この国で唯一の月刊FX情報誌を刊行している立場から、多くのトレーダーが犯しやすいミス、失敗、陥りがちな勘違いを抽出し、皆さんと共有していくのが当企画の目的です。今回は「デモトレード前の検証」について考えていきたいと思います。
デモトレードはだいぶ定着するも…
「月刊FX攻略.com」以外にも、いろいろなFXの本には、「リアルマネーで運用を始める前に、デモトレード(あるいは少額取引)で十分に練習をしましょう」と書いてあるはずです。これはまさしくその通りで、スポーツにたとえるなら、十分にトレーニングや練習試合を重ねてから、公式戦に出場すべきです。
ただ、このデモトレードの前に、もう一つ重要なプロセスがあることは、そんなに定着していません。そのプロセスとは、「検証」です。この検証を、デモトレードの前にしっかり行わないと、FXで利益を出すことは難しいです。
未来ではなく過去でテストする
それでは、検証とは何なのでしょうか。それは、「過去の相場に対して、これから自分がやろうとしているトレード手法を適用してみて、その効果を確かめる」ことです。自動売買関連の頻出ワードである、バックテストと同じ意味ですね。
デモトレードとの一番の違いは、止まっている過去のチャートに対して行う点です。デモトレードは動いている今の相場に対して行うもので、現時点から先の相場に対して実行することから、フォワードテストも同じ意味として使われます。
そう、自動売買の世界では当たり前のように行われているバックテストやフォワードテストは、裁量トレードでも必ずやらなければいけません。
先生から習ったFX手法でも検証する
なぜ、検証が重要なのでしょうか。一番の理由は、当然ながらお金を使うことなく、ある手法や考え方が本当に有効かどうかを確かめられるからです。逆にいえば、お金を使ってその方法が勝てるかどうかを確かめるのは、あまりにもったいないです。検証してみて、どうやら儲かりそうだと分かってから、初めて実際の相場でのデモトレードに移行するべきです。なお、検証は過去の相場に対して実行するので、土日でもできます。デモトレードは平日しかできません。
ただ、その手法が勝てるかどうかがある程度はっきりしているケースもあります。プロトレーダーから講座などで習う場合ですね。でも、こういった信用できそうな手法でも、やはり検証はするべきです。その理由は二つ。
まず、過去の相場を振り返りながら実行していくことで、勝ちパターンと負けパターンを事前に把握できます。これにより、実戦であたふたすることはなくなるでしょう。
また、実際に自分の手で試してみて、本当に有効な方法であるという実感を得ることが非常に大切です。というのも、どれだけ優れた手法でも、ちょっと調子が悪ければ何連敗もしますし、一時的に資産が大きく目減りすることがあります。こういった不調時に、検証による自信と経験があれば、メンタル的にぶれずにトレードを続けることができます。逆に検証が不十分で手法を信用していないと、不安になったり、別の手法に目移りしたりしてしまいます。
FXでうまくいかない人によくある「手法コレクター」状態に陥るのは、十分に検証をしておらず、一つの手法を徹底的に使い込めていないことが原因になりやすいです。
目視の検証なら今すぐにできる
さて、検証にはいくつかのやり方がありますが、最も分かりやすいのは目視による方法です。これはもう単純明快で、チャートを過去にさかのぼりながら、手法に合致するシーンがあればそこで仮想的な売買を行い、どんな結果になったかを記録していきます。非常に根気がいる作業ですが、特別な道具もお金もかかりません。
これを効率化するなら、ForexTesterを使うと良いでしょう。有料ですが、スピードは非常にアップしますし、記録も簡単にできます。
デモトレードの前に検証を挟むことで、より着実にFXで利益を出すためのスキルアップが可能になるはずです。
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実は絶対にやらないといけない手法の検証とは?
検証をすることのメリット
メリット① お金を使わずに手法を評価できる
いうまでもなく、一番重要な要素です。ある手法が本当にお金を増やせるのか、あるいは減ってしまうのかを、既に確定している過去の相場に対してテストすることで、そのポテンシャルを評価できます。やらずに実運用はアウトです。
メリット② 勝ち負けのイメージを事前に把握できる
利益が出るときはどんな相場の展開、どんなチャートの形であることが多いのかを事前に把握できます。これは損失が出る場合も同様です。事前に勝ちパターン、負けパターンを見ておくことで、実運用時にあわてることはありません。
メリット③ 統計的なデータで手法に自信を持てる
これも非常に重要です。実際に自分の手で検証をして、「長い目で見れば勝てる手法だ」と確信しているからこそ、ドローダウンや連敗が発生しても焦らずに運用を続けることができます。自信がないと、少しの負けでもメンタルがぶれます。
代表的な検証のやり方
1.チャートをさかのぼり目視
一番原始的な方法ですが、チャートソフトさえあれば誰でもできる方法です。FX会社にもよりますが、5年、10年とチャートをさかのぼれるMT4が適任でしょう。やり方はシンプルで、古いチャートを現在に向かって少しずつ進め、手法に合致する部分の勝敗がどうなったかを見ていきます。
2.ForexTesterを使う
ForexTesterは、MT4によく似た外見を持つトレード検証ソフトで、2と3が主に使われています。過去のチャートを一定の速度で動かしたり、売買をした場合の成績などが集計できるため、目視よりはるかに楽で高精度です。ただし、ソフト自体は有料です。
検証を含む手法構築フローの例
- トレード手法の仮説を立てる
- 過去の相場で手法を検証
- デモか少額で手法を試す
- 実際の資金で本格的な運用
※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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