森晃

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    2018年4月25日
    マーケットの思惑とマーケットの勘違い[森晃]
    世界の中央銀行の歴史 日本銀行の三つの役割は、「銀行の銀行」「政府の銀行」「発券銀行」である。社会や公民のテストのために、暗記し記憶に残っているのではないだろうか。一方、いつ日本銀行が誕生したかは、読者の皆さまには記憶が薄いものと思われる。そこで、世界で一番古い中央銀行はどこの国で誕生したか読者の皆さまに質問したい。 世界最古の中央銀行は、1668年に誕生したスウェーデンのSveriges Riksbank(スヴェリイェス・リクスバンク)である。そして2番目に古い中央銀行は、1694年に民間実業家の出資によって設立された英国のBOE:Bank of England(イングランド銀行)といわれている。なお、BOJ:Bank of Japan(日本銀行)は1882年、FRB:Federal Reserve Bank(連邦準備銀行)は1913年にそれぞれ誕生。最近では、1998年にECB:European Central Bank(欧州中央銀行)が発足した。 ユーロ圏の経済状況 ユーロ圏製造業の業況感を捉える景気指標の一つにPMI:Purchasing Managers Indexがある。2…
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    2018年4月13日
    為替にとって金利はファッションか[森晃]
    12月中旬、米国の高校生、大学生、大学院生はファイナル・テストのために必死になって勉強する。教師は、そのテストの採点と成績付けに追われる。それが終われば、楽しいクリスマス休暇が始まる。 そして、年が明ければ2018年がスタートする。筆者は、ニューヨークのタイムズ・スクエアのカウントダウンを生で見たことはない。いつもCNNで見る。テレビで見ても、それは圧巻である。拙文を読んでいただいている読者の皆さまに感謝すると同時に、2018年も素晴らしスタートが切れることを希望する。 ※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです  2017年から学ぶこと 2017年のマーケットは、マーケットのリスクではなく、政治的なリスクや地政学的なリスクをにらみながら取引する1年であった。しかしながら、これらのリスクは、相場に大きく影響しなかった。 株式市場は、熱からず、冷たからずの『ゴルディロックス』相場が続き、投資家にとって投資利益を得るには素晴らしい1年であった。為替市場は、ドル円のレンジはざっくりいえば107円から115円であった。 エコノミストの多くは、米連邦準備制度理…
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    2018年3月25日
    ミンスキー・モーメント(資産暴落)と中国経済[森晃]
    次期FRB議長にパウエル氏が決定 国際通貨基金(IMF)の年次総会も終わり、ハロウィン(オレンジカラー)の飾り付けですっかり秋めいてきた米国では、これからサンクス・ギビング、クリスマスと楽しいイベントが続く。筆者はこれらのイベントを楽しむというよりも、イベントに向け個人消費の動向がどのようになるか気になる。今年もネット通販のアマゾンの利益は好調と予想するが、路面店の利益も伸びることを期待したい。個人的な意見であるが、買ったことがない商品を買う場合、商品を手に取らないとどうも買う気になれない。これは世代的なものかと思うが、読者の皆さまはどうであろうか?   さて、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の任期が2018年2月3日に終了する。次期議長候補者は、パウエルFRB理事とテイラー教授(スタンフォード大学)の2人に絞られ、パウエルFRB理事に決まった。最近のFRB議長(グリーンスパン氏、バーナンキ氏、イエレン氏)は経済学博士号を持ち、国家経済会議委員長を経てFRB議長になっている。一方、パウエル理事は弁護士であり、金融イノベーションなどに知見がある。経済政策の立場はイエレン議長の労…
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    2018年3月5日
    次のFRB副議長は誰になるか?[森晃]
    ドル紙幣を作るのにいくらかかるのか? 長年米国に住んでいるが、日本のような師走を感じることはあまりない。だが、11月から12月はサンクス・ギビング、ブラック・フライデー、クリスマスとイベントが続くため、何だか浮き浮きした気分になる。それは、ハロウィンのオレンジ色がクリスマスの赤&緑に変わっていく色の変化が季節を演出してくれるからかもしれない。 11月になると、エコノミストと来年の経済見通しがどうなるかについて話す機会が多くなる。最近、ある友人のエコノミストから「ドル」について豆知識を教えていただいたので紹介したい。そのエコノミストから1ドル札を作るのにいくらかかるかと聞かれた。見当がつかなかったので教えていただいたのだが、1ドル札を作るには5.5セントかかり、耐久年数は5.8年らしい。ちなみに、100ドル札を作るのに14.3セントかかり、耐久年数は15年とのこと。 そこで、ドル紙幣を作るためのコスト・パフォーマンスを計算してみた。1ドル札のそれは約0.94(=5.5÷5.8 )cents/years、100ドル札のそれは約0.95(=14.3÷15) cents/yearsであった。そ…
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    2018年2月12日
    米国の物価上昇率と経済成長[森晃]
    この秋お勧めは北朝鮮経済の本 ワシントンでも、秋の紅葉に向け秋風を感じられるようになった。2017年9月になってからスーツの上着を着て街中を歩いていても非常に快適である。そんな秋風を感じながら、観光を楽しんでいる人々を見かける。何となく、こちらもスミソニアン博物館でも探索してみようかと思う。しかし、後半戦が始まりなかなか余裕がないのが実情である。 秋といえば読書の秋である。そこで、最近読んだ本を一冊紹介したい。ソウル大学校のキム教授著の『Unveiling the North Korean Economy: Collapse and Transition』である。金正恩政権の経済改革により、北朝鮮は賃金が上昇し生活水準が向上したとする内容であった(個人的な意見であるが、読む価値はあると思うのでお勧めしたい)。  価格引き下げ競争が激化する米小売業界 アマゾンに買収されたホールフーズ さて、日米欧の中央銀行は低い物価上昇率(インフレーション)に悩まされている。日本政府は、2%のインフレーション(インフレ・ターゲット)を2019年度までに達成したいと考えているが、それは難しいというのが一般…
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    2018年2月1日
    Trade War(貿易戦争)と米国経済成長[森晃]
    本国投資法の実施でドル買いが増える ホワイトハウスと議会の間で、税制改革が進まない。2018年中までには決まるであろうが、2017年には決めてほしいと思っている投資家はたくさんいるであろう。オバマケアと税制改革という目玉の公約は先に進まないが、規制緩和の関連法案は確実に成果を上げている。ここで法人税が引き下がれば、企業にとって規制緩和と減税との両輪がそろうことになる。ただし、企業が積極的な投資をするかどうかが経済成長の鍵となるであろう。 為替の方向性を探る上で、米連邦準備制度理事会(FRB)の人事を含め金融政策に注目が集まるであろうが、米国経済界が強い関心を持っているもの(ここでは「底流」と呼んでおく)が何であるかを知っておく必要がある。 例えば、コーン国家経済会議(NEC)委員長は「米法人税率を35%から少なくとも経済協力開発機構(OECD)の平均の23%まで引き下げ、米国への投資を促す」と発言している。実際、ブッシュ政権下で行われた本国投資法(通称:レパトリ減税)が実施される可能性が高く、そうであるならドル買いが起こる。今回、本号で取り上げるのはもう一つの底流である貿易問題である。…