暴力的な株価の下落で米国のVIX(恐怖指数)は80ptを超え、リーマンショック級の危機を意識し始めました。新型コロナウイルスの世界的なパンデミックが現実のものとなり、各国政府が渡航制限や国境封鎖、各種イベントの中止などを打ち出したことで、人の流れが止まり、グローバルなリセッションが避けられないとの見方が強まっています。
株、債券、金、原油などのほぼ全てのリスク資産が売られてキャッシュ化が加速しています。そして、基軸通貨ドルの需要が強まることで、ドル高・円安の動きとなっており、この動きは「究極のリスク回避」とまでいわれています(2020年3月20日時点)。
この未曽有の危機に直面し、乱高下する相場の中で資金を手元に置き、仕込むタイミングを見計らう投資家が増えています。今は、自身の投資ポートフォリオをリセットして組み直す、良いタイミングかもしれません。
自らのポートフォリオを振り返る
私の投資ポートフォリオは2019年度時点で、日本株(25%)、FX(20%)、仮想通貨(20%)、エンジェル投資(10%)、原油(3%)、インパクト投資(2%)、現金(20%)となっていました(図①)。今回の急落で見直すことになりましたが、仮想通貨の比率が大きいのと、債券を入れていないのは反省点で、今のリセットのタイミングで修正していきます。
FXと株は両方持ち、分散投資
相関性が低いものに分散投資を行うことで、投資先の一つが下落しても他の資産の値下がりを回避して、リスクを軽減することができます。そのため、分散投資として相関性が低い資産をポートフォリオに組み込むことが重要です。
この観点から、株と為替の値動きに変化が見られます。アベノミクスが立ち上がった後は日銀の金融緩和を受けて、日本株とドル円は連動性を持った値動きをしていましたが、2017年半ばごろからその連動性が薄くなり、直近の相場では真逆の値動きとなっています。日経平均が3年ぶりに1万6000円台へ水準を切り下げる中、ドル円は101円台から110円台へと円安に進行しています。現在、ドル円の値動きは米国債券の利回りとの相関性が高く、日本株との相関性は低いといえます。ですので、「株とFXの両方をポートフォリオのメイン」としていきます。
エンジェル投資などで“投資疲れ”回避
私は現在、専業トレーダーではないため、長期投資の観点からエンジェル投資やインパクト投資といわれるオルタナティブ投資も行っています。特にエンジェル投資は2015年に政府の後押しを受けて市場が拡大している“新しい投資”で、クラウドファンディングのFUNDINNO(ファンディーノ)が業界をけん引しています。個人がIPOやM&Aの可能性のある企業の株主になる仕組みで、株価の値動きではなくEXIT狙いの長期投資になります。
コロナショックで乱高下する相場の中で、これらに分散投資していたことで資産を一部守ることができたと共に、値動きを追う“投資疲れ”も極力軽減することができました。この先は再度、債券などをポートフォリオに組み直して、新型コロナウイルスの終息を待ちたいです。
第3回まとめ
乱高下する相場でキャッシュ化の流れが加速。そんなときこそ、ポートフォリオの組み直しのチャンス!
※この記事は、FX攻略.com2020年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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