エンドレスの延長戦が続いていたギリシャ債務交渉も、翌日順延とはならず、ついに 幕切れを迎えることになりそうである。ギリシャのいかなる提案にかかわらず、国際債権団とユーロ圏各国が、どのような幕切れを演出するか注目している。
劇的な幕切れとは考えにくく、緩やかに、そして、穏やかなユーロ圏からの離脱を選択すると考えたい。それには、ギリシャの自主的な離脱がもっとも望まし良い選択ではあるが、それと並行して、返済時期の先延ばしや、ある程度の債務減免の措置も含まれることであろう。
一時的なユーロの買い戻しも、長続きできず
ギリシャ問題という、ユーロ圏にとっては喉に刺さった小骨が抜け落ちることにな り、最悪の材料に備えた、「リスク資産売り+安全資産買い」の動きの反動に、一時的なユーロの買い戻しが考えられる。
しかし、ユーロ圏を離脱したギリシャは破綻国家として自立できるのか? 他の南欧諸国がギリシャのユーロ離脱というウイルスに感染する心配は残ったままである。
また、可能性は低いと思われるが、ギリシャの経済が容易に立ち直り、ユーロ圏離脱が逆に功を奏する結果にでもなれば、ユーロ圏を離脱しようとする国が現れることは容易に想像できる。そうなれば、一時的に上昇していたユーロの流れは変わり、さらなる下落の道を探ることが懸念される。
2015年3月末時点のギリシャ債務は、救済支援(含む銀行)総額2700億ユーロ(約36兆円)に達している。ドイツが682億ユーロ、フランスが438億ユーロ、イタリアが384億ユーロ、スペインが250億ユーロ、IMFが214億ユーロ、ECBが181億ユーロと続く(※図1、BBCニュースのWEBサイトより)。
図1.ギリシャ債務・救済支援グラフ
IMFが7月2日に公表した報告書では、ギリシャに今後3年間で500億ユーロ(約6.7兆円)の追加支援が必要と発表している。はたしてギリシャは、このような巨額な追加の支援をユーロ圏各国が容認する改革案を提出できるのだろうか?
2010年のギリシャ危機からすでに5年を経ても、一向に改善しないギリシャ問題。どのような改革案が示されたとしても、すべては一時しのぎの案に過ぎずないのではないだろうか?
ギリシャを救済するための、さらなる追加支援の金額を考えれば、ギリシャに緩やかなユーロ圏離脱を勧める支度金として、ある程度のコストは容認できるのではないだろうか?
以上から、ずばり今後の為替相場見通しを考えてみたい。金融市場に配慮した緩やかなユーロ圏離脱を選択した場合には、急激な為替変動も考えにくいと思われ、変動率は穏やかと思われる。(※注意 予想値には中国リスクは含めず)
EURUSD
1か月=1.1000、3か月=1.1450、年末=1.0200。
EURJPY
1か月=133.00、3か月=135.00、年末=129.50。
USDJPY
1か月=121.00、3か月=118.00、年末=127.00。
(執筆日:2015年7月10日)
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