田嶋智太郎

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    2018年5月27日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年5月号)[田嶋智太郎]
    ※この記事は、FX攻略.com2018年5月号の記事を転載・再編集したものです 本邦機関投資家が米国債の損切りを実行? 執筆時(2018年2月下旬)の外国為替市場からは、なおも「年初からのドル安・円高の流れが明らかに逆転した」との感触は得られない。 ただ、2月初旬あたりから一段と強まったドル円の下落傾向が、2月半ばあたりに一旦落ち着いたことも見逃せない事実ではある。実際、ドル円は2月16日に一時105.55円まで大きく下押すこととなったものの、そこで一旦底入れして執筆時までには幾度か108円を試す動きとなっている。ドル円が目先的にも一旦底入れ&反発の動きを見せたのは一体なぜだろうか。 まず、一つに重要なこととして2月15日は「米国債の償還・利払いが行われるタイミングである」ということをあらためて押さえておきたい。つまり、もともと2月半ば頃というのは「米国債の償還金・利払い金の円転に伴うドル売り・円買いが基本的に生じやすい時間帯」にあたる。そして今年も、そのタイミングでドル売り・円買いの動きが一旦ピークを迎えたということだ。 思い起こしておきたいのは、ドル円が105.55円の直近(執筆時…
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    2018年4月28日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年4月号)[田嶋智太郎]
    日銀の異次元緩和策に「出口」などあるのか? ついに2018年(=戌年)の幕が開けた。当たり前のことではあるが、戌年というのは「4年に一度の統一地方選と3年に一度の参院選が同じ年に行われる12年に一度の亥年」の『前年』である。また、件の亥年にあたる来年の10月には消費税率の再引き上げも予定されている。 よって、政府・与党としては何が何でも今年、来年と景気の好調な流れを持続させたい。また、安倍首相にしてみれば、景気鈍化によって消費税率の再引き上げ時期をまたも延期するようなことは絶対に避けたい。 そのうえで、今年の自民党総裁選において「総裁3選」を確実に勝ち取り、来年の統一地方選と参院選で与党の基盤をより強固なものとし、いよいよ悲願の憲法改正を実現に導きたい。 したがって当面、基本的に政府は景気刺激的な政策の運営に努めようとするだろうし、当然、日銀もそれに足並みを揃えようとするだろう。「株価が命」の安倍政権が、円高の行き過ぎを為す術もなく見逃すわけはないし、黒田日銀が自分からわざわざ円高のタネを振り撒こうとするはずもないだろう。 実際、1月22—23日に行われた日銀金融政策決定会合は現行の政…
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    2018年4月17日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年3月号)[田嶋智太郎]
    2018年のドル円は少々大きく動く可能性? あらためて振り返ると、2017年のドル円は実に狭い値幅レンジ内での値動きに終始し、いわゆる「市場関係者・参加者泣かせ」の展開を続けた。 前回更新分の本欄でも述べたように、3月下旬あたりから形成していた「フラット型の保ち合いレンジ」は、大よそ108—114円の値幅で、少なくとも年末まで9か月続けて展開された。そのレンジの「中心」にあたる111円処というのが、前回執筆時のドル円が位置していたところであり、故に筆者は「ここ(レンジの中心)が一つの瀬戸際、正念場と理解する必要」「無用にまとまったポジションを構えないようにすることが肝心」などと述べたわけである。 そして案の定、ドル円は11月下旬につけた111円処(110.84円)で一旦底入れ&反発し、一時的にも113円台後半の水準まで戻りを試す展開となった。つまり、11月6日高値からの調整が再びレンジ下辺水準にまで辿り着くことはなかったわけである。繰り返すも、ここで大事なことはレンジの「中心」などという大事な節目の水準にあるときには、そこで一旦立ち止まってじっくり考え、決して軽々に売買の判断をしないこ…
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    2018年3月10日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年2月号)[田嶋智太郎]
    なおもドル円は保ち合いレンジ内の値動きを続ける 振り返れば、10月のドル円の月足・終値は、辛うじて31か月線を上抜けることとなった。しかし、執筆時(2017年11月下旬)の状況から考えるに、11月の月足・終値で31か月線(現在は113.37円に位置)を上抜けることはどうやら難しそうである。 つまり、ドル円は依然として2017年3月下旬あたりから続く「フラット型の保ち合いレンジ」のなかでの値動きを続けているということになる。このレンジの上辺は114円処、下辺は108円処であり、その中心軸となっているのは111円処と考えればいいだろう。もちろん、この111円処という水準も重要な節目として意識されるところである。 周知のとおり、111円処というのは「9月8日安値から11月6日高値までの上昇に対する半値押しの水準」にあたる。11月27日には、この水準を下抜けようとする動きも垣間見られたが、執筆時点ではいまだクリアに下抜けたとは言えない。 結局のところ、ドル円は、9月初旬に107.32円の安値をつけて一旦底入れ&反発し、執筆時までにフラット型の保ち合いレンジの下辺から上限まで一旦値上がりした後、…
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    2018年3月10日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年1月号)[田嶋智太郎]
    ECB理事会の決定は案の定「期待外れ」! 前回更新分の本欄で「ECB(欧州中央銀行)の『出口戦略』に期待しすぎることなかれ」「おそらく、現実的には市場が一頃想定していたよりもずっと緩やかなペースでしか『出口』へのアプローチは為されないであろう」などと述べた。 そして案の定、2017年10月26日に行われたECB理事会において決められた出口戦略は、市場関係者や参加者が想定していたものに比べてかなり緩やかで、言うなれば「期待外れ」なものとなった。 今回、ECBは国債などの資産購入措置の終了時期を来年9月末まで延長したうえで、来年1月以降の資産購入量を減額することを決めたものの、必要に応じて9月以降の延長も検討する用意があるとし、場合によっては購入量を再増額する可能性もあるとした。 そして、ご丁寧にも「終了時期をオープンエンドにすることをメンバーの大多数が支持した」とアピールし、資産購入量の減額はテーパリング(定期的に一定量ずつの減額を続ける措置)ではないと言明までしたのである。 非常に柔軟性に富んだ対応と言えなくもないが、何やら非常に頼りない、心もとない感じがすることも事実である。 その実…
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    2018年2月16日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2017年12月号)[田嶋智太郎]
    市場の誤りに注目すればチャンスは必ず巡ってくる  前回更新分の本欄で、2017年8月下旬に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された経済シンポジウムの話題を取り上げた。この会合では、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がともに講演を行った。 結果的に、イエレン議長から「年内の追加利上げ観測を後押しするような発言が聴かれなかったこと」と、ドラギ総裁から「足下のユーロ高をけん制するような声が聴かれなかったこと」を主因として、市場ではドル売り優勢の色合いが俄かに強まった。 このことについて、筆者は「ユーロ買い・ドル売りを進めたのは市場の勝手な判断であり、必ずしも正しい選択であったとは言い切れない」「たとえジャクソンホールでドラギ総裁がユーロ高をけん制する姿勢を示さなかったからといって、それで『もはやECBはユーロ高を危惧していない』とはならない」などと述べた。その後の経緯からいって、やはり市場の当時の判断は誤っていたと言っていいものと思われる。 実際、後にイエレン議長は米12月利上げ(=年内の追加利上げ)の可能性が十分にあることをフォワード・ガイ…
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    2018年2月4日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2017年11月号)[田嶋智太郎]
    「ジャクソンホール」で一気にユーロ高ドル安へ 去る8月25日、米ワイオミング州ジャクソンホールで行われた経済シンポジウムにおいて、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がともに講演した。 その結果、市場ではドル売り優勢の色合いが俄かに強まり、ユーロドルは一時1.1941ドルと、2015年1月6日以来およそ2年7か月ぶりのユーロ高・ドル安水準をつけるに至った。 イエレン議長が年内の追加利上げ観測を後押しするような発言を行わなかったことと、ドラギ総裁が足下のユーロ高をけん制するような発言をしなかったことが主な理由らしい。無論、それでユーロ買い・ドル売りを進めたのは市場の勝手な判断であり、必ずしも正しい選択であったとは言い切れない。 周知のとおり、毎年8月下旬に恒例で催される「ジャクソンホール(会合)」は、米カンザスシティ地区連銀が米ワイオミング州に世界中から中央銀行関係者やエコノミストを招いて行う年次経済シンポジウムであり、主に世界経済全体が抱える問題や課題について、その解決策などをともに議論する、やや“高尚”な場と考えればいいだろう。実際、201…
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    2015年7月31日
    「米ドル/円」は125円台回復の材料待ち!?[田嶋智太郎]
    昨日(30日)発表された米GDPは「可もなければ不可もなし」といった感じで、4―6月期が予想より弱かった部分を1―3月期の上方修正(プラス成長に転換)が穴埋めする格好となった。 市場はドルを買うに買えず、かといって売るに売れず、その反応自体が今回のGDPに対する評価といえ、それは発表後に「米ドル/円」が一時124.58円という非常に中途半端なレベルにまで上昇して、ほどなく失速するという値動きにも表れていた。 次は本日発表される4―6月期の米雇用コスト指数と7月の米ミシガン大学消費者信頼感指数であり、来週は8月の米雇用統計発表も控える。強めの結果が出れば、やはり市場では9月利上げへの期待が一層高まり、「米ドル/円」は125円台を回復する可能性が高い。 一部に「125円台では黒田ラインが意識される」などといったコメントも見られるが、それは誤った見方であると思われる。何人たりとも相場の流れを強引に転換させることなどできやしない。
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    2015年7月24日
    来週のFOMCと重要指標を控えて様子見ムード[田嶋智太郎]
    「ドル/円」は7月8日安値からの上昇が一服し、目下はスピード調整。依然として124.40-50円レベルの抵抗は強い。住宅指標や雇用指標などから強い結果が得られていることは長い目でドルの強気材料だが、目先は決算内容を受けた米株価の軟調がドルの上値を押さえる材料になっている。 とはいえ、「米ドル/円」は一目均衡表の日足「雲」や21日線がサポートとなり下値が堅い。逆に、目先の戻りを試すユーロ/ドルは日足「雲」や21日線などのプレッシャーを受けて上値が重い。 夏季休暇シーズンで閑散となりがちな時節ではあるが、何より来週にFOMCや4―6月期米GDP(速報値)、米雇用コスト指数などの発表を控えていることが市場の様子見ムードを高める要因としては大きい。 比較的強めの結果が期待されるところであり、とりあえずは積極的にドルを売り込むことも躊躇われる。実際に強めの結果が出てくれば、「米ドル/円」が再び125円台を試す展開となることも十分にあろう。
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    2015年7月17日
    「米ドル/円」は「晴れ」の局面に入った[田嶋智太郎]
    ついに「米ドル/円」は、6月初旬から形成していた下降チャネルを上放れ、そのままの勢いで一目均衡表の日足「雲」上限をも上抜けた。文字通り「晴れ」の局面を迎え、昨日(16日)は終値で124円台を回復。かねて124円台前半の水準では幾度も押し戻されるパターンを繰り返しているだけに、目下はひとつの正念場を迎えている。再び125円台を回復する可能性は十分にあると見られるが、そのためには、もうひとつ材料が欲しいところだ。 その一方で、「ユーロ/米ドル」は、3月半ばあたりから形成していた中期的な上昇チャネルを下放れ、昨日は日足「雲」下限をも明確に下抜けた。当座の下値メドは5/27安値=1.0819ドルであり、同水準を下抜けると、5月高値と6月高値のダブルトップが完成する。完成した場合の下値目標をセオリーに基づいて想定すれば、3月安値=1.0462ドルを下抜けてもおかしくない。あらためて「ユーロはドルとパリティになる」との見方が強まってきそうだ。