豪ドル・ユーロの動き
最近の原油価格の下落を受け、原油の産地であるロシアやカナダの通貨売りが加速してきました。しかし、資源国通貨の代表とも言えるオーストラリア・ドル(AUD) は、堅調に推移しています。
資源国といっても、AUDの場合は原油よりも鉄鉱石などの産出国であるため、単純にルーブルやカナダ・ドルと比較することには無理があるのかもしれません。
今度はヨーロッパに目を移しますと、今週日曜日に、欧州中銀(ECB)は、欧州の銀行130行に対して行ったストレステスト/AQR(資産評価審査)の結果を発表。最終的には、不合格銀行数は25行に及び、総額で250億ユーロの資金不足が発覚しました。
ただし、そのうち12行は、すでに150億ユーロ規模の不足額の調達を終了。不合格銀行のなかでも一番成績の悪かった伊Monte Dei Paschi銀行の株価は、27日(月)に20%下落した時点で取引停止となり、イタリア証券委員会は「27・28日の2日間に限定し≪同行の空売り禁止令≫を発動する」事態となりました。
しかし、肝心のユーロは、下落するどころか、米国の経済指標が予想より弱かったことなどが理由で、対ドルで上昇しています。
ドル・インデックスの動き
これは、2年前にニューヨーク証券取引所を買収し、世界3位の取引規模を誇るまでに拡大したインターコンチネンタル取引所が毎日発表しているドル・インデックスのチャートです。
今年の夏からグイグイ上昇してきたドルですが、ここにきて踊り場に差しかかったようにも見えます。
チャート:米インターコンチネンタル取引所(ICE)ホームページ
これを書いている時点でのインデックス・レベルは、85.42。
チャート上に2つサポートを引きましたが、緑色が85のサポート、そして、赤線が50日移動平均線が通る84.52です。
イメージとしては、
・ピンクの矢印
85.69⇒85のサポートまで下落⇒その後上昇
・藤色の矢印
85.69⇒50日線の通る84ミドルまで下落⇒その後上昇
最悪のケース
最悪の事態としては、85 そして 84ミドルも抜けてしまい、予想以上に大きな調整を迫られる場合です。
直近の安/高値の半値戻しとして、チャート上に青線を引いた83ミドルのレベルが調整が深くなった場合のサポートレベルと想定していますが、ここまでの調整となった場合、現在のレベルから更に2.5%のドル高となります。
その場合、現在の「ユーロ/米ドル」のレベル (1.2750) を単純に2.5%ドル安方向にもっていくと、計算上では1.30台ミドルとなります。
まとめ
先週のコラム記事でも書きましたが、とくに、相場を取り巻く環境に変化がない限りは、1.28台〜1.30台にかけて、ポジション管理をしっかりしながら、「ユーロ/米ドル」の売りで攻めるつもりです。
ただし、以下の条件のひとつでも当てはまる相場となった場合は、ユーロ売り/ドル買いは中止しようと思っています。その条件とは、以下の通りです。
・アメリカの金融政策内容が変化する⇒例:QE3終了の延期、QE4の導入
・アメリカのインフレ見通しが大きく悪化し、デフレ懸念さえ心配されはじめる
・ドル・インデックスが83ミドルも越えて急落してしまった場合
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