FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年11月4日号
先週のドル円相場
週前半は、米中貿易協議の進展期待を背景に株高・円安の流れが続き、8月以来となる109円台に乗せる展開。FOMCが予想通り利下げを発表し、声明から利下げを意味する「適切に行動」との文言を削除したことを受けてドル買いが入り、一時109.29円まで上昇した。しかし中国が米国との包括的合意に懐疑的な見方を示したことをきっかけにドルを売り戻す動きが強まり、107.89円まで反落。金曜日には、米国10月の雇用統計が予想を上回ったことからドル買いが入ったが、上値は108.32円と限られた。
FOMC声明はハト派色残る
先週の当コラムでは、「今回FOMCが大方の予想通り0.25%の利下げを決定し、今後の追加緩和についてのフォワードガイダンスを後退させれば、ドルは材料出尽くし感と利下げ打ち止め観測で上昇する可能性が高い」と述べた。実際、FOMC声明(ロイターの日本語訳はこちら)は、「景気拡大を維持するために適切に行動する」とのフォワードガイダンスを削除し、利下げを当面停止する意向を示したものの、「見通しに対する不透明感は残る」との慎重な現状判断は据え置いた。今回でひとまず利下げは停止するが、いざとなったら追加利下げも辞さないという意味であり、スタンスは半身の体勢、中立よりややハト派寄りと見ることができる。ドル円が109円台から買いが続かず反落した理由はここにある。
米国経済は堅調
一方先週発表された米国景気指標は、FOMC声明冒頭で述べられている通り、「労働市場が力強く推移し、経済活動が緩やかなペースで拡大している」ことを示している。第3四半期GDPは前期比年率で+1.9%と市場予想の+1.6%を上回り、第2四半期の+2.0%からさほど減速していなかったことを示した。また10月の雇用統計では非農業部門雇用者数が+12.8万人と市場予想の+8.5万人を上回り、GMのストライキという特殊要因を跳ね返す力強さを見せた。8月分と9月分が合計9.5万人も上方修正されていることも見逃せない。これらの結果を見る限り、米国が景気後退に陥る心配はないと考えてよく、当面の利下げ停止はまっとうな判断といえるだろう。
市場の利下げ催促は一服
金利市場は次回12月のFOMCでは利下げなしとの見方を一段と強めている。FF金利先物が織り込む追加利下げの確率は現在10%ほどだ。
FF金利先物が織り込む12月FOMCの金利分布 出所:CME
来年6月の分布をみると、現状維持と利下げ1回が40%台で拮抗している。1か月前と比較すれば、来年前半まで利下げなしの見方が増えていることがわかる。市場の金利観は確実に上向いている。
FF金利先物が織り込む来年6月FOMCの金利分布 出所:CME
\GogoJungleで売れ筋投資商品を探そう!/
株式市場は絶好調
市場のリスクオン・オフを規定する米国株式市場は目下絶好調で、S&P500とナスダックが史上最高値を更新し、ダウ平均も高値更新は時間の問題という状況である。低金利の下で景気は緩やかに拡大する一方、インフレの心配はないゴルディロックス(適温経済)が続く。2つの不確実性(米中貿易摩擦とブレグジット)が市場の関心から外れはじめる一方、企業決算はおおむね良好だ。今週は日経平均も2万3千円台を視野に入れるだろう。センチメントは間違いなくリスクオンだ。
結論:押し目買い継続
ドル円の動向は米国金利見通しと株価動向でほぼ説明できるが、市場の金利観が上向き、株式市場は好調となれば、ドル高見通しにもっと自信を持ってよい。先週のドル円の動きは冴えなかったが、ここは押し目を拾う好機ととらえたい。
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
---|---|
約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |