米ドル/円予想レンジ 112.50-116.50
「Fed May Struggle to Signal What Comes After December (FRBは12月以降に何が起こるかを論争するかもしれない)」-。これは12/7の米経済紙一面の見出しだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は12/13-14に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催するが、マーケットは既に12月の利上げを織り込んでおり、関心は他に移っている。
次期財務長官がイエレン議長を褒めた!しかし…
次期財務長官に就任予定のスティーブン・ムニューチン氏は、11/30のTV番組でイエレンFRB議長を「good job(よくやっている)」と評した。確かに2014/2/1の就任以降、前議長の量的緩和策を円滑終焉させ、出口戦略として金利正常化を昨年12月に果たし、11月米失業率は4.6%と2007年8月以来の水準にまで低下させた。FRBの2つの責務、“物価の安定”“雇用の最大化”に努めている証となろう。
では、今回のFOMCの関心事は何か。大別して2点となろう。ひとつはトランプ氏が選挙期間中に「イエレン議長を再任(2018年2月以降)しない」としていたことだ。米大統領はFRB議長や理事を途中解任できない。しかし来年1月の新政権誕生後は、FRB理事の空席に、トランプ氏の意向を汲む人物が充てられるだろう。 12/14の議長会見では新政権とFRBの確執有無、任期途中の議長に辞任意思も問われるかもしれない。政治との温度差が探られる場面だ。
もう一点はトランプ氏が大型減税やインフラ支出を唱えていることに対し、12/5にNY連銀ダドリー総裁は次期政権の施策は利上げペースを加速させる公算、と発言。今回の会合では、トランプ施策に対し来年以降の利上げテンポをどう判断をするかが注目される。
2017年米金利見通しを睨む
12/14のFOMCでは現FF金利誘導目標0.25-0.50%の水準から25bpの利上げが見込まれる。では、具体的に睨むべき焦点は何か。筆者は9月FOMC時点での2017年末金利見通し1.125%からの修正有無と幅、に警戒している。昨年12/17の9年半ぶり米利上げに対し同日の米ドル/円は陽線引け。しかし翌日から6日連続陰線となった。理由は材料出尽くしと12/18の日銀補完措置導入への失望だ。今般は中長期観点での日米金利格差が着目されるのではないか。
12/12週の米ドル/円上値焦点は2/16、12/1、12/5の高値圏114.85、節目115.00を注視。2/9高値115.75超となれば2/8高値117.535を緩やかに視野に入れそうだ。下値焦点は12/5安値112.85、11/30東京市場後場の停滞圏112.60-50と同日安値112.05、月足一目均衡表基準線112.03。下抜けた際は週足一目均衡表雲上限111.74、11/28安値111.345を推考。
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