東京・ロンドン・ニューヨーク、それぞれにマーケットの気質があります。各センターの気質の違いを知っていれは、事前に心の準備もできますし、ひいてはトレーディングに良い結果をもたらします。とういうわけで、今回は、それぞれのマーケットの気質をご紹介しましょう。
※この記事は、FX攻略.com2013年3月号の記事を転載・再編集したものです
東京マーケットの気質
東京マーケットは、「ドル/円」を中心とした、基本的に、輸出入といった実需のマーケットです。
実需とは、投機筋と違い、輸出企業であれば、ドル売りをするとそれで取引は完結し、輸入企業であれば、ドル買いをするとそれで取引が完結します。
つまり、実需は売り放し、買い放しですので、結構相場にジワリと効いてきます。
そして、最近では、個人投資家層が加わってきています。
一説には、世界のFX取引(為替証拠金取引)の40%が、日本で行われているという話もあります。
輸出入の実需取引と、個人投資家層に相通じるところは、海外から、つまり、ニューヨークから上げて東京に戻ってくると、東京勢は売ってきます。
また、ニューヨークから下げて東京に戻ってくると、東京勢は買ってきます。
実需でいえば、上がれば輸出企業が売り、下がれば輸入企業が買います。
また、個人投資家層の多くが、逆張りを好みとしていますので、実需と同様、上げて戻ってくれば売り、下げて戻ってくれば買います。
つまり、東京は、値幅を狭めようとする動きになりがちです。
インターバンクのトレーダーは、もともとは、実需のオーダーや取引を利用したトレーディングが中心でしたが、最近は、順張りのトレードが目立つようになってきたように思います。
また、東京の午前中は、まだ北米、とくに、西海岸は夜といってもトレーディングするのに無理のない時間帯であり、米系ファンドが東京マーケットで暗躍しています。
ロンドンマーケットの気質
東は、オセアニア、アジア、中東、ロシア、欧州、南はアフリカ、西は、北米、中南米とほとんど世界中をカバーしていることから、参加者も多く、世界一の取引高と、世界一の多種の通貨ペアが取引されています。
実需取引、投機、M&Aに絡んだ取引や、資本移動にともなう大口取引など、とにかくぶ厚いマーケットです。
ロンドンのトレーダーはたたき上げで、ある銀行の先輩後輩、上司部下であったのが、他の銀行に移って、また新たなつながりができて、輪が広がるといった具合で、ほとんど皆知り合いです。
毎晩、パブで何時間も立って飲んでは、おしゃべりをする仲間達です。
彼らは、トレーディングにあたっては、お互いにチャットで連絡を取り合い、どこにオーダーがあって、どこにストップロスがあるといった情報を常時交換しあいながら、どう攻めるかを話し合い、話がまとまると、皆で攻め込んできます。
また、ロンドンの前の東京あるいはアジアマーケットで、どういうポジションができているかも嗅ぎつけることにも長けていて、たとえば、東京がショートになっていると見れば、ショート・スクイズ(ショート・ポジションの崩し)に専念し、潰しにかかることは毎日の日課のようなものです。
つまり、他人がいやがることを仕掛けて、デイトレで儲けようとし、あまり長期の相場のトレンドがどうかといった見方はしません。
ニューヨークマーケットの気質
依然として、ドルが基軸通貨のため、ドル以外の通貨での輸出入取引がほとんどない、つまり、実需取引がほとんどない投機中心の相場です。
ロンドンと、大きく違う点は、他の銀行のトレーダーとの交流は皆無に近く、お互い敵同士だということです。
ニューヨークに駐在していた頃、日系のみならず非日系も含めて、各銀行の日本人ディーラーは仲が良く、よく飲みにいったり、ゴルフにいったりしましたが、そんなときに、たとえば、シティバンクのチーフディーラーを誘うと、彼はそうした経験がないので、大変喜んでくれました。
そうして、親日家になり、東京に転勤してきた米人ディーラーもいました。
ニューヨークのトレーディングスタイルは、レンジブレイク狙いです。
上がればさらに買い上げ、下がればさらに売り下げるというスタイルです。
相場の方向が決まると、その方向にニューヨークがクローズするまで延々と攻めてきますので、中途半端な戻り売り、あるいは押し目買いをすると命とりになります。
総じていえば、東京とニューヨークは素直なトレードが目立つのに対して、ロンドンはやっかいなマーケットです。
このように、マーケットセンターによって、カラーがまったく違いますので、そのセンターに合ったトレードをしなくてはならないわけです。
※この記事は、FX攻略.com2013年3月号の記事を転載・再編集したものです
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