FOMC利上げはドル買いを喚起せず 年内は下値波乱を警戒[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年12月18日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は一時112.03円付近と軟調に推移。FOMCは大方の予想通り0.25%の利上げを決定したが、メンバーの来年の金利見通し(ドットプロットチャート)が前回と変わらず利上げ3回(最頻値)にとどまったことから、金利低下・ドル売りの展開となった。なお米上下両院の共和党指導部は税制改革法案の一本化で合意したが、反応は限定的となった。

参考:ロイター|FOMC声明全文
参考:FRB(The Fed)|経済見通し 

前回の当コラムでは、「ドットプロットチャートの最頻値が前回の2.00-2.25%から上方にシフトするか、ドットが前回の6個から大幅に増加すれば、市場に対する重要なシグナルと受け止められ、ドルの一段の上昇を促すだろう」と述べたが、残念ながらそのような展開にはならなかった。

また今回の利上げ決定に際しては、ハト派のエバンス・シカゴ連銀総裁とカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が反対票を投じている。イエレン議長最後のFOMC会見でも、今後の利上げペースが加速すると予想するに足るシグナルはなく、このままであれば来年も2~3回、せいぜい0.50%~0.75%の利上げにとどまるとの見方が優勢になるだろう。

ドル円の次なるシナリオは? 

ドルを上昇させる原動力は、市場の金利先高観の醸成あるいは強化であるが、現在はそのような状況にはない。クリスマスまであと1週間、そして今年も残り2週間ということを考えると、近いうちにドル円が上昇軌道に乗り115円を目指すというシナリオは描きにくくなった。

となると、今度は逆に下値の脆弱性が心配になってくる。シカゴIMM通貨先物の取り組みを見る限り、投機筋のポジションは依然大きく円を売り越しており(12月12日時点で11.4万枚)、ドルロング・円ショートのアンバランスな状態で年末年始を迎えることになる。長期トレーダーが不在の中、投機筋の見切り売りでドルが下げ始めれば、買い手不在で一気にバランスを崩しかねない。


シカゴ筋ポジション 出所:QUICK Money World

あるとすれば下値波乱

チャート上では、日足が一目均衡表の先行スパン(雲)の上限で上値を抑えられ、雲の中へ押し戻されている状況だ。今週の雲の下限は111.00円近辺。直近安値が11月27日に付けた110.84円であるから、110.80円あたりを割り込んでいくと損失確定の売りが出てきそうだ。今週は参加者が少なく無風の可能性もあるが、もし動きがあるとすれば下値波乱と考えておくのが賢明だろう。


ドル円日足一目均衡表 出所:NetDania 

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雨夜恒一郎(あまやこういちろう)

20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。

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