トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
続・米長期金利主導のマーケット
米長期金利主導のマーケットが続いていますが、昨夜も米30年債入札が好調だったことで米10年債利回りが1.61%台まで低下するとドルは全面安の展開となり、ドル円も109円台を割れるまで下値を拡大しています。また、ドル高を牽引していたワクチントレードも優位性が剥落しているほか、今更感もありますが、米中対立や、バイデン政権の経済政策に対する財源問題も浮上しており、米長期金利上昇を抑えています。
そうしたなか、本日はラガルドECB総裁、デギンドスECB副総裁が講演を予定しているほか、パウエルFRB議長、クラリダFRB副議長、NY連銀総裁、アトランタ連銀総裁と、今年のFOMC投票メンバーも講演を控えています。さらには米金融大手のJPモルガンチェース、ゴールドマンサックス、ウェルスファーゴの決算発表があるなど、材料が豊富な中、米長期金利を眺めながらのトレードになりそうです。
押し目を狙うのであれば108円ミドル付近だが…
今月発表された米経済指標を見ると米雇用統計をはじめ、米ISM非製造業総合景況指数、米消費者物価指数など好調な米経済を確認できますが、この結果で米長期金利が上昇してこないとなるとドルロング攻めは難しくなります。
米長期金利の上値が重いのでドル円をロングで攻めるにしても、本格的に勝負するのは今ではないのかもしれません。チャートを見ると節目の109円がブレイクされており、短期的には先月にもみ合っていた108円ミドルを狙う動きです。あえて押し目を狙うのであれば108円ミドル付近ですが108.30円から下を抜けるようだとコレといったサポートもなく、もう一段下のレンジ入りとなりますので注意が必要です。
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