私のFXトレードノート[田向宏行]

FXの上達に欠かせない作業の一つとして、トレードノートが挙げられます。地味な作業ではありますが、取引内容や結果などを克明に記しておくことで、客観的視点からトレードの課題や弱点をあぶりだすことができます。まだトレードノートをつけたことがないという方は、田向宏行さんのやり方を見習って取り入れてみると良いでしょう。

※この記事は、FX攻略.com2017年10月号の記事を転載・再編集したものです

ルールを記録しておき思いつきの取引を排除

FXを勉強していると、「トレードノートをつけよう」と書かれた記事を目にする機会があるかと思います。このトレードノートですが、私は2種類あると考えており、一つは自分の取引ルールを記した「ルール・ブック」、そしてもう一つが取引の記録で「トレード・ログ」ともいわれるものです。

私の経験からすると、ルール・ブックは当初考えていた以上に重要でした。自分なりの取引ルールを作っても、最初はなかなか覚えられません。当時は年間収益が黒字化していない素人でしたし、テクニカルも表面的に使うだけ。今思えばFXやマーケットのことをほとんど理解していなかったのです。

FXを始めると、自分に合った取引方法を探す中で、誰もがいろいろなやり方を試すでしょう。そのとき取引ルールをキッチリ決めておかないと、判断に迷う場面が出てきます。すると、その場の自分の感情や思い込みで取引してしまいがちです。こうなると最悪で、結局は何の根拠もない思いつきの取引になってしまいます。

こうしたミスを減らすために、私はルールを定型化、明文化し、取引ルールを箇条書きにしました。

① どの時間軸で
② どのテクニカルが
③ どのような状態になったら
④ どこに損切りを置き
⑤ 利確目標をどこにしてエントリーするのか

ということを書き出しておきます。

これはエントリーを考えるときのチェックリストになります。また自分なりの取引方法を考えても、最初は何かのサインを見落としてエントリーしてしまいがちです。少なくとも私はそうでした。チェックリストを作ることで見落としを防止することができます。

また取引ルールを記録しておくと、FXにおける成長過程でいくつものルールを考えた結果、自分がどのようなテクニカルを好み、何を基準に相場を考えているのかが見えてきます。トレーダーとしての自分の特性を知る意味で効果的だと思います。

トレード・ログで取引ルールを検証する

ルール・ブックを作っても現実の取引は簡単ではありません。儲けたい欲望と、損を避けたい恐怖心からルールを無視することが起こります。またルール自体に不備があり、相場状況が変わると機能しないこともあるでしょう。これらはFXの上達過程で誰もが経験することだと思います。

損失が生じた場合、ルールに不備があったのか、相場が想定外の動きをしたからかを明らかにする必要があります。ルールに不備があれば改善が必要ですし、想定外の動きなら損失も許容しなくてはなりません。ただ完璧な取引ルールは存在しないので、そのやり方がどれくらいの確率で利益や損失になるかを把握することが最も重要です。取引毎にログに記録し、データを取って検証できるようにすることが不可欠なのです。

拙著でもデータを取ることの重要性を説いていますが、まさにこのことです。取引ルールを考え、その通りに取引をし、ログに記録していきます。これを実践しておくと、後日集積されたデータを検証することで、そのルールが一生使える道具になるかどうかを見極めることができるのです。取引後の感情に左右された偏った記憶や印象ではなく、データという事実が客観的に自分の取引を示してくれます。

トレード・ログには、

① いつ
② どの通貨ペアを
③ どのような理由で
④ いくらの価格で
⑤ 損切りをどこに置いてエントリーしたか

また、

⑥ いつ
⑦ どこで決済したか
⑧ 決済した理由は何か

を記録します。そうしたログが蓄積されると自分の取引傾向やルールの確率が分かってきます。そしてルールの作成と検証を繰り返すことにより、取引ルールが磨かれ、より自分にとって確率が高い取引方法が見えてきます。トレード・ログは、自分にとって高確率な取引方法を探すためにあるのです。

システム手帳を活用しルールやログを残す 

私はこうしたルールもログも、システム手帳のリフィルに書いています。デジタルデータで記録する方法もありますが、私は手書きをしています。常に持ち歩く手帳のリフィルに書き込んでおくことで、どこでも見返すことができますし、自分の手で書くことが重要だと思っています。

最近は自分のスタイルが定着しているため、新たなルールを書き込むことも少なくなりましたが、このコラムのためにFXを始めたころからのルールを見返すと、30個以上ありました。多くの先人の戦略を参考に、いろいろと試行錯誤してきたわけです。

一方、ログは現在もつけていて、リフィル1枚に一つのポジションを書き込んでいるため、膨大な量になっています。不調のときに振り返ることで、過去の自分を見て現在を戒めるためにも記録は重要だと思っています。

※この記事は、FX攻略.com2017年10月号の記事を転載・再編集したものです

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田向宏行(たむかい・ひろゆき)

大学卒業後、資格試験に挑戦するが挫折。就職できず仕方なく起業。事業経営の間に投資を開始。事業譲渡後の現在は個人投資家。FX会社のセミナー企画・構成も手がけている。著書に『臆病な人でも勝てるFX入門』(池田書店)、『1日2回のチャートチェックで手堅く勝てる兼業FX』(自由国民社)。

公式サイト:虹色FX

Twitter:https://twitter.com/maru3rd