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米長期金利次第のマーケット ドル円は110円も視野に[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

米長期金利次第のマーケットが続く

米長期金利上昇を背景としたマーケットラリーが続いています。昨日のドル円は米長期金利上昇を背景に一時109.23円まで上昇しましたが、さすがにスピード調整が入り109円台は戻り売りが優勢でした。また、昨夜行われた米3年債入札が順調に消化したこともあり、現在のところ米長期金利は比較的落ち着きを取り戻しているようにも思います。しかし、このまま米長期金利の上昇が収束に向かうかは、今夜の米消費者物価指数や米10年債入札の結果次第となりそうです。

今夜注目のイベント

米消費者物価指数は前回(結果:0.1% vs 予想:0.2%)と予想より悪い結果が発表され、米10年債利回りは下落しました。しかし、足元では先週発表された米雇用統計が好調だった点、商品市場で原油WTIが堅調な点、世界の貿易の活発さと関連性が高いといわれているバルチック海運指数が直近一年間で高い水準にある点を考えると、今回の米消費者物価指数は好調な結果が出てくる可能性もあります。

加えて米10年債入札も先月の米5年債入札と米7年債の入札が不調だったことがトリガーになり、米長期金利が急上昇をしただけに感度の高い指標となります。

ドル円はロング110円も視野に

今夜は米重要指標もあり、ドル円は米長期金利次第で振らされる展開ではありますが、第一感はロングか入るオペレーションです。パウエルFRB議長が米長期金利上昇を容認している一方、黒田日銀総裁はマイナス金利の深堀を示唆している局面で、ドル円が下落トレンドに戻るには相当な材料が必要に思えるからです。

来週18日(木)にFOMC、19日(金)に日銀金融政策決定会合が予定されているので、それまではこの材料を追いかける形でトレードします。もっともドル円の日足チャートを見るとそれなりに調整が入りそうな形なだけに、米長期金利の低下を受けて急落する場面があれば押し目を拾って行くのも悪くありません。

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ABOUT ME
井口喜雄
いぐち・よしお。トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。 ■トレイダーズ証券の詳細はこちらトレイダーズ証券公式サイト
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