統計開始以来最高の616.3万件となったことで、今度はドルが全面高になり110.83まで上昇。

6月米JOLT求人件数が予想を上回り、過去最高に達したため、年内の米追加利上げ観測が強まり、米10年債利回りの上昇にともないドル買いが加速しました。

その後、トランプ大統領の発言です。

「北朝鮮が米国をこれ以上脅かせば、世界がこれまで目にしたことのないような炎と猛威に直面することになる」と述べ、北朝鮮をけん制したのです。

トランプ大統領は記者団に対して、「米国をこれ以上脅かさないようにすることが、北朝鮮にとり最善の策だ」と述べました。

このトランプ大統領の発言を受け、米国株式は嫌気して、NYダウは11日営業日ぶりに反落、前日比33.08ドル安、ハイテク株の比率の高いNASDAQ指数は3営業日ぶりに反落、前日比13.31ポイント安、ドル円も110.30まで急落しました。

米国株式は、連日で史上高値を日々更新していただけに、北朝鮮情勢の緊迫化を警戒して、利益確定の売りに押された格好です。

この様なリスク・オフの動きはこれからも何度か発生するでしょうが、あくまでロングポジションの調整売りなのだと見ています。

良好な米経済指標の持続力が、基本的にはドル買い相場を持続させ、ドル安に歯止めをかけてゆくと想定します。

本当のリスク・オフは、本来のレッドライン、つまり北朝鮮が「核実験」を行う時がポイントでしょう、その時にはリスク・オフのドル売りが本格化すると想定します。

ドル円の動向、ポイントはやはりインフレ率の動向(8/9 10:11)

このところのドル円の動向は、方向感のハッキリしない、中間波動、つまりもみ合い相場です。

先週末4日の7月米雇用統計は、市場の予想以上の結果となり、市場が最も注目していた平均時給も下げ止まった感となり、一時後退気味に推移しかけていた米利上げへの期待も、持ち直してきました。

FF金利先物が織り込む12月米利上げの確率は、4日に46%から50%へと上昇し、実際の12月米利上げの可能性はともかく、12月米利上げは決して非現実的ではない先行きのリスクに戻りました。

今週はその流れを受け、FRB高官の発言に注目です。

引続き、9月以降の資産縮小の開始(テーパリング)の実施を示唆したり、低インフレ率への懸念を否定する発言がなされるのではと注目します。

そんな中、セントルイス連銀のブラード総裁は、最近の指標からみて、インフレ率が目標の2%に向けて上昇するかどうか疑問とし、インフレ率は予想通りに伸びないとしました。米国経済の成長率は第2四半期に加速したものの、2%の成長基調を押し上げるほどの強い勢いではないとも述べました。このため、FRBは短期的に現状の政策金利で据え置くことが妥当との慎重な見通しを示しました。

ただ、バランスシート縮小は支持するとし、9月FOMCで開始する用意があるとしました。同総裁は2017年のFOMC投票権を持っていません。

また、2017年度のFOMC投票権を持つミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も、「インフレが目標に達していないことは重要だ」と指摘。同総裁は、過去の利上げ決定に際して、低インフレを理由に反対票を投じています。

バランスシートの縮小に関してはやはり支持しています。

この2名のFRB高官は低インフレ率に対する懸念を強調していますが、2名ともバランスシートの縮小に関しては賛成としています。つまり市場の織り込みの通り、9月FOMCでバランスシートの縮小が開始される可能性が高いと見ます。

問題は、その後の利上げの時期です。

完全雇用に達している米雇用状態が、賃金を押し上げ、消費を活性化し、消費者物価指数を押し上げると想定されるので、インフレは今後数か月以内に2%目標を達成すると想定しています。

今週は8月10日に7月のPPI(生産者物価指数)、11日にCPI(消費者物価指数)が公表されます。

7月の指標では、平均賃金が前年比+2.4%と予想の+2.5%を上回ったほか、米ISM景況指数は製造業、非製造業景況指数ともに仕入価格が5月以降の急低下から上昇に転じてきました。

少しでも米国の物価指標が下げ止まるようであれば、米10年債利回りの上昇と、ドル全面安の調整反発が期待されます。

ブレグジットが不透明で、英利上げは難しい?(8/8 9:48)

最新の世論調査によれば、英国与党・保守党が過半数議席を失った6月の総選挙以降、欧州連合(EU)離脱に向けた英政府に、否定的な見方が増加しているとの結果が発表されました。

8月2・3日に有識者2000人を対象に調査は行われ、「ブレグジット、つまり英国のEU離脱に関して、賛成か?」との問いに対して、不支持との回答が61%で、7月時点での調査結果56%、6月の46%から、不支持の割合が増加しています。

また、「メイ首相が適切な合意を形成できると確信しているか?」との問いに対しては、

確信しているが、35%
確信していないが、44%
分からないが、21%

でした。

引続き6月の総選挙での敗北の余波の中で揺れています。英国政治の安定、通貨ポンドの安定のためには、メイ首相の今後一層のリーダーシップが必要とされています。

そんな中で昨日、懸案であった英国の分担金俯瞰と支払いの問題に関して、英国から提案がなされました。もともと英国は、ブレクジットの交渉を優先し、分担金の問題は並行的に交渉する事を求めていましたが、EU側の主張は、先ず分担金の問題の解決が優先すると主張しています。

報道によれば、英国はEU離脱交渉で最大400億ユーロ(=70億ドル)の未払い分担金をEUに支払う用意があるとの事です。この英国の欧州連合(EU)離脱に伴う清算金(=未払い分担金の支払い)の協議は、自由貿易協定(FTA)など将来の関係と並行して実施したいとの、英国側の希望も添えています。

英国側が金額を提示してきた事で、やっと一歩前進です。

英国は2019年3月のEU離脱後3年間、毎年100億ユーロを支払い、その後貿易協定の詳細などと一緒に最終的な額を決定したいとしています。

英国は、あくまで貿易協定も含めた包括的な合意の一環としてのみ、清算金を支払う用意があるという立場をとっています。

英国の提示した最大400億ユーロに対して、EU側は600億ユーロの支払いを予てより求めていて、ブレクジット後の貿易協定などの交渉開始前に、この清算金についての解決を求めています。

EUの歳入は、英国の離脱で年間100億〜120億ユーロ減少すると試算され、そのベースはEUと英国の意見は一致していて、なので英国は毎年100億ユーロの支払いを複数年の負担という提案をしてきました。

それが3〜4か年なのか、6か年なのか、メイ首相はブレグジットの交渉を前進させてゆくためには、この話し合いを先ずまとめなければならないようです。

先週末4日、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のブロードベント副総裁はBBCラジオで、「英国は小幅な利上げがあっても対応できる」と述べ、2018年からの金利引き上げの可能性を示唆しました。

ですが市場は、先月7月27日以来となる1.3032までポンド売り・ドル買い、と反応し、BOEの利上げに対して否定的な態度を取りました。

市場・投資家は、ブレグジットを巡る不透明感があまりにも強いと認識していて、インフレ率は目標の2%を継続的に上回り、失業率は40年ぶりの低水準となっているにも拘わらず、英国企業は新規投資を見送っており、ポンドドルの上値はどうしても重たくなっています。

メイ首相によるブレクジットの交渉が進展しない限り、BOEの利上げも難しいと想定すべきでしょう。

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原油価格が安定すれば円安・ドル高?(8/8 9:32)

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要参加国が専門家会合をアブダビで、7・8日に開催しています。 

市場の織り込み方は

(1) 減産延長や

(2)減産規模の拡大

への期待から、

(1)先ず、原油価格が下げ止まり

(2) 資源国通貨、豪ドル・NZドル、加ドル等、が買い優先となり

(3) 原油安定化からリスク・オンの円売りが先行し

(4)米10年債利回りは上昇しやすくなりドル買いに作用するでしょう。

もしこの会合で、具体的な原油安定化へのコミュニュケが出ない場合には失望から、また会合後には勿論材料出尽くしという事もあり、

(1)原油価格安、

(2)資源国通貨安、

(3)リスク・オフの円買い

という波乱余地を想定すべきでしょう。

もともと今の減産合意は、2016年11月30日に行われたOPEC総会での減産合意を、2017年5月25日のOPEC総会で、9か月延長で合意したものです。それでも原油価格が上向かない現実に今回の会合となっています。

その現行の減産合意を見てみると

(1)OPECが、3300万バレル/日(29%)の内、−120万バレル/日 

(2)ロシアが、1154万バレル/日(10%)の内、−30万バレル/日 

(3)非OPECが、5650万バレル/日(50%)の内、−60万バレル/日

一方で

(4)米国は、1235万バレル/日(11%)なのに、+150万バレル/日 

と減産には同調していません。むしろシェールオイルの採掘に関する技術革新から、採算水準が相当安くなったので逆に増産の一途です。

なので、供給サイドの減産合意として話し合いがまとまったとしても、米国の増産が、減産分の量を相殺してしまっている現実と需要サイドの、例えば中国からの需要増加が見込めなければ、やはり原油価格は弱含みのままという状況に変わりは無く、原油価格は今後もバレル40〜55ドルの水準で推移してゆくと想定します。

それでも原油価格が底割れせずにその水準に安定すれば、円安・ドル高要因として働くと見ます。

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