FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2020年12月21日号
先週のドル円相場は
米FOMCを前に追加緩和期待を背景としたドル売りが先行し、103.26円と下値を試す展開。FOMCは追加緩和策を見送り、声明もさほどハト派的でなかったとの受け止め方で、一旦は103.92円まで反発したものの、パウエルFRB議長が会見で緩和維持へのコミットメントを強調するとドル売りが再開。米追加経済対策やワクチンへの期待を背景としたリスクオンによるドル売りもあり、一時102.88円と今年3月以来の安値を示現した。また米国株式市場では楽観ムードが強まり、三指数とも最高値を更新した。
ドットプロットチャートの変化はわずか
FOMCは資産購入規模の拡大や年限の長期化などの追加緩和策を温存し、メンバーの金利予想・ドットプロットチャートも前回9月からごくわずかな下方シフトにとどまった。一見すると肩透かしのように見える。
9月のドットプロットチャート 出所:FOMC付属資料
12月のドットプロットチャート 出所:FOMC付属資料
フォワードガイダンス強化
一方、今回のFOMC声明では、資産購入に関するフォワードガイダンスが1センテンス丸ごと書き換えられた。
いわく、「委員会の最大雇用と物価安定の目標に向けてさらに著しい進展が見られるまで、FRBは引き続き米国債の保有を少なくとも月800億ドル、およびエージェンシーローン担保証券の保有を少なくとも月400億ドル増やす」。
前回までは、「FRBは今後数カ月にわたって、米国債およびエージェンシーローン担保証券の保有を少なくとも現在のペースで増やし、それによって家計や企業への信用の流れを支援する」だった。
前回までは、資産買い入れは「一時的措置」とも受け取れるニュアンスだったが、今回はFRBの二大責務を果たすための断固とした意思表明であり、非常に強いメッセージを感じる。
「最大雇用と物価安定の目標に向けてさらに著しい進展が見られる」とはどのような状態を指すのかは明確でないが、FOMCメンバー自身、失業率が4%まで低下し、インフレ率が2%に達するのは2023年と見ていることから、少なくともその近くまでは現状レベルかそれ以上の資産買い入れを続けると予想できる。
メンバーの経済予測 出所:FOMC付属資料
来年はドル大幅下落へ
FRBはむこう2~3年にわたってゼロ金利を維持し、月1200億ドル以上の資産買い入れ=ドル紙幣の大増刷を続けると宣言したに等しい。世界中でここまで強力で断固たるフォワードガイダンスを掲げている中銀はほかに見当たらない。
来年はこのケタ外れの金融緩和効果に加えて、ワクチン普及・コロナ禍終結期待によるリスクオン効果もあり、ドルはインデックスベースで10%程度下落する公算が大きい。ドル円も100円割れを想定しておく必要があるだろう。
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なお、本稿を持ちまして年内のレポートは最終となります。一年間ご愛読いただき誠にありがとうございました。新年は1月4日からスタートとなります。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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