トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ドル円は続落
今夜27:00に予定されているFOMCでYCC(イールド・カーブ・コントロール)が議論されるとの思惑からドル円は107円ミドルまで続落しています。また、今週に入ってドル円のボラティリティが拡大しており、急落についていけなかった参加者の投げ売りも下落を加速させた要因だと思われます。一方で昨日はナスダックが一時史上初となる10,000ドルに到達するなど高値圏を維持しているほか、原油も堅調地合いが続くなど為替との相関性が崩れているのが気になるところです。
FOMCまでは様子見スタンス
ドル円のチャートを見ると107円ミドルは先月かなりもみ合っていたところなのでテクニカル的にサポートされそうな気もするのですが、今夜のFOMCまではポジションを縮小して様子を見てみます。FOMCではYCC(イールド・カーブ・コントロール)導入が焦点の一つですが、トランプ大統領からの圧力からマイナス金利、更なる追加緩和といったテールリスクにも警戒が必要です。また、その他もフォワードガイダンスやパウエルFRB議長の会見など通過しないとわからないことが多いだけにポジションは傾けにくい状況と言えるでしょう。
YCC(イールド・カーブ・コントロール)導入は如何に
今回のFOMCでは、政策金利は0.25%の据え置きが予想されていますが、ここではドット・プロットで今後の見通しを確認しておきたい点となります。経済見通しでは前回に引き続き中長期的なリスクが強調される内容が予想されています。短期的には株高と堅調な金融市場がある一方で実体経済の回復への道のりは厳しいといったところでしょうか。
注目のYCC導入についてですが、クラリダFRB副議長を始め複数のFOMCメンバーが既に支持を表明していることもあり、導入の可能性は否定できません。仮にYCCが導入された場合、米10年債利回りが低下して日米の金利差が縮小するため、ドル円にとっては下落要因となります。ドル円の値動きを見ているとYCCを少し織り込んでいるようなのでどちらに転んでもそれなりの値動きはありそうです。飛び乗らずに内容を精査してからでもトレードは間に合うと思います。
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