現役為替ディーラーが、話題のアノ人と語り尽くす Trader’s対談|ゲスト 蜂屋すばる 後編[トレイダーズ証券みんなのFX 井口喜雄]

Trader’s対談|ゲスト 蜂屋すばる 後編[トレイダーズ証券みんなのFX 井口喜雄]

【前編はこちら】
現役為替ディーラーが、話題のアノ人と語り尽くす Trader’s対談|ゲスト 蜂屋すばる 前編[トレイダーズ証券みんなのFX 井口喜雄]

指標発表は気にせず大天井や大底を狙う

井口 ファンダメンタルズにはどのように向き合っていますか?

蜂屋すばる(以下、すばる) ファンダメンタルズは非常に重要だと考えていますが、私のような素人がネットニュースを見ただけで的確な分析ができるとは思えないのでやりません。

井口 明確にやらないということですか?

すばる そうですね。例えば、井口さんのように総合的にファンダメンタルズもテクニカルも理解されている方であれば複合的に使った方が良いと思いますが、個人投資家には難しいですね。何が起きたかよりも、こうなったらこうするという行動に焦点をおいて徹底した方が、私たちのような個人投資家はやりやすいと発信しています。

井口 兼業トレーダーに向けてなら非常に良い回答だと思います。勇気づけられますよ。ちなみにビッグイベントも無視ですか?

すばる 米大統領選挙の規模までいくとエントリーは避け、ポジションを手仕舞することも考えます。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)や米雇用統計に関しては気にしたことはないですね。今までの経験上、重要指標などで大きく逆行して損切りしたことは1回か2回くらいです。中途半端なところで狙うとリスクがありますが、大天井や大底を取れば大丈夫だと思います。

井口 これも迷っている方は勇気をもらえたと思います。米大統領選挙やブレグジットなどの一大イベント以外は基本的にトレードはできるということですか?

すばる 定例イベントに関しては問題ないと思います。

井口 それも織り込んで引いているチャネルラインだということですね。

すばる ブログには経済指標についての質問も多いです。私の手法はチャネルラインを引いてその一番の天井または一番の大底を取る手法であり、指標発表を迎えた段階でポジションが含み益じゃないということは天井もしくは大底ではない、つまりあなたの引いた線、エントリーした線は間違っていたということになるので、手仕舞いしても良いのではないかというアドバイスをしています。

破綻を防ぐためにリスクリワードを重視

井口 損切りについてもお聞きしますが、どのように行っていますか?

すばる 最近、ドル円で、引いたラインよりも上で4時間足が確定したのでショートポジションを損切りしました。私の引いたラインよりも上で4時間足が確定したということは、今後サポートラインとレジスタンスラインが転換する可能性が非常に高く、仮に転換しなくてもそのまま伸びていく可能性が高いので、さっさと撤退する方が良いと思ったからです。

井口 そうすると、ライン際でエントリーした場合には損切りの回数が多くなるようなイメージがあります。

すばる 損切りになることはそこまで多くないです。基本的には引いたチャネルラインとエントリーした位置がうまくいっていれば予想通りに動くので。

井口 値幅は見ますか?

すばる 通貨ペアのボラティリティによって変えています。例えば、ドル円だとエントリーから-50pips逆行したら自動で損切りするように設定をしていますが、基本的には-50pipsでの損切りというのはあまり良いとは思っていません。決済時もサポートラインとレジスタンスラインを確認したいので、大事故防止の保険として設定しています。

井口 値幅での設定はあくまでも保険で、時間足が確定してからが本命の損切りということですね。

すばる そうです。とりあえずエントリーしたら-50pipsで終えることを前提に、どのくらいの利益を取れるかを見ています。例えば、-50pipsの損切りを設定しているのに50pipsしか利益が取れないトレードをしているようだといつか破滅してしまうので、-50pipsの損切りを設定している通貨ペアなら必ず4対1か3対1くらいの割合で利益が取れる位置でエントリーするようにリスクリワードを計算しています。

井口 リスクリワードも重視しているのですね。

すばる はい。最近のポンド円のショートだと、私のセンターラインはエントリーした位置から400pips取れる幅ですから、4対1をキープするために-100pipsくらいの値幅を目安に損切り設定するイメージです。

井口 待った分しっかり利益を獲得するスタンスだけあって、大きく取りにいきますね。

すばる 利益を伸ばすのはすごく難しいと思いますが、チャートを見なければ伸ばせます(笑)

井口 チャートを見ていると、どうしても利益確定は早くなってしまいますよね。これくらい徹底してやると良いのかなと改めて思いました。

すばる ルール化が大事だと思っています。

発信している情報をぜひ活用してほしい

井口 すばるさんのブログを見て、手法や相場観を参考にしているトレーダーも多いと思いますが、その人たちにアドバイスをお願いします。

すばる トレードにおいて集中力や体力はすごく大事な要素です。日々の仕事で消耗した後に限られた時間しかトレードできない兼業トレーダーは、非常に勝ちにくいと思っています。私は毎朝分析を投稿しているので、それを参考に長期の方向感を定めてもらえれば、もしかしたら勝率が上がるかもしれません。

 また、私の手法では平行チャネルを引いていますが、そのセンターライン、中央値をすごく意識しています。相場格言に「安く買って高く売る、高く売って安く買う」とありますが、その「高いところ、安いところってどこ?」と悩むはずです。

 私は初心者のころは安いところ、高いところを感覚で決めていましたが、平行チャネルを引いて価格がセンターラインよりも下が安いところ、センターラインよりも上が高いところと見立ててトレードすると勝率が上がることが分かりました。なので、私が下降トレンドと見立てた通貨ペアの場合、ローソク足がセンターラインよりも上の高いエリアにあるときはショートを狙いにいく。逆に上昇トレンドでローソク足がセンターラインよりも下にあるときにはロングを狙いにいくといった活用をしていただければと思っています。

 ちなみに、私の手法をまねしてくださる方で、4時間足ではなく、1時間足に落とし込む方もいらっしゃいます。これは非常に難しく、1時間足以下になるとすぐ効かなくなってしまいます。なので、平行チャネルだけでなく、他のインジケーターの勉強もしつつ、何が自分に合うのかを探してください。お勧めは移動平均線やフィボナッチ、ギャンファンです。

井口 4時間足でシンプルにやった方が良さそうですね。次に専業になられて3年ということですが、専業になられた転機を聞かせてください。

すばる 専業トレーダーになった理由は、20歳のころからトレードをやっていて、手法が年間を通して通用することが分かり、自信をもってトレードに向きあえるようになったからです。それと大学生のころからフリーランスでWebデザイナーをやっていたので、FXがダメでも就職せずに生活していけるスキルがあったことが大きいです。

井口 それは大事ですね。

すばる もし専業トレーダーになりたいのであれば、お金を生み出せる副業的なスキルやツールを持っておくことが大事だと思います。メンタルの安定につながるので。

井口 一番大事ですよね。常に冷静でいられることがトレードでは重要です。切羽詰まった人が専業を目指してはダメな気がします(笑)

すばる あとは極端に生活費が少ないことも大きいですね。

井口 本当にひきこもりですか? お話はうまいしメディアにも出ているのに。

すばる 性格の問題で、家にいるのが好きなんです。例えば、遊びたくてしょうがない人、交際費がとてもかかる人、欲しいものがたくさんある人は専業トレーダーになれないと思っています。「このトレードに負けてなければあれが買えたのに」とか絶対考えますよね。私は物欲がないので専業に向いていると思います。ずっと家にいても大丈夫なのも大事な要素だと思います。

チャレンジを続けて次に生かすことが大事

井口 最後にこれからFXを始める人に向けてアドバイスをお願いします。

すばる 初心者の方は相場以外で失敗することが多いです。たまに、非常に高額な教材を買って失敗したという話を聞きますが、「絶対」とか「100%」とか、そういった言葉は相場ではあり得ませんので気をつけてください。

 また、初心者の方で一番気になるのが手法だと思いますが、私は手法についてはあまり重要視していません。どの手法を選ぶかより、どの時間軸のトレードが自分の生活スタイルや性格に合っているかが重要です。私はチャートをあまり見ない方が勝てるので、長い時間軸のトレードをしています。それとは対照的に、ポジションを持ち越すと気になって寝られない人もいるはずです。

井口 私ですね(笑)。とてもじゃないですけど精神がもたないです。

すばる まずは自分がどのような人なのかを知りましょう。そのためにいろいろなことを試してください。トレードがうまくなることよりも、自分がどのような状況で判断がブレるのか、どのようなときに決済したくなるのかといった記録を徹底して取ることに集中した方が良いと思います。

井口 最初はいろいろやってみて、自分に合うのは何かを見つけてからが本当のスタートということですね。

すばる いろいろ試して負けても、それを次に生かすことが大事だと思います。

井口 同感です。誰もが通る道ですよね。

すばる 新しいことにチャレンジすることはとても良いことですが、記録は絶対に取ってください。ルールにのっとって負けたのか、それとも自分の判断がブレて負けたのか、そういったところを記録し続けることが良いのかなと思います。

井口 非常に良い話が聞けて勉強になりました。将来の方向転換の道を模索しようかなと思います(笑)。ありがとうございました。

※この記事は、FX攻略.com2020年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

井口喜雄の写真

井口喜雄(いぐち・よしお)

トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。

公式サイト:トレイダーズ証券

Twitter:https://twitter.com/yoshi_igu

YouTube:みんなのFX|トレイダーズ証券

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蜂屋すばる(はちや・すばる)

チャネルラインのみを用いたシンプル、それでいて実用的なチャート分析で人気急上昇。ツイッター、ブログ、YouTubeで日々の相場観を発信し、多くのトレーダーに注目されている。

公式サイト:凡人投資家2.0|専業金融トレーダー蜂屋すばるのブログ

Twitter:https://twitter.com/m45fx

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCSHFi0CsLjTA6R8rLMBJ0BQ

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