大切なのはコンセプトを理解すること
エントリーとエグジットは売買戦略の一部です。 そして、売買戦略を組み立てるうえで大切なことは、コンセプトを理解していることです。 なぜその売買戦略が機能するのかを理解している必要があります。 つまり、エッジ(統計的優位性)を理解することが大切なのです。 たとえば、以前紹介した順張りスイングトレード(図表1)のエッジは、トレンドの一部を切り取るということです。
損切りがもっとも大切
損切りがもっとも大切です。FXとは「資金を増やすゲーム」ではなく、「資金を減らさないゲーム」だからです。勝つことよりも負けないことのほうが大切です。そして、「損切りは自分で決めるもの、利食いはマーケットが決めるもの」です。初心者の方は「損切りが難しい」といいますが、上級者になればなるほど、「利食いが難しい」といいます。
損切りは、エントリーした瞬間に明確に決まります。損切りとはエッジが消滅するポイントです。買いの順張りスイングトレードでは、損切りを直近の主要な安値の下に置きます。順張りスイングトレードは、いわゆる押し目買い・戻り売りの売買戦略であり、直近の主要な安値を割り込むということは、上昇トレンドが崩れる(ダウ理論によるトレンド認識)ということですので、直近の主要な安値を割り込むとエッジが消滅します。このように損切りは明確であり、簡単です。
利食いはできるだけ我慢する
一方、利食いは明確ではありません。マーケットの動きに合わせて、利益を伸ばす必要があるからです。損切りがしっかりとできるようになったら、今度は利食いをできるだけ我慢してください。マーケットは含み損を抱えている投資家が嫌がる方向に進む傾向があります。逆にいえば、含み益になっているということは、マーケットはさらに含み益が膨らむ方向に進みやすいということです。勝ち残るためには、取れる相場できちんと稼いでおく必要があります。
自分のトレードスタイルをつくる
私は、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を組み合わせてトレードを組み立てています。ファンダメンタルズ分析の最大の目的は、「マーケットの旬のテーマを探し出すこと」です。2013年前半の旬のテーマは、「オージー/ドル」の下落と「ドル/円」の上昇でした。旬のテーマを発見し、それが長く大きなトレンドに繋がれば、トレードを組み立てやすくなります。もちろん、長く大きなトレンドが発生することは事前にはわかりません。ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を駆使して、値動きを想定する他ありません。 図表1は、「オージー/ドル」のチャートです。
主要な高値と主要な安値を折れ線で結ぶと、図表3のようになります。
ダウ理論によるトレンドの認識では、主要な安値を下抜くことでダウントレンドが始まり、主要な高値を上抜くことで、ダウントレンドが終わります(図表4)。
このダウントレンドの最初から最後までを狙うのが、トレンドフォロー戦略であり、このダウントレンドの一部を狙うのが、順張りスイングトレード戦略です。
これだけ良好なダウントレンドであれば、売りが圧倒的に有利です。売りで仕掛ければ、ほとんどが利益になるでしょう。問題は、どのように売買戦略を組み立てるかです。トレンドフォロー戦略でも順張りスイングトレード戦略でも、損切りのポイントは明確です。直前の主要な高値を上にブレイクしたら損切りです。主要な高値を上にブレイクするとダウントレンドが崩れるからです。
やはり、難しいのは利食いです。利食いのポイントはいくつも考えられます。利食いの値幅を大きくすれば、ペイオフレシオは高くなりますが、勝率は下がります。正解はありません。最終的には、自分の好みに合わせるしかありません。それが自分自身のトレードスタイルです。他人のトレードスタイルを真似しても、いつか無理が生じます。
また、どこでエントリーして、どこでエグジットするかということばかりに興味がある個人投資家が多いですが、売買戦略のコンセプトを理解していないと、長くFXの世界で生き残ることは難しいでしょう。コンセプトを理解していないと、環境の変化に対応できないからです。
そもそも投資家にとって一番大事なことは、資金が増えるかどうかということであって、エントリーとエグジットはその手段に過ぎません。資金の増減を気にせずに、エントリーとエグジットばかり気にするのは本末転倒です。(月刊FX攻略.com 2013年11月号掲載)
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スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |