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トラッキングトレード入門|第4回 要人発言やイベントに注目し、トレンドをつかむ![斉藤学]

※この記事は、FX攻略.com2016年9月号の記事を転載・再編集したものです

政策金利の変更はトレンド発生の元

前回は、テクニカル分析に経済指標をもとにしたファンダメンタルズ分析を加えると、相場全体の流れが読みやすい、という話をしました。米雇用統計やGDP、小売売上高などの経済指標の結果を分析すれば、景気の良し悪しから大きな流れを捉えることができるので、トレンドの発生を素早く察知することができます。

【トラッキングトレード入門 連載記事】
第1回 暴落時は相場追尾型のトラッキングトレードで稼ぐ![斉藤学]
第2回 テクニカル分析の組み合わせでトレンド察知![斉藤学]
第3回 ファンダメンタルズ分析で相場を見極めトラッキングトレードで追尾[斉藤学]

最も分かりやすいファンダメンタルズ分析は政策金利の推移で、例えば最近の豪ドルやNZドルのように政策金利の引き下げが続いているような場面では、テクニカル分析で買いのシグナルが出たとしても、上昇したところで戻り売りに押されるか、上昇を嫌気した中央銀行が追加利下げを行ってくることが多いのが特徴です。このような場面では、いくらテクニカル分析がうまくても、買いから入ってしまっていては大きな利益を得ることができません。

そして、このような政策金利の変更は、ある日突然訪れるというものではなく、中央銀行総裁や財務大臣などから必ずそれを示唆する発言が出ています。何の前触れもなく政策金利を変更することは、まずないといって良いでしょう。

このようなときにFXブロードネットのトラッキングトレードを仕掛けておけば、レートの上げ下げの変動を利用し、コツコツ利益を繰り返し積み上げていくので、裁量トレードでエントリーするよりも多くの利益を得ることが可能になります。FXブロードネットのトラッキングトレードの設定では、想定変動幅を狭くすると、ポジション間隔(利食い幅)が狭くなり、売買回数が増えるため、利益確定の回数も増えますが、リスクも大きくなります。逆に想定変動幅を広くすればポジション間隔(利食い幅)が広くなり、売買回数が少なくなるため、利益確定の回数も減りますが、リスクも小さくなります。

最も重要なのは、相場の方向性とトラッキングトレードの方向性を合わせることなので、下落トレンドまたは横ばい(もみ合い)の場合は「売り」、上昇トレンドまたは横ばい(もみ合い)の場合は「買い」にすることで、トラッキングトレードの価格追尾機能の威力を十分に発揮することができるチャンスともいえます。

そこで今回は、ファンダメンタルズ分析の続きとして、重要な要人発言やイベントについて解説していきます。

FXをやる上で必ず押さえておきたい要人発言 

要人発言とは、その国の金融政策を決定する人物や経済政策を担っている大臣たちの発言を指します。多くの要人がいる中で、重要度の高い要人発言はアメリカの中央銀行にあたるFRBの議長や各国の中央銀行総裁の発言です。金融政策は各国で独自に決定されることがほとんどですが、その告知や発表を中央銀行総裁が行うため、主要国の中央銀行総裁の発言は押さえておく必要があるのです

例えば、5月24日に英中銀のカーニー総裁が「英国のEU離脱の是非を問う国民投票の結果にかかわらず、次の政策行動は利上げだ」と主張、これを受けポンドが急伸しています。この発言が出る前までは、英国のEU離脱の可能性により利下げ懸念が浮上していたためポンドは伸び悩んでいたのですが、それを一気に払しょくする好材料が飛び出したため、ポンド円が+300pips以上も伸びました。

このようにインパクトのある発言が出れば、その動きが中長期的なトレンドへと発展する可能性も高まるため、事前にトラッキングトレードを仕掛けておかなくても大丈夫です。発言があってから少し時間が経っていても、その内容は事あるたびに再燃することが多いので、押し目買いを狙うような感覚でトラッキングトレードを仕掛けることができます。

世界的な著名人の発言も注意しよう

こうした要人発言に関連して、マーケットへ強い影響力を与える日銀やECBによる金融緩和の有無にも注目が集まっています。なぜなら、国債の買い上げや政策金利引き下げなどの量的緩和が行われればその国の通貨は急激に安くなることが多く、しかもその流れがしばらく持続するからです。

また、世界情勢が大きく動いたときやサプライズの後押しとして、世界的に知名度の高い有名な投資家の発言が意識されることもあります。最近では、米共和党のドナルド・トランプ大統領候補から、政権誕生の暁にはアメリカ合衆国財務長官に指名したいと提示されたカール・アイカーン氏の動向に注目の集まることが多くなってきています。

他にも、5月18日早朝に公表されたFOMC議事録では、急きょ1〜2か月後の米利上げが示唆されたため、ドル売りの流れがドル買戻しへと変わる転換点になったのですが、議事録公表のようなイベントでも、いつもと異なる記述があったときはマーケットへ影響を与えます。

このように、重要経済指標や金融政策、要人発言のようなファンダメンタルズ分析を行うことによって、中・長期的なトレンドを予測することが可能になるので、ぜひFXブロードネットのトラッキングトレードに役立ててみてください。

※この記事は、FX攻略.com2016年9月号の記事を転載・再編集したものです

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