トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
Brexit後の展望がマーケットのテーマとなるなか、ポンドやユーロは引き続きネガティブな地合いが予想されます。
英国はEU離脱決定後の政治的混乱が嫌気されるなか、キャメロン首相、ボリスジョンソン前ロンドン市長に続き、英国独立党のファラージ党首も、事前の公約の虚偽を攻撃されて辞任するなど情勢はさらに混沌としてきています。また、英不動産ファンドが解約停止、世界の金融センターとしての立場失墜、スコットランド独立などネガティブな材料が散見しており、不透明感が拭えません。英中銀もポンド安を歓迎すると見ており、ポンドはもう一段下があるとみておいたほうがいいかもしれません。
一方欧州も、イタリア発の銀行危機が新たな混乱の火種として警戒されています。イタリアは銀行の不良債権比率が17%と圧倒的に高く、多額の不良債権をめぐる懸念からイタリアの銀行株が急落しており、イタリア経済の金融基盤が揺らぎ、EU加盟国に混乱が波及する可能性は否定できません。
マーケットの注目は米金融政策へ
とはいえ、Brexitから一巡して欧州以外の国に与える影響は限定的とみてとれます。先日行われた米銀行のストレステストの結果も良好な結果となっており、欧州から世界へリスクオフが飛び火する可能性は低く、マーケットの注目は徐々にBrexitから米金融政策に切り替わっていくものと思われます。
週末にかけての展望ですが、本日はFOMC議事要旨(6月14-15日分)の公表が予定されています。年内の利上げ確率が低下するなか、議事要旨の内容から年内利上げの可能性がどの程度なのか見極める必要があります。
そして、明後日は6月米雇用統計の発表が予定されています。米雇用統計については先月に雇用の伸びが急減速した後とあって今月はある程度の雇用増が見込まれているほか、先月分が大幅に上方修正される可能性も高いと思います。
仮に強い結果だった場合、年内利上げの可能性が高まるものの、単月が良いからと言って即利上げとは判断することもできず、FOMCメンバーは7月以降の数字も考慮する必要があるため、ドル高へのインパクトは限定的となるでしょう。
逆に弱い結果だった場合も、すでに年内の利上げがないとマーケットが織り込んでいるため、こちらもここから下落トレンドを形成するとは思えません。今回の、米雇用統計はどちらの結果となっても動きにくく、数字次第ではありますが、初動で動いた方向の逆張りを検討したいと思っています。
100円割れが視野に
テクニカル的にはBrexit後に買戻しが優勢となったものの、103円台には定着できず、上値は伸び悩んでおり、短期的には下値を試す動きになりそうです。先週安値101.40円を明確にブレイクしており、100円割れが視野に入ってきました。
中期展望を見ても、日銀は限界に近い金融政策をとっており、マイナス金利や、国債の買い入れは小規模の緩和にとどまる可能性が高い一方、年内の利上げ確率が剥落して、逆に金融緩和に踏み出すかもしれないことを鑑みるとドル円はダウンサイドリスクのほうが高いとみるべきでしょう。
【ご注意】
※記載の内容は投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではございません。
※投資に関する最終判断は、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
※掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性、完全性を保証するものではございません。
※当サービスに基づいて被ったいかなる損害についても、トレイダーズ証券及び情報提供元、関連会社は一切の責任を負いかねます。
※いかなる目的を問わず本情報の複製、転送及び販売を固く禁じます。
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
---|---|
約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |