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編集部コラム

「まさか」が起こるFX相場!リスク管理の重要性を思い知らされたスイスショック[FX攻略.com編集部]

歴史的な大変動により多くの投資家が損失を負う

2015年1月15日、スイス国立銀行(中央銀行)が為替介入を終了すると発表したことを契機に、スイスフランが歴史的大変動を起こしました。「スイスショック」と呼ばれるのは、ユーロ/スイスフランでは15分ほどで約3000pips、スイスフラン/円では1時間余りで2000pipsもの値動きをみせたからです。

そして問題なのが、これにより世界中で決して少なくない数のトレーダーが大損を被り、相場からの退場を余儀なくされたということです。その影響はFX会社にも及び、イギリスのアルパリ(UK) Limitedは、顧客の損失をカバーしきれずに破綻に追い込まれてしまいました。

今回、改めて思い知らされたのは、リスク管理の重要性です。まず損切り注文を入れていなければ、とてつもない損失を被ったことでしょう。FX入門書には、 必ず損切りの重要性を説くパートがあり、そこではリーマンショック(2008年)やギリシャショック(2010年)を例に、さまざまな教訓を示していま す。いつどんなリスクが襲い掛かるかもしれないのだから、自動車でシートベルトを着用するのと同様に、トレード時には損切り注文で資産を守ることが重要だと。

ひとつの手法に依存しすぎる危険

さらに、今回のような極めて瞬間的な値動きが発生する場合、あらかじめ入れておいた損切りの注文にヒットしない可能性が考えられます。通常の値動きなら売 買の価格が常に提示され変動していますが、突発的な値動きが起きる場合は価格がつかず、セットしておいた予約注文で売買が成立しないのです。ようやく注文 が執行されるのは、本来損切りされるべき水準のはるか遠く…というパターンに陥ってしまうのです。東日本大震災後の急激な円高が発生したときも、一部にこ ういった形で強制ロスカット水準をオーバーしてしまった口座があり、追い証が発生したと言われています。

結局のところ、損切りを入れておくのは当たり前、さらに特定の商品や手法に依存しすぎるのは危険であるという結論に達します。ユーロ/スイスフランは、スイス国立銀行が無制限に介入して、1.2より下回らないようにしてきたわけで、それを見越して1.2付近で保有されていたロングポジションが、一瞬の急落により大きな含み損に変わったことが想像できます。もちろんこの手法には優位性がありますが、同じ手法がずっと通用し続けることはありえないため、全資産をひとつの手法に傾けるのは非常に危険なのです。

今回はスイスフランという「準メジャー通貨」での出来事でしたから、対岸の火事であった人も多いでしょう。これがメジャー通貨に起こったとしても資産が守れるよう、損切りを基本とした分散投資を意識してみてください。そのひとつのアプローチとして、取引スタイルごとに複数のFX会社に口座を使い分けるのも有効でしょう。

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