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FX力を鍛える有名人コラム

エントリーのコツは、自分の決めたパターンになるまでしっかり待つこと[鳥居万友美]

FXで利益を出すための2つの戦略

FXで儲かるかどうかは、利益と損失それぞれの「割合」と「大きさ」によって決まります。ということは、FXで利益を出すための方程式は、この2つの戦略が考えられるわけです。

・利益の「割合」を増やして、小さな利益を積み重ねていく→勝率重視型
・利益の「大きさ」を大きくして、損少利大を狙う→ペイオフレシオ重視型

残念ながら、いきなり勝率もペイオフレシオも高い手法をつくることは難しいので、最初は、自分はどちらを目指すのかを決めなくてはなりません。これは、ライフスタイルや自分の性格なども考慮して、自分にぴったり合うほうを選んでください。どちらも一長一短ありますが、初心者ほど勝率にこだわる傾向があるように感じます。 私自身は、ペイオフレシオを重視するようになってからのほうがパフォーマンスはより良くなっています。

どちらを目指すのかによって、エントリーや決済のタイミングが違ってきますし、使うチャートの時間軸も変わるのですが、今回は、私が実際に行なった取引きを例に解説してみたいと思います。

ポジションをもったときには、損切りと利食いを想定

エントリーに対し決済というのは、「損切り」または「利食い」のことで、もっているポジションを清算する行為です。つまり、「利益」または「損失」を確定させる行為なのですが、FXで勝つということは、予想どおりうまくいったときに、「利食い」によってどこまで利益を大きくできるかであり、逆に、上手くいかなかったときには、「損切り」によって、どれだけ損失を小さくできるかということにかかっています。

勝率重視型でも利益に対して損失が大きすぎると、勝率が良くてもトタールではマイナスというケースもありますから、損失を小さく抑えるということは、すべてのトレーダーが考えなくてはいけないことのひとつなのです。ということは、ポジションをもったときには、2つの出口(損切りポイントと利食いポイント)を想定しておくことが必要となるわけです。

エントリーと決済のポイント

それでは、実際のトレードでエントリーと2つの出口の解説をしてみます。図1は、「豪ドル/米ドル」4時間足チャートです。

ダイバージェンス発生後、下向きだったミドルラインが横ばいになり、ローソク足はミドルラインを超えてきました。ミドルラインを完全に上抜けしたのを確認後、エントリーしたのですが、1時間足では、安値・高値がそれぞれ切り上がり、明確な上昇トレンドのかたちを形成していました(エントリーポイントは緑の矢印で示したところです)。 このとき、損切りのストップ注文は、ミドルラインの下、−1σあたりに設定しました(チャートに★で示しています)。

ストップ幅は83pipsでした。

0.93くらいまでは上昇余地があると考えていたので、最大利益の期待値は約330pipsほどありました。 実際には、RCIの2重天井で上値の重たさを感じて決済してしまったので、結果は212pipsとなりました(決済ポイントはチャートに赤の矢印で示してあります)。 四角で囲んだ部分が、私がトレードをした期間ですが、この期間を15分足で見てみると、こんなふうになります(図2)。

一気にノイズが増えて、エントリーポイントや決済ポイントがわかりにくく感じませんか? 短い時間軸になればなるほどダマシも多く、大きな流れが見えにくくなります。 結局のところ、エントリーのコツは自分の決めたパターンになるまでしっかり待つこと、そして、決済については、「エントリーのタイミングのコントロール」ではなく、「決済による利益と損失のコントロール」にこそ、FXで勝つためのカギがあるという思考の体得がポイントといえそうです。(月刊FX攻略.com 2013年11月号掲載)

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