トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
トランプ政権への先行き不透明感から上値の重い展開が続いていた米ドル/円ですが、トランプ米大統領が税制改革に関する驚くべき提案を明らかにする考えを示したほか、日米首脳会談という目先のリスク・イベントも無事通過したことでマーケットではリスクオンのモメンタムに変化しつつあります。また、昨夜イエレンFRB議長は早期に利上げに対して意欲を示したことも追い風となり米ドル/円は114円台に回復しています。
イエレンFRB議長早期の利上げに意欲
イエレン議長は上院銀行委員会での証言にて3月利上げ決定があり得るとし、経済が拡大しインフレ率も上昇する中、FRBが利上げで後手に回ることは望んでいないことを示しました。また、利上げのタイミングについて「われわれは今年8回のミーティングがある。物事が予定通りに進めば、金利の誘導目標を引き上げることになるだろう」として証言は全体的にタカ派的な内容となりました。
加えてダラス連銀のカプラン総裁も、FRBは早期に利上げに動くべきとの認識を示し、「早期に利上げしなければ、段階的に金利を引き上げるという計画を断念せざるを得なくなる恐れがある」との考えを示しました。
このほかにも最近のFOMCメンバーからはタカ派的な発言が目立っており、早期利上げ機運が高まっているようにも思えます。
3月の早期利上げは困難か 本命はやはり6月
しかし、イエレン議長の発言とは裏腹に実際のマーケットの反応は控えめです。最新のFedWatchを見ても3月利上げ確率は13%と全く織り込めていません。マーケットではFOMCメンバーの発言を信用していないのです。なぜなら昨年も年3回の利上げコンセンサスでしたが、結局は1回しか利上げをすることができませんでした。マーケットではハト派のイエレン議長が本当に年3回も利上げができるのか疑問を持っています。
また、3月は米債務上限の問題もあり時期的にも難しい状況です。こう考えると今のFOMCメンバーのタカ派発言は市場への織り込みキャンペーンにすぎず、本命はやはり6月利上げになるのではないでしょうか。
日米首脳会談は無風で通過もドル円上昇の要因にはならない
週末の日米首脳会談で強いパートナーシップが確認され、トランプ米大統領から円安誘導への言及がなかったことで市場には安心感が広がっています。
しかし、円高懸念が払拭されただけで円安を保証するわけではありません。会見でもトランプ大統領は中国の人民元を念頭に「公正な条件を取り戻す」と発言し、その瞬間米ドル/円も112円台後半へと突入しました。会談で為替の話が出なかっただけで、トランプ大統領の保守主義的なスタンスは変わったわけではありません。
今後ペンス副大統領と麻生副総理をトップとする枠組みが決まりましたが、内容はこれからになるので過度の楽観は禁物です。
今後のマーケットポイント
さて今後のマーケットテーマは28日議会演説にも発表されるといわれているトランプ大統領の税制改革案になります。税制改革に関する驚くべき提案を明らかにする考えを示しており、ドルにとっては追い風になります。
とはいえ、まだ不確定要素は残るほか、トランプ大統領の即近フリン補佐官の急な辞任などホワイトハウスのごたごたもあり一気に上昇していくことも難しいのではないでしょうか。
短期的な上値の目処は1月27日高値の115.35円付近や1月19日高値の115.60円付近となります。やや上向きに目線を上げてはいますが、神経質な地合いでもあり、113円~116円をブレイクするにはもう少し時間がかかるかもしれません。
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