元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方|第11回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析④[浅野敏郎]

浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。

※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望
第8回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析①
第9回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析②
第10回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析③

当面は高値①を越えるかに注目

昨年17年の年末号では、9月以降の上昇K−①は、J以降最大かつ最長の上昇だったことを重視して、目先の相場観を上昇と定め、111円台を押し目買いゾーンとしました。11月最終週で、110.84円前後の安値をつけていますが、どうにかストップを免れて、111円台でドルをロング(買い持ち)にするイメージと合致する値動きになったのではないでしょうか。

その後ドル円相場は、12月に入って113.75円前後の高値をつけた後、重要視しているH−Imid水準の112.40円前後の下値を試しましたが、どうにか割り込まずに112円台を維持して、113.00円を中心に方向感なく推移している状況です(チャート①)。

先月号の週足チャートと見比べても大きな変化はなく、12月は11月のレンジの中にはらむだけにとどまりました。ただ、基準線をサポートにできたことは、上昇の相場観にとって目先の安心材料になることは確かですから、この11月安値を暫定的に②(青)としておきます。

またその後の相場も、H−Imidよりおおむね上で推移できていることから、市場のビッド(買い意欲)が徐々に上がってきている印象を持ちます。ただ、このH−Imid水準を中心として、上下に長期間もみ合ってきたわけですから、今のところはサポートとしての目安程度に考えた方が無難でしょう。

今後注目すべきポイントですが、下落しているH−Jトレンドラインは、今後も上値を圧迫する要因になることを常に頭に入れておく必要があり、18年1月下旬の段階で113.75円前後に下がります。この水準は当然、12月高値と一致しますから、向こう1か月前後は12月高値越えは、H−Jトレンドラインの上抜けにつながる可能性を考えたいところです。

また、①の高値越えはK−①の上昇再開を肯定することになります。確かに、上昇の速度については、なってみないと分かりませんが、J−K間の高値②をあっさり越えるのか、少し越えた後に調整が入るのかなどが、上昇の勢いを測るバロメーターになりそうです。

さらに、注目することとして、①の高値越えは同時に、9月以降一度も下落することなくおおむね水平に推移してきた基準線が、自律上昇を開始することにもなりますから、ある程度の上昇を期待できるのではないか、と考えています。

こうしたポイントを一気に越えていくようなら、K以降の反転は確かなものになりますが、ここ数か月間はJ−Kmidを中心にしてかなり上下にもみ合っていたことを考えると、次号までの間に、そのまま高値Jを越えていくほどの上昇力はないようにも見えます。

112円台中盤での押し目買いを狙う

今後の取り組みを考えるために、詳細を日足で確認しましょう(チャート②)。

押し目買いを待つとするなら、H−Imid前後となる112円台中盤を買い場とし、ストップロスは111円台に構えられればベストです。したがってロスリミット(ストップロスによる損失予算)が限定的である場合は、エントリーを112円台序盤まで待つ必要もあるでしょう。

万が一押し目買いがかなわない場合、またはロングを積み増すタイミングとしては、12月高値の113.75円越えでストップ買いを仕掛けておくイメージです。このタイミングを買いとした一つの理由として、基準線の受動的な下落で好転していた日足の転換線と基準線は、12月高値を越えると同時に自律上昇できる状態にあり、少なくとも高値①までの上昇が期待できそうなイメージです。

週足で確認したように、①を越えていく状況になれば、週足の基準線も自立上昇できることになりますから、値動きに連続性が出てきているのは事実です。ただし、前述した通り、その前にはH−Jトレンドラインがレジスタンスになりますから、越え方に注目してその上昇力を判断していく必要があると思います。

ここでの追随買いで問題なのは、ストップロスの水準が12月安値割れにしか想定できず、買い増し以外でのエントリーではロスリミットが大きくなることです。どの程度のブレイクアウトになるかにもよりますが、自律上昇しているはずの転換線、または基準線割れをストップロスのアイデアとするのが良いかもしれません。

さて、2017年のドル円相場は、終わってみればつまらない値動きでした。株式市場に注目が集まった結果だと考えていますが、もし18年の株式相場が停滞気味になった場合、再び円安の力を借りるタイミングがやってくるはずだと思いますので、もうしばらくはKからの反転相場を相場観の中心において、相場を追いかけてみたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望
第8回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析①
第9回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析②
第10回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析③

浅野敏郎の写真

浅野敏郎(あさの・としろう)

東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。