FXにおいて時間的要素を重要視している川崎ドルえもんさんの当連載。「為替天気予報」として、統計的アプローチからの具体的なトレード戦略を教えていただきます。
※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
3月は為替相場が動きづらい月
こんにちは、川崎ドルえもんです。今回は過去の相場から3月の傾向・アノマリーを紹介していきましょう。まず表①は、月足の陽線と陰線を2000年から数えたもので、ユーロ円とポンド円の陽線回数が21回中13回、豪ドル円は陰線回数が13回とわずかに多くなっています。13回という回数は、確率に直すと約62%の確率でその方向に動いたということになります。
月足の為替天気予報では、どちらかに14回以上動いていないと傾向・アノマリーが出ているといいません。このことから3月の為替相場は動きづらいレンジになりやすい月といえます。実際にドル円のチャートを見てみると、3月は十字線や実体が短いことが多くなっています(チャート①)。3月はレンジ相場になりやすいことから、レンジに特化したトレード方法を考えてみるのが良いかもしれませんね。
また、メキシコペソ円は2006年末からのデータですが、陽線は14回中10回と多くなっており、陽線確率に直すと約71%です。このことから3月はメキシコペソ円がわずかに買われやすい傾向があることが分かります。
年度末はカナダドルが買われやすい
次は週足の傾向・アノマリーを見ていきましょう。表②は第1週のクロス円に関する週足統計データです。この確率は陽線確率を表しているので、確率が高いほど陽線になりやすく、低くければ陰線になりやすいということになります。ユーロ円の陽線確率が68%、ポンド円は67%、豪ドル円は69%、スイスフラン円が65%と高くなっています。このことから3月の初めはクロス円が上昇していきやすい傾向があることが分かります。
次は年度末の傾向を見ていきましょう。表③は3月最終週のカナダドルに関する通貨ペアの統計データです。見てみると、カナダドルが取引通貨になっているカナダドル円は80%と高く、カナダドルが決済通貨になっている米ドルカナダドルでは23%、ユーロカナダドルは29%、豪ドルカナダドルは31%と低くなっています。このことから年度末の3月はカナダドルが買われやすい傾向があることが分かります。
3月26日・29日は豪ドル買いの季節性
続いて日足の傾向・アノマリーを見ていきましょう。3月は豪ドルに多く季節性が出ているので、豪ドルに関する通貨ペアの日足天気予報を紹介します(表④)。
見てみると、3日の豪ドル米ドルの陽線確率が76%、豪ドルNZドルは79%と高く、豪ドルが決済通貨になっているポンド豪ドルは13%と低くなっています。このことから3日は豪ドルが買われやすい傾向があることが分かります。16日は豪ドルNZドルの陽線確率が26%、豪ドルスイスフランは27%と低く、ユーロ豪ドルは74%、ポンド豪ドルが78%と高くなっています。このことから16日はわずかに豪ドルが売られやすい傾向があることが分かります。さらに19日はポンド豪ドルが単一で88%と高くなっていますね。
次に26日の欄を見ると、豪ドル円の陽線確率が78%、豪ドル米ドルが82%、豪ドルスイスフランは88%と高く、ユーロ豪ドルは22%と低くなっています。また29日は豪ドル米ドルが78%、豪ドルスイスフランは82%と高く、ユーロ豪ドルは21%、ポンド豪ドルが26%と低くなっています。このことから26日と29日は豪ドルが買われやすい傾向があることが分かります。
年度末は日経平均が下がりやすい
最近、株に関する統計データを取りました。それによると3月31日の日経平均は過去30年間で2回しか陽線になっておらず、陽線確率が6%しかありません。このことから年度末の最終日は日経平均が下がりやすいことが分かります。株取引をしている人がいたら参考にしてみてください。
3月は基本的に方向性が出にくい月になります。一番私が苦手な月で、無理にトレードは行わない月です。FXとは何かしらの優位性を探していくものです。それは何でも構いません。一般的なテクニカルのシグナルでも構いませんし、この為替天気予報でも構いません。
また、あくまで優位性であり、損切りすることも考える必要があります。例えば、80%勝てる手法でも100回中20回は損切りを行うことになります。その辺りに注意しながらトレードに生かしていきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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