12月17日(日本時間)のFOMCで、米ドルの利上げ(政策金利の引き上げ)が濃厚という空気になってきました。政策金利が引き上げられれば、当然その通貨の魅力は増しますから、買いが集まって価格は上昇します。FX的にいえば、米ドル/円は上がりますし、ユーロ/米ドルは下がります。
ですが、FOMCで米ドルの利上げが正式に発表されたとからといって、そのタイミングでドルに買いを入れればいいのかというと、そこはそんなに簡単じゃないのがFXです。なぜなら相場における価格は、そのときの期待を反映して(織り込むという表現をよくします)動いているからです。「ドルの価値が上がりそう」という予測があればドルは買われますので、今すでにドルは利上げ期待を織り込んである程度は上がっている可能性を考慮すべきです。
過去に豪ドルなどでよく見られたのが、政策金利の引き下げが発表されてからの値上がりです。本来利下げとなれば通貨の魅力は下がりますから、たとえば豪ドル/円は下降するはずです。ですが、FOMCにかぎらず金利の上げ下げは事前に予測されていて、すでに十分に織り込まれているものです。予測通りの利下げであれば、売りポジションを持っていた人たちが一斉に買って利確をするため、逆にチャート上では豪ドル/円が上昇することになるわけです。
というわけで、安易に発表に飛びつくのはやめたほうがよいでしょう。FOMC発表後にドルの買いを入れるなら、たとえばいったん相場が落ち着いて、押し目に見えるタイミングなどが良いでしょう。
むしろ今回一気に稼ぐチャンスがあるとすれば、利上げがない場合です。市場全体が利上げに期待していますから、それを裏切ることになれば急落する可能性は高いです。
どちらにせよ、ニュースに振り回されず、冷静に相場を観察できるようになりたいですね。
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