罠が多い相場で勝ち残るには?
相場の世界では「躊躇」を「慎重」と言い換えようとも、決断をためらったトレーダーは負けるといえます。相場の世界と、相場の世界の周辺には、恐怖や欲、誘惑など、さまざまな罠がそこら中にありますが、そんなさまざまな罠に立ち向かって勝ち残っていくには、そういうものは最初から受け付けないという覚悟が必要になります。そして、そういう覚悟を持つにはどうしたら良いかといえば、あらゆる状況を想定して、あらかじめ対処法を決めておくという心構えがとても大切です。
例えば、含み損を抱えている状態で「ナンピンした方が良い」というようなアドバイスを受けたとします。しかも、実績十分のプロトレーダーからです。しかし、そんなときであっても「自分はナンピンはしません」という方針があれば、躊躇してはいけません。ナンピンをするべきではないのです。
大切なことなので再確認ですが、相手がプロトレーダーだった場合、「ナンピンはしない方が良い」と思っているトレーダーであっても、多くの人は躊躇するはずです。「絶対にナンピンはしない」と、覚悟を持っていないと、躊躇することになり、躊躇することにより判断が遅れ負けにつながってしまうのです。
分からないことはとことん追求すべき
これは投資に限ったことでもなく、人生全般にいえることでもありますが、「自分の行動に納得ができる人」が強いのです。強い理由をシンプルにいえば、それはためらい(躊躇い)がないからです。
そして、ためらいがなくなるためにはどうしたら良いかといえば、徹底的に分からないことを突き詰めていき、その分からないことを解明していく姿勢を持つ以外にはありません。分からないことがあるなら、納得がいくまでとことん突き詰めていくべきなのです。
私たち一般投資家は、投資をせずとも生活をしていくことができます。生活の上では、時には、優柔不断で行き当たりばったりであることも、人としては魅力的なので大切なことだとは思いますが、投資の世界や勝負の世界では、残念ながら話は別です。
投資の世界や勝負の世界では、躊躇する人が負けてしまうのです。投資の世界には、確かに攻略法はあります。しかし、その攻略法のせいで躊躇するくらいなら、勇気を持って「捨てる勇気」も時には大切です。
※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです
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