トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
トランプ氏が第45代米大統領に就任いたしました。先週20日に就任演説を行いましたが、マーケット関係者がこれほど大統領の演説に関心を示した事は記憶にありませんでした。ディーラー陣もナイトデスクのほか、徹夜組もおり、それほど注目度の高い演説となりました。演説は20分と短い内容ではありましたが、経済政策の具体策が示されず、保護主義的姿勢があらためて示されたことはこれからのトランプ相場のヒントとなりました。
トランプ相場の幕開け!トランプリスクを改めて意識
今週末にかけて米GDP速報値や米耐久財受注など米重要指標が控えているものの、トランプ政権の動向がマーケットテーマであるため、経済指標での値動きは限定されるのかも知れません。さて、これからのトランプ政権ですが、巨額インフラ投資や減税の経済政策(ドル高)とアメリカファーストの保護主義(ドル安)のどちらに偏ってくるかがポイントとなり、その見極めにかかっています。
先の大統領演説ですが、これまで経済政策について多くを語ってこなかっただけに政策面を盛り込んでくると考えておりましたが、読み違えておりました。また、大統領就任後は選挙で注目されたような過激な発言を控えて落ち着いた政治が展開されるとも思っておりましたが、こちらも間違っていました。更に今週トランプ大統領は「対日貿易が不公平」だと名指しで発言しているほか、頼みのムニューチン次期財務長官も「短期的に過度なドル高は経済に悪影響与える」「米財務省は不公正貿易に対処する一連の手段を持つ」と発言するなどドル高をけん制しています。
発言次第でモメンタムは大きく変わりますが、ここまでで判断するならばトランプ大統領はこれからも保護主義を前面に出してくると考えておいた方がよさそうです。トランプラリーは一時停止です。短期的に米ドル/円はトランプリスクを意識しつつ下方向に軸足を置きながらのトレードになるかと思います。
ポジションの偏りも短期的な下押しに警戒
シカゴIMMの円売りポジションは緩やかに減少しているものの、依然として8万枚ほど溜まっています。投機筋もトランプ相場を読み違えた形となっており、このあたりで思い切ってポジションを切ってくる可能性もあります。また、個人投資家のポジションも今の価格は割安と見て押し目買い傾向にあります。米ドル/円はこのようにロングポジションに偏っているため、下値が脆く不安定化する恐れがあります。いったん調整モードに転じると、投機ポジション巻き戻しで110円割れまで下押しする危険性は考えておきたいです。
中長期的にみてドル高はメインシナリオ!しかし米ドル/円の上値は重い
中長期的にみて財政出動や減税といったトランプ政権の政策や、堅調な米ファンダメンタルを背景にドル高と考えるのは間違っていません。また、イエレン議長を始めFOMCメンバーの積極的な利上げ姿勢も示されたことで、日米金利差拡大を背景に中長期的にはロングと考えるトレーダーは多いように思います。多くのアナリストも強気スタンスになっているようです。
確かにドル高シナリオはわかりやすいかもしれませんが、米ドル/円で考えるとどうでしょう。米国が保護主義姿勢前面に出し、対中国へも強硬姿勢をとれば中国も黙っていないでしょう。また、オランダ・フランス・ドイツと欧州は選挙イヤーとなっているなか、欧州でも保守的な動向が見られます。今年は政治リスクが高く、リスクオフの地合いでは円に頼るしか他なく、円高リスクは去年にもまして強く働く気がしています。
また、FRBによる今年の米利上げは3回がコンセンサスとなっておりますが、本当にそうでしょうか?
去年の今頃も複数回の米利上げがコンセンサスでしたが、実際は1回でした。イエレン議長のこれまでの行動を見ると今年もまた同じ轍を踏まないとも限りません。やはり、中長期で見ても米ドル/円はややネガティブだと思っています。
分厚い雲に突入したことでレンジの様相
米ドル/円はテクニカル的にみると日足一目均衡表の分厚い雲の中に突入したため、レンジ相場入りの様相です。上値は雲上限の差しかかる115円付近、下値は先週から3回下抜け防戦した112.50円になります。112.50円に関しては強固な抵抗が確認されており、買い方にとっては同水準が急所です。112.50円割れがあれば下押しが速そうなので一旦は逃げておいた方がよさそうです。
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