トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
マーケットのテーマはテーパリング開始時期
マーケットは引き続き各国の中央銀行がテーパリング(量的緩和策や金融資産の買い入れを減らしていくこと)をいつ開始するかに注目が集まっています。テーパリング開始が近いと言われているイギリスポンドやユーロなどが選好される一方、開始時期の見えてこない米ドルや日本円の上値は重い展開です。
そうした中、今夜は2021年FOMCの投票権を持っているクオールズFRB副議長やボスティック・アトランタ連銀総裁の発言があるほか、米FOMC議事録公表(4月27日・28日開催分)が予定されています。FRBはインフレを容認し、早期のテーパリングを否定していますが、マーケットでは米景気回復からテーパリングの議論は6月のFOMCで開始するのではとの声も根強いだけに神経質な展開となりそうです。
メインシナリオはドル安となるか
米FOMC議事録のメインシナリオはインフレ容認と早期テーパリング否定を確認することになるとは思いますが、複数のFOMCメンバーから「テーパリングの議論を始めるべき」との文言があれば短期的にはドル円上昇の展開もありそうです。
ただし、FRBがテーパリング否定のスタンスを大きく変えてくるとは思えませんので、瞬間的にドル円が上昇する局面があれば戻り売りを検討したいと思います。
一方、ユーロドルは欧米のテーパリングに対するコントラストがはっきりしており、上値を拡大しています。高値を掴みたくない気持ちはありますが、この強い上昇トレンドに乗れそうなところは狙っていきます。チャートを見ると短期的には2月25日の高値1.2242ドルの攻防となり、ここを上抜ければ年初来高値の1.2349ドルまで上値目標を拡大させていく方針です。
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