米国株とドル円相場の逆相関は続くのか?
経済活動の再開が進む中、5月11日からの週は米株価が下落し、NYダウは週間ベースで645.9ドル安と、2週ぶりの下げ幅となりました。一方、ドル円相場は小幅な値動きながら堅調に推移し、一時107円台後半まで上昇しています(2020年5月18日時点)。
為替相場と株式市場に注目すると、コロナショック前には米株価が上昇するとドル円も上昇する、正の相関関係にあったドル円が、3月以降は逆相関になっています。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和の影響が大きい可能性があります。
日銀とFRBのバランスシート比率で見ても、FRBの資金供給量は日銀を大きく上回っている状況です。米株価とドル円の逆相関は、しばらく続くのではないでしょうか。今後、経済活動の再開が本格化する中で、どのタイミングで正の相関関係になるかの見極めが重要になりそうです。
ウォーレン・バフェット氏の投資行動
混沌とする相場の中で、米資産家で著名投資家のウォーレン・バフェット氏の投資行動から、アフターコロナの世界を考察してみましょう。
2008年のリーマンショック当時、失業者の増加や経済活動の低下など、不安をあおり立てるニュースが溢れる中、バフェット氏は「米国株の爆買い」を行っています。では、コロナ禍の今はどうでしょうか? 5月2日、自身の率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイが、保有していたデルタ航空とサウスウエスト航空、アメリカン航空グループ、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスの株式を全て手放したことを明らかにしたと報じられています。一部報道によれば、バフェット氏は新型コロナウイルスのパンデミックの経済的影響により、航空事業が根本的に変容したと指摘しているようです。コロナ禍による、世界的なパラダイムシフトは避けられないと考えられます。
中国らしい最先端テクノロジー技術を見せつけられた
一方、中国に目を向けると、新型コロナウイルスの封じ込めにおいて、中国らしい最先端テクノロジー技術を世界は目の当たりにしました。徹底した監視に基づいて人々の感染リスクの判断や管理をアプリを通じて行うことで、封じ込めに成功。あらためて、デジタルプラットフォーマーの力を見せつけられました。焦りを感じながらこれを見ていた世界は、今後、業務の無人化・省力化への進化を一層強めそうです。従来からいわれていた「ミライ」が、新型コロナウイルスをきっかけにグッと近くなったといえるでしょう。
日本買いは続くのか?
株がV字回復しているファーストリテイリング(ユニクロ)の大株主は誰か。それは日銀です。日銀は間接的に約20%もの株式を保有しており、ファーストリテイリングの株価は日銀の買い支えもあり、4月以降V字回復しています。
日銀は今年3月、上場投資信託(ETF)の買い入れ上限額を年間6兆円から12兆円に拡大しました。この買い入れ額拡大により、1回あたり1200億円前後のETF買いが株式市場に流入しており、相場の下支え役を果たしています。日銀はETF買いを通じて、日本株に対する国内最大の買い手となっています。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀が本気で買い支えしているマーケットは崩れにくく、海外の機関投資家からも魅力的な市場であることは、想像がつくでしょう。
アフターコロナの世界では、日本の死亡率の低さから、信頼度の高い国であると再考察される可能性があります。また、機関投資家が継続して購入を続ける日本株、日本経済はアフターコロナでどのような世界を描けるのか注目されます。
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第5回まとめ
- 米国株とドル円相場が、逆相関から正の相関関係になるタイミングに注意
- ウォーレン・バフェット氏の投資行動から、世界的なパラダイムシフトは避けられないと考えられる
- 機関投資家の買いが入る日本のマーケットは崩れにくい
※この記事は、FX攻略.com2020年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
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