トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
マーケットの関心は徐々にFOMCへ
新型コロナウイルスは感染拡大に収束の兆しはなく、マーケットのリスクオフスタンスは変わりません。しかし、最悪の事態を想定した過度な警戒は幾分収まっており、マーケットの関心は徐々に明日未明4:00に行われるFOMCに移りつつあります。
今回のFOMCでは政策金利の据え置きが見込まれていますが、パウエルFRB議長の発言や金融政策の調整が実施されるのかが焦点となります。特にFRBが昨年10月から実施している月額600億ドル相当の米財務省短期証券の購入(いわゆるステルスQE)を巡って市場参加者は今年4月~6月までとされている終了時期の見極めがポイントです。
実際、米財務省短期証券の購入開始後に米国株価は上昇しており、会見でパウエル議長には鋭い質問が投げかけられると予想されます。
ステルスQE終了時期はいつ
新型コロナウイルスは依然として先が見えず視界不良であることは間違いありませんが、怖くてロングできないといったフェーズは終わったのではないでしょうか。当然ウイルス関連のヘッドラインに振らされる展開ではあるのですが、ドル円は今週つけた安値の108.70-80円付近が短期的なサポートと考えています。
また、FOMCで注目される米財務省短期証券の購入終了時期ですが、早期終了という事があれば米株価の暴落につながるため注意をしておかなければなりません。ただし、パウエルFRB議長がここでマーケットを冷やしにかかるとは思えませんのでネガティブサプライズの可能性は低いとみています。
乱高下必至!明日のBOEに最大限の警戒を
明日はBOEの政策金利発表がありますが、現時点でも利下げとなるか据え置きとなるか予想が割れています。この時期にコンセンサスが取れていないことは異例でどちらの結果になったとしても大きく動くことは間違いなさそうです。あしもとで好調な英経済指標や翌日の31日にEU離脱というビックイベントを控えていることを考えると据え置きとも思えますが、MPC(英中銀金融政策委員会)メンバーの直近の発言では利下げに傾いていたようにも思えます。正直全く予想ができません。また、各メンバーのスタンスの変化によっても相場は動意づくため値動きは複雑化しそうです。
ここまででわかっていることは大きな値動きになるということ。ポンドを保有しているトレーダーはポジションを縮小してボラティリティから身を守るべきなのかもしれません。
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