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ユーロは正念場 次のステージへ行くことができるか!?[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

リスク要因混在も株高は止まらず

NYダウは引き続き堅調に推移しています。昨夜はこれから本格化する米主要企業の決算を前に業績期待から買いが入ったほか、米モデルナ社が新型コロナウイルスへのワクチン開発に前進とポジティブなヘッドラインが流れたこともNYダウの上昇に拍車をかけているようです。

一方で本日早朝にはトランプ大統領が香港国家安全維持法を巡る中国制裁法案に署名とのヘッドラインが流れているほか、南シナ海をめぐる米中対立、不透明な米大統領選、コロナ第二波など、リスク要因も混在しております。もちろん株高にはついていかなければなりませんが、局地的にやってくる急落リスクには常に備えておく必要がありそうです。

ドル円は再びレンジへ

マーケットにはヘビー級の材料が混在しているものの、ドル円はなかなか方向感が出てくれません。106.60円~108.00円のレンジを意識しつつ、ブレイク時はそれなりのスピードがでそうなので、短期でついていくオペレーションを考えています。

ユーロは正念場 次のステージへ行くことができるか!?

もっとも方向感の見えないドル円はひとまず見限って、勢いのある欧州通貨に乗り換えるのも悪くありません。ユーロのイベントとしては明日16日にECB政策金利発表があり、17日からはEU首脳会議が開かれコロナウイルス復興基金についての話し合いが18日まで行われます。コロナウイルス復興基金については今回のEU首脳会議では合意に至らないというのがコンセンサスとなっているのでポジティブなヘッドラインには感度がよさそうです。また、ユーロドルのチャートを見ても徐々に下値を切り上げており、テクニカル的な優位性が確認できます。現在1.14ドル付近では売りに押される場面もありますが、1.14ドル台で踏ん張れるともう一段上のレンジに上がるだけに正念場と言えます。

一方、ポンドに関してはネガティブな材料が散見してきました。欧州と英国のブレグジット協議は相変わらず進展がなく、FTAの協議では英欧の双方で「合意なしの可能性」とコメントを出しています。ヘッドラインに上下降らされる展開は続きますが、そろそろダウンサイドを意識しておかなければならないように感じます。

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