FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年9月23日号
先週のドル円相場
サウジ石油施設がドローンによる攻撃を受け、週明けの原油相場が61ドル台へ急騰してスタートしたことから、ドル円もリスク回避の円買いで一時107.43円まで下落した。原油相場が63ドル台を付けたあと上昇一服すると、ドル円も108円台へ回復。FOMCが予想通り0.25%の利下げを決定したものの、声明などが予想ほどハト派的でなかったことから、一時108.48円まで上昇した。しかし日銀金融政策決定会合で金融緩和が見送られたことをきっかけに再び円買いが強まり、107.53円まで下押しした。トランプ大統領が米中協議について強硬姿勢を見せたことも影響した。
米中協議合意期待は後退
トランプ大統領が米中通商協議について、あくまで知的財産権などを含めた完全合意を目指す姿勢を示したことで、早期合意期待が後退し、交渉長期化の懸念が再燃しつつある。トランプ大統領は一時、農産物の輸入拡大など譲歩が可能な部分に絞った暫定合意の可能性を示唆していたが、これを撤回した形だ。この報道を受けて先週金曜日のNYダウは27000ドル台を割り込み、週の安値圏で取引を終えた。少なくとも週明けは、株安・円高の流れが継続しそうだ。
日銀は緩和策を温存
日銀はマイナス金利の深掘りなど追加緩和策を見送り、筆者を含む市場の緩和期待を裏切る結果となった。今回は為替が比較的円安気味で安定していることから、残り少ない弾薬を温存したと見られる。米欧中銀が金融緩和に動く中、日銀の打てる方策は限られるという点において、相対的な円高圧力は継続することになるだろう。
米中問題はノイズ
ただし筆者はドル円の方向性を決める最大の要因は米国のファンダメンタルズであって、米中貿易戦争は短期的な解釈が難しい構造問題と考えている。日銀の金融緩和に至っては、極端に言えば、やってもやらなくてもあまり変わらない(逆に言えば、市場に影響を与えるような手段は残っていない)些末な要因ではないか。トランプ大統領のツイートに一喜一憂し、日銀のゼロ回答に失望していては相場の本質を見極められない。
ドル円相場予想の「王道」であるFOMC声明を見ると、ハト派的な部分は「見通しに対する不透明感は残る」の一言だけで、前回とほとんど同じだ。労働市場は力強く推移し、経済活動は緩やかなペースで拡大している。リセッションは見込まれておらず、利下げはあくまで予防的なものだ。ジョージ委員とローゼングレン委員は前会合に続いて利下げに反対票を投じている。
メンバーの金利予想、ドット・プロット・チャートは、前回6月(利下げ開始前)と比べれば下方シフトしているものの、来年にかけての利下げ余地をあと1回しか見込んでいない。FF金利先物市場も、年内あってあと1回との見方に落ち着きつつある。市場の金利観が大きく動いておらず、当局の予想とも近いとなれば、追加利下げ観測が改めてドル売り材料になるとは考えにくい。
今週は短期的な下押しはあろうが、中期的な上昇の流れは続くと見ており、押し目買いスタンスで臨みたい。
6月のドット・プロット・チャート 出所:CME、FRB
今回のドット・プロット・チャート 出所:CME、FRB
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