今年は32年ぶりに3月の東京に大雪警報が発令されました。この原稿を書いているとき、外の気温は2度。つい先日、桜の開花宣言があり、気温も18度前後まで上昇し、コートをクリーニングに出そうか迷ったほどでした。寒暖の差が激しいですが、堪えるのは人間だけでなく穀物も同じです。今回は、いよいよ天候相場に入るトウモロコシ相場を見ていきます。
※この記事は、FX攻略.com2018年6月号の記事を転載・再編集したものです
トウモロコシの一年
まず、トウモロコシの一年を見てみましょう。大きく分けて、4月~9月は「天候相場期」、10月~3月は「需要相場期」と呼ばれます。作付けに適した時期は産地ごとに異なりますが、米国中西部では4月~5月、南半球の産地では10月~11月とされています。作付け期が好天に恵まれ、作付けが早く終われば終わるほど夏の高温期に入る前に受粉期となり、干ばつによる被害の可能性が低下します。
夏(7月~8月)は「受粉期」といわれ、天候相場期のトウモロコシにとって最も重要な季節です。この時期、最も多くの水分を必要とします。相場は、産地の降雨や気温の変化に対して非常に神経質な動きを見せます。受粉期に高温乾燥の天候となり、干ばつ懸念が強まれば、凶作見通しから相場が急騰することが多いです。逆に、この時期に生育に適した降雨と気温が続けば、豊作に対する思惑から価格が急落、もしくは安値圏で低迷しやすくなります。
8月下旬~9月下旬は、早霜に対する警戒が必要となります。そして収穫期(10月~11月)は米国産地の降雨状況が注目され、長雨などに見舞われれば収穫遅れの懸念が生じます。産地の収穫が終了すれば、名実ともに需給相場期に突入。それとほぼ時を同じくして、アルゼンチンなど南半球が作付け期を迎えることになります。
アルゼンチンの干ばつ
では、次に最近のシカゴトウモロコシの値動きを見ていきましょう(チャート①参照)。チャートを見れば一目瞭然ですが、昨年12月には335.25セントの安値をつけました。しかし、今年に入ると一方的な上昇局面を迎え、3月15日には390.75セントまで水準を引き上げました。その後、下落する場面もありましたが、高値圏には位置しています。
今年に入ってからの上昇の背景には、昨年11月ごろから続くアルゼンチンの干ばつにより、同国のトウモロコシ・大豆の生産量が減少するとの思惑があります。アルゼンチンは、世界最大の大豆粕の輸出大国です。そのため、まずシカゴ大豆が上昇し、これにシカゴトウモロコシが追随する流れとなりました。
これに拍車をかけたのが、3月8日に発表されたトウモロコシに関連する一連の指標でした。まず、米農務省(USDA)から週間純輸出成約高報告(3月1日までの一週間)が発表され、事前予想が100万トン~150万トンだったのに対し、185.76万トンとなり、先高観から買い付けが活発になっていることが確認されました。次いでUSDAから発表された需給報告では、輸出が前月予測5203万トンから5652万トンへ上方修正され、これにより期末在庫が前月の5975万トンから5404万トンに下方修正されました。また、アルゼンチン産トウモロコシの生産見通しを、これまでの3900万トンから3600万トンに下方修正しました。
440セント台に突入するかに注目
これらを受けて、シカゴトウモロコシは3月15日に390.75セントまで上昇しました。今年の天候相場のチャートポイントは、440セント台への突入です。シカゴトウモロコシ相場(期近つなぎ足ベース)は2015年が438.75セント、2016年が439.25セントと、共に430セント台が高値となり、切り返されています。2017年の高値は394.50セントでした。アルゼンチン産トウモロコシの生産不良を背景に、まずは400セント台回復、そして440セント台乗せとなれば、思わぬ高値もありそうです。
ラニーニャの終息
その一方で、天候要因から考えると、目先の天井は近いとの見方もできます。今冬の日本の厳冬やアルゼンチンの干ばつの背景には、ラニーニャ現象があると考えられます。気象庁は3月9日、エルニーニョ監視速報を発表し、「2月もラニーニャ現象が続いているとみられますが、今後、春の間に終息する可能性が高くなっている」としました。また、同月13日にはオーストラリア気象庁が、ラニーニャ現象の終息を発表しています。
なお、時期的に収穫への影響は小さいですが、干ばつが続いたアルゼンチンでは4月は降雨が多いとの予報も出ています。これらを考慮すると、400セント台突入があれば、売り場になる可能性も低くはなさそうです。
※この記事は、FX攻略.com2018年6月号の記事を転載・再編集したものです
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