“需給の鬼”こと井上哲男の相場の潮流〜プロの市場分析ノウハウと注目銘柄が分かる!|第4回

“需給の鬼”こと井上哲男の相場の潮流〜プロの市場分析ノウハウと注目銘柄が分かる!|第4回

原油安の含むインプリケーションは大きい

 4月20日、WTI原油先物5月限が史上初のマイナス価格である1バレル=マイナス37.63ドルで引け、世界に大きな衝撃が走った。通常は有り得ないマイナス価格が生まれた背景には、保管・貯蔵に関する逼迫がある。

 WTIの買い方がそのまま反対売買を行わないと、オクラホマ州で原油を受け取ることとなる。マイナス価格であった場合、原油を受け取り、なおかつ37.63ドルを受け取ることになるが、引き受けた原油を海に流すわけにもいかず、保管・貯蔵費が発生することとなり、これが非常に高騰しているのだ。つまり現在の原油先物価格は、想定原油価格からこのコストを引いたものなのである。

 伏線は十分にあった。米エネルギー情報局(EIA)が毎週発表している週間石油在庫統計によると、4月10日までの12週連続で在庫が積み上がり、戦略備蓄分を除いた原油在庫は5億バレルを超えていた。米国の原油在庫の限界は6億5000万バレルのため、現在のペースだと6月中旬には備蓄能力を超えてしまうことになる。では、生産を止めればいいのかというと、生産設備は一度停止すると再開時に大きな費用がかかるため、価格を下げ、量を抑えてでも生産を続けた方が損失は少なくて済むという思惑が働いている。

MYMEX投機筋ポジションとWTI原油先物価格

 無論、窮状は米国に限ったことではない。南米の産油国エクアドルは財政難から国債の利払いを8月まで止めることを発表し、格付け機関から「デフォルト=債務不履行」の烙印を押された。また、ソブリン・ウエルス・ファンドとして欧州に存在する中東のオイルマネーが、母国への資金還元のため有価証券の現金化を進めているという話もある。実際、日本取引所グループ(JPX)が公表している3月までの地域別日本株売買動向によると、「欧州」の売り越し金額は約2兆円と大きく、「北米」の約4倍にもなる。リーマンショック、上海ショック共に指数が安値をつけたのはショックから半年程度たったときであった。今回、"二番底"への一つの鍵が原油価格であることは間違いない(2020年4月23日寄稿)。

今月のピックアップ銘柄

ダブルスタンダード 東証1部(3925)

ダブルスタンダード 東証1部(3925)

  • 2位/3,408社中
  • 株価:4,080円
  • 最低投資金額:408,000円
  • PER:37.8倍
  • PBR:13.12倍
  • 予想配当利回り:0.98%

(2020年5月8日時点)

ここ数年間は高い成長性を継続

データクレンジング技術を生かし、ウェブ上のビッグデータ解析、顧客の新たなコンテンツの開発・運用支援などを行う。2月に配当の増額修正を発表。

マークラインズ 東証1部(3901)

マークラインズ 東証1部(3901)

  • 9位/3,408社中
  • 株価:1,784円
  • 最低投資金額:178,400円
  • PER:33.3倍
  • PBR:9.78倍
  • 予想配当利回り:1.17%

(2020年5月8日時点)

自動車業界に特化したソリューション提供

検索サイトを運営すると共に、自動車業界の総合支援を行う。顧客開拓のプロモーション広告をはじめ、市場技術の紹介、部品調達情報、市場予測、人材紹介、受託調査など、完成車メーカー、部品メーカー双方にとって貴重な存在。

※この記事は、FX攻略.com2020年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

「今月のピックアップ銘柄」は「個別株投資は“語れる銘柄”が多い方が有利」の観点から、井上氏が代表を務めるスプリングキャピタル社作成の「経営指標ランキング」から上位社をピックアップしてご紹介するものであり、投資の推奨を行うものではありません。 「経営指標ランキング」は、東証33業種のうち、金融4業種を除いた29業種の銘柄で4期以上有価証券報告書を提出している企業を対象に、四半期毎に全社、および所属業種内ランキングを作成するもので、年度の確定順位は5月基準(例:2019年度確定順位は2020年5月基準)で決まります。経営指標ランキングは企業が発表する決算を基に、「成長性」「資本利益率」「売上高利益率」「健全配当性向」に統計的な処理を行うことにより作成され、10年以上の長きにわたり、ヘッジファンド等に提供されています。また、多くの対象企業のホームページでも公開されています。

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井上哲男(いのうえ・てつお)

スプリングキャピタル社代表、日本証券アナリスト協会検定会員。上智大学卒業後、国内保険会社の運用部門長を経て、(現オールド・ミューチュアルグループ)UAMジャパン・インクのチーフ・ストラテジスト兼日本株式運用部長に転身。その後、プラウド投資顧問、アジア最大級のファンド・オブ・ファンズの運用会社であるMCPグループなどで同職を務めた後、独立。“需給の鬼”と呼ばれ、日経CNBCテレビ「夜エクスプレス」「〜攻めのIR〜MarketBreakthrough」、ラジオNIKKEI「アサザイ」などのパーソナリティも務めている。
オリジナルのテクニカル分析や需給動向により、独自の視点から株式相場(株式指数)の方向性を分析する井上氏のメルマガ「相場の潮流」、井上氏とBコミさんこと坂本慎太郎氏が相場解説、ピックアップ銘柄の紹介を行う動画スクール「勝者のスクリーニング-株ハイブリッドバトル-」がGogoJungle(ゴゴジャン)から好評発売中。

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