先週金曜日に発表された米国5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+28.0万人と予想の+22.6万人を大幅に上回るなど、全般に強い結果となった。金利市場は、年内利上げの可能性が高まったと受け止め、米国10年債利回りは一時2.43%と、8カ月ぶりの水準へ上昇した。為替市場では、米国金利上昇を受けてドル全面高の展開となり、「米ドル/円」は2002年6月以来の高値となる125.86円を示現した。
そもそも「米ドル/円」が三角保合いを上抜けし、上昇トレンドに突入するきっかけとなったのは、イエレンFRB議長が5月22日に「今年のいずれかの時期に利上げを始めるのが適切だろう」との見方を示したことだ。世界的な金融緩和競争のなかで、ドルは唯一利上げが見込まれる通貨として、緩和マネーの受け皿となりつつある。
一方、雇用統計の中身を見ると、平均時給の伸びは前年比2.3%と依然低調だ。金融危機が収束した2010年以降5年間で、失業率は9%台から5%台へ大幅に改善したが、この間の平均時給の伸びは2%前後で底ばいを続けており、リセッション前の水準である4%に向かっていく気配は見られない。これはリーマンショックをきっかけに、企業が合理化とIT化を推し進め、労働分配率を引き下げた結果であり、もはや不可逆と見る向きも多い。
米国の平均時給(前年比%) 出所:労働統計局、FXStreet
企業が空前の収益を上げているにもかかわらず、給料は上がらない。しかも、賃金インフレの心配がないので、FRBは利上げを急ぐ必要がない。イエレン議長は5月22日の講演で「利上げ開始後の金利引き上げペースは緩やかとなる可能性が高い」とも述べている。これらは、明らかに株価上昇要因だ。株式市場は、年内に利上げがあったとしても、それは金融政策の正常化であって、引き締めの始まりではないと都合よく解釈している。リセッションでもインフレでもないゴルディロックス(適温経済)期待のなか、緩やかな金利上昇と株高の共存が可能となっているのだ。
かくして、米国金利上昇を背景としたドル高と、株高を背景とした円安が同時進行する、「米ドル/円」にとって絶好の強気局面が訪れた。今週もトレンドに逆らわず、強気スタンスで臨むのがよいだろう。
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