※この記事は、FX攻略.com2021年3月号(2021年1月21日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
2021年からスタートするバイデン政権ですが、その財務長官に米連邦準備制度理事会(FRB)元議長の「ハト派」であるジャネット・イエレン氏が起用されます。その他、行政管理予算局(OMB)局長に民主党政策スタッフを長年務めるニーラ・タンデン氏、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長にプリンストン大学公共政策・国際関係大学院長のセシリア・ラウズ氏などの人事が正式に表明されています。
その中でも、財務長官の人事には注目が集まっていました。イエレン氏を起用した人事によって米国の経済政策はどうなっていくのでしょうか? 日本経済にも影響が大きいのはいうまでもありません。
前FRB議長の際のスタンス
財務長官という重要なポジションにイエレン氏が就任するわけですが、イエレン氏が前FRB議長の時代の功績やスタンスを振り返ることで、今後の米国金融政策の動向を予想することができます。
イエレン氏の経歴を振り返ると、1970年代にハーバード大助教授からFRBの国際担当エコノミストに就任。その後、FRB理事、サンフランシスコ連銀総裁などを歴任し、2010年にはバーナンキ議長を支える副議長に就き、雇用拡大を重視するハト派の評価を高めています。
2014年にFRB議長(在任期間:2014年2月~2018年2月)に就任。リーマンショックによる金融危機からの回復局面での手腕を高く評価されています。緩やかな引き締めにとどめて市場の混乱を抑え、金融市場を上手に育てあげることで、米国の景気を持ち上げたのです。その先も見据え、量的緩和を完全終結させ、「金融政策の正常化」に導くところまで請け負っています。
具体的には、2015年末に利上げを再開したものの、2015年、2016年に年1回の金融引き締めにとどめ、市場の反応を見ながら段階的に慎重な政策を進めています。これによって、金融正常化の中での世界市場の動揺を抑えることに成功し、株高と景気回復を果たしたのです。つまり、イエレン氏は「危機脱出請負人」なのです。
イエレン氏は「危機脱出請負人」
米国経済に焦点を当てると、「名目政策金利ゼロ、実質金利マイナス」という状況は少なくとも2021年も続くと予想されています。雇用環境を見てみると、2020年の3月と4月に失った非農業部門の雇用者数はまだ半分程度しか回復していません。失業率もコロナ以前の水準に戻るには、まだ1年以上時間を要する可能性もあります。
こうした状況の中で、FRBが利上げを必要と感じるところまでインフレ率が上昇するのは難しいとの見立てもあります。しかし、今回、イエレン氏は米国のファイナンスを切り盛りする財務長官に起用されるわけで、彼女が果たすべき方向性は「いかに、危機から脱出するか」ということでしょう。その点では、FRB議長であった時代と目的は同じだといえます。
今すぐに実行されるわけではないとしても、「金融の正常化」の議論そのものを着実に進めてもらいたい。そのためには、イエレン氏の人事が最適だと歴史が物語っているのでしょう。
- イエレン氏は雇用拡大を重視する「ハト派」
- リーマンショックからの金融正常化で手腕が評価されている
- イエレン氏は「危機脱出請負人」
※この記事は、FX攻略.com2021年3月号(2021年1月21日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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