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米国早期利上げ観測は勇み足か?米国雇用統計見極め後にドル反落も[雨夜恒一郎]

先週の「米ドル/円」は、月曜日早朝のシドニー市場で104.40円付近と1月以来の高値をつけたものの、その後は伸び悩み、一時は103円台ミドルまで押し戻される場面もあった。

米国第2四半期GDP・改定値は速報値の+4.0%から+4.2%へ上方修正され、8月のシカゴ購買部協会景気指数は64.3と予想の56.5を上回るなど、景気指標は全般に堅調だったが、週初の高値を試すまでの動きにはつながらなかった。

今次のドル買いのトリガーとなったのは、もちろん22日に行われたジャクソンホール・シンポジウムにおけるイエレンFRB議長の講演だ。為替市場はイエレン議長の発言を早期利上げに向けたサインと受け取ったのだ。

一方、米国10年債利回りは2.3%台と年初来最低レベルで低迷しており、イエレン講演にもほとんど反応を示さなかった。FF金利先物も、来年7月限で0.3%台、9月限で0.4%台を指しており、利上げ開始時期の前倒しを全く織り込んでいない。金利市場はFRBの金融緩和姿勢には当面変化なしと読んでいる・・・つまり為替市場と金利市場のどちらかが間違っていることになる。

ではもう一度、イエレンFRB議長の講演の内容を振り返ってみよう。

「現在想定されているよりも早い時期に利上げが実施される公算」との部分のみがクローズアップされた感があるが、実際には「労働市場の状況が一段と急速に改善すれば」という可能性の話をしているにすぎず、逆に「景気回復が期待を裏切る動向となれば後ずれすることになる」と反対のシナリオも述べている。

失業率の低下など労働市場の改善を認めてはいるものの、労働参加率やパートタイム労働者、長期失業、賃金動向など、なお多大なスラック(緩み)があることを強調しており、結局は「かなりの不透明性が存在する」との見解に大きな変化はないことが分かる。

冷静に考えれば、イエレン講演をもってして利上げ時期が著しく早まったと考えるのは早計であろう。為替市場のドル買いの反応は勇み足だった可能性が高く、熱狂が冷めてしまえば、当然反動による下落が考えられる。

さて、今週金曜日には注目の米国8月の雇用統計が発表される。現時点では、失業率6.1%(前回6.2%)、非農業部門雇用者数+22万人(前回+20.9万人)と改善が見込まれているが、おそらくこの程度ではイエレン議長の慎重姿勢を転換させるほどのインパクトはないだろう。

「米ドル/円」相場は今年、米国雇用統計発表に向けて上昇し、発表後下落するというパターンを繰り返している。今週も雇用統計の結果を見極めたうえで反落というのは十分あり得るシナリオだろう。

年初の高値105.44円を突破して新たな上昇サイクルに入るには、まだ越えるべきハードルは多いと考えるべきだろう。

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