FXにおいて時間的な要素を重要視しているという川崎ドルえもんさん。本企画はそんなドルえもんさんに統計的なアプローチから具体的なトレード戦略を教えていただきます。
時間的統計から見る2月の為替傾向は?
こんにちは、川崎ドルえもんです。私は為替の季節的傾向を参考にしてトレードを行っています。今回は2月の季節的な傾向を中心に解説していきます。表①は2000年以降の月足で陽線と陰線を数えたものになります。まずは、クロス円以外の通貨ペアの傾向を見てみましょう。表①を見ると、豪ドル米ドルの陽線が14回、ユーロ豪ドルの陰線が13回と、どちらも豪ドル買いの傾向がわずかに出ています。しかし、これだけではあまり強い傾向とはいえません。
そこで、より詳しく傾向を分析するために週足の時間統計を見てみます。
表②は豪ドル米ドルとユーロ豪ドルで2000年からの2月における週足の陰線と陽線の割合を今年2月の各週ごとに当てはめたものになります。見てみると、豪ドル米ドルの2月24日からの週足の陽線確率が30%(陰線確率が70%)となっています。なので、2月末の豪ドル米ドルは比較的陰線がつきやすい傾向にあるといえます。しかし、週足統計でもあまり強い傾向ではないので、トレードする際は損切り設定をして、強気にトレードするのは控えた方がいいと思います。
次に、私が注目したのはスイスフラン関連の通貨ペアです。表①のユーロスイスフランの2月を見てみると陽線が5回、陰線が15回と偏っており、陰線になる確率は75%と高くなっています。また、ポンドスイスフランの陰線回数は13回となっています。そこで、この二つの通貨ペアも先ほどと同様の週足統計でより細かく見てみます(表③)。ユーロスイスフランの2月10日からの週と24日からの週の陽線確率が共に30%(陰線確率が70%)と陰線になる確率が高くなっています。これを基にトレードをするならば、相場の状況を見ながら10日からの週と24日からの週はユーロスイスフランをショートするのが良いことになります。
レンジ相場に有効なリピート系がお勧め
表①のクロス円を見ると、2月は目立った傾向が見られず動きが出にくい月になっています。したがって、2月は大きな動きが出にくいレンジ相場になる傾向があるといえそうです。こういった時期にトレンドを狙った手法でのトレードは難しくなってきます。そこでお勧めしたいのは、トラリピやグルトレなどのリピート系です。リピート系とは、相場の細かい価格の上下変動をコツコツ取っていく手法で、レンジ相場に強いです。つまり、時間統計的にレンジになりやすい時期には有効な手法となります。
ただし、注意点としてリピート系にもロングとショートがあり、今後の相場の方向性を見極める必要があります。なので、リピート系を運用するためには、レンジと共に上下どちらに動きやすいのかを予想しなければなりません。また、リピート系の運用で重要なのは、ポジション管理と証拠金の管理です。特に証拠金は通貨ペアのレートによって変動します。レートの高い通貨ペアはそれだけ多くの証拠金が必要になってくるため、注意しましょう。
以上を踏まえて、2月からリピート系が運用できそうな通貨ペアを探していきます。あらためて表①を見てみると、4月のポンド円とNZドル円、カナダドル円は陽線回数が多くなっています。この中ではポンド円は多くの証拠金が必要になるため、リピート系に向かないと考えて除外します。そうすると、2月からのリピート系で時間統計論的にお勧めの通貨ペアは、NZドル円やカナダドル円ということになります。具体的には、NZドル円やカナダドル円で動きの出にくい2月ごろから上昇傾向にある4月にかけて、グルトレなどのリピート系をロング方向にスタートし、4月ごろに終了するのが良いと思います。
時間統計論の注意点
時間統計論は、過去の値動きから統計を取ったものを参考にしています。ユーロスイスフランの2月の陰線確率は75%と紹介しましたが、逆にいうと陽線がつく確率が25%もあるということになります。そこに注意して損切りをちゃんと設定した上でトレードを行いましょう。
また、統計を取るローソク足の色は始値から終値の実体ベースで決まるので、この統計にはヒゲが含まれていません。したがって、このデータを参考にする際は月初めや週初めに一気にポジションを持つのではなく、相場状況を見ながら徐々にポジションを増やしていくトレードがお勧めです。
※この記事は、FX攻略.com2020年3月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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