FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年5月14日号
先週のドル円相場
先週のドル円相場は、米国債利回りの上昇を背景としたドル買い圧力が再び強まり、一時110.02円と前回高値に顔合わせした。米国10年債利回りは、中東情勢悪化を背景とした原油高を受けて一時3%台へ上昇。米国の利上げ期待を背景に、政策金利動向に敏感な2年債利回りも2.5%台をキープしている。
ドル円の上昇に寄与したもう一つの要因は、本邦企業による海外M&Aの報道だ。かねて観測されていた通り、武田薬品工業はアイルランドの製薬大手シャイアーを総額約460億ポンド(約6.8兆円)で買収することで合意したと発表。またリクルートホールディングスは米オンライン求人サービス大手のグラスドアを12億ドルで完全子会社にすると発表した。
中長期の相場を決めるのはフローではなくファンダメンタルズ
こうした大型M&A案件があると、巨額の円売り・外貨買いのフローが発生し円安が進行するとの観測が強まるのも無理はない。実際、2016年にソフトバンクによる英アーム買収(約240億ポンド)の際には、この案件にかかわるポンド買い・円売りが出ているとの観測がたびたび流れ、英国のEU離脱という逆風にもかかわらず、ポンド円は上昇した。今回の武田によるシャイアー買収額はその2倍近い。今後は7兆円近い円売りにより一段と円安が進むと見ていいのだろうか。
筆者はあまりそう思わない。というか、相場の流れに沿っていればフローが追い風になり円安になるだろうが、相場の流れに逆らっていれば何兆円つぎ込もうと影響はほとんどないだろう。相場とはそういうものだ。外国為替市場は24時間休みなく取引され、一日数兆ドルという天文学的な資金が日々飛び交う。7兆円が一気に市場に投入されるなら多少の(一時的な)インパクトはあろうが、何度かに分けて実行されるならば難なく吸収されてしまうだろう。われわれは大型案件につい目を奪われがちだが、巨大な市場の中ではそれは氷山の一角に過ぎないということを肝に銘じておかねばならない。
さらに言えば、これだけの大型案件、しかもかなり前から買収交渉が行われていたわけだから、合意前に一定の割合はヘッジされている(先物やオプションを使って保険を掛けること)と考えるのが普通だ。でなければ投機筋に先回りされ上前をはねられてしまうからだ。また買収に充てる資金を外貨建てで借り入れれば、その部分は円売りを行う必要がない。総額7兆円といっても、実際に為替が起こるのはずっと少ない可能性が高い。
超短期の売買を行う人にとっては、フロー情報はある程度重要かもしれないが、すべてのフローを知ることが不可能である以上、一部のフローを見て相場を予想することはあまり意味がない。まして中長期の相場を決定するのはフローではなくファンダメンタルズである。M&Aがらみのフローに気を取られすぎるあまり、本筋を見誤らないように気を付けたい。
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