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FX力を鍛える有名人コラム

相場は美人投票 しかしリスク回避の円買いにも限度がある[雨夜恒一郎]

104円台は過去2年で3回ボトムとなっている 出所:NetDania

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2020年3月9日号

先週のドル円相場は

新型コロナウィルスをめぐる悲観と楽観が交錯する中、NYダウは連日1000ドルを超える値幅で激しく乱高下。安全資産の米国債が買われ、米国債利回りが一段と低下したことから、ドル売りが全般に優勢となった。ドル円は週初こそ108円前後で下げ渋っていたが、FRBの緊急利下げ(0.5%)を機に下げ足を速め、一時104.99円と半年ぶりの安値をつけた。カリフォルニア州で死者が初めて確認され、非常事態が宣言されたことも響いた。

米国雇用統計の結果には反応薄

なお金曜日に発表された米国2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+22.8万人と予想の+16.0万人を大幅に上回る強い結果となったが、新型コロナウィルスの影響が出始める前のデータとあって市場の反応は鈍かった。

米国実質金利がマイナスに

米国10年債利回りは1%台を割り込み一時0.65%台まで低下。もちろんこれは過去最低水準だ。米国の期待インフレ率は約1.3%だから、10年の実質金利はマイナスということになる。先週緊急利下げが実施されたにもかかわらず、市場はすでに次の利下げの催促モードに入っており、FF金利先物は来週のFOMCでの0.75%の利下げを6割以上織り込んでいる。6月以降を見ると、さらに0.25%利下げして政策金利をゼロ%とする可能性も4割近く織り込み始めた。米国金利動向および見通しのこれほど急激な下振れをさすがに無視するわけにはいかず、ドル強気シナリオは撤回せざるを得ない。

3月FOMCでは0.5%を飛び越えて0.75%利下げを催促 出所:CME

3月FOMCでは0.5%を飛び越えて0.75%利下げを催促 出所:CME

6月にはゼロ金利到達の可能性も 出所:CME

6月にはゼロ金利到達の可能性も 出所:CME

相場は美人投票

また筆者はこれまで当コラムで「リスク回避の円買いは長続きしない」と繰り返して述べてきた。日本はコロナショックの真っただ中にあり、日本経済は今後厳しい逆風に直面する公算が大きく、日本株は中国や米国以上の打撃を受けている。日本は安全からは程遠く、筆者は今でもリスク回避の円買いは間違っていると信じている。

しかし相場はいわゆる美人投票であり、本当の美人ではなく、みんなが美人だと思った人が選ばれる。理屈では円高はおかしくても、みんなが円を買えば円高になるわけで、そこを割り切って円を買った人たちが利益を上げている。そしてみんなが円を買った理由は、過去の経験則が大きかっただろう。リーマンショックの時も東日本大震災の時も、理屈抜きの円高だった。この点において、筆者は潔く見通しの甘さを認めるしかない。

シカゴ投機筋のポジションを見ると、先週火曜日の時点でまだかなりのドルロング・円ショートが残っているので、最後の投げ売りが出てくることも想定しておく必要があろう。

IMM通貨先物の投機的ポジションはまだドルロング 出所:Quick Money World

IMM通貨先物の投機的ポジションはまだドルロング 出所:Quick Money World

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負け惜しみになるが…

一方で、為替相場は通貨同士の相対的な力関係で決まる。米国金利がいくら低下したと言っても10年までマイナスの日本と比べればプラスであるだけましである。米国経済が悪影響を受けるとしても一部であり、リセッション入りが濃厚な日本とは比べるべくもない。米国金利の急低下は確かにドルの圧迫要因だが、ドルを売ってもほかに買うべき通貨がなければ、結局は消去法的にドルを買い戻さざるを得ないのではないか。

ドル円はすでに高値から7円以上下落し、過去2年間で3回ボトムとなっている104円台にさしかかっている。このレベルから新規のドル売りに打って出るのは分が悪く、昨年8月の安値104.45円を更新するのかどうか見極めるまで様子見としたい。むしろ104.45円より下にストップを置き、リバウンド狙いのドル買い(もちろん打診買いの範囲で)というのは試してみる価値はある。うまくいけば今後数年にわたる「お宝ポジション」になるかもしれないのだから。

104円台は過去2年で3回ボトムとなっている 出所:NetDania

104円台は過去2年で3回ボトムとなっている 出所:NetDania

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