田嶋智太郎

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    これからの外国為替場の行方 第121回(FX攻略.com2020年5月号)[田嶋智太郎]
    2020年5月27日
    これからの外国為替場の行方 第121回(FX攻略.com2020年5月号)[田嶋智太郎]
    ドル円が比較的底堅いのは「日本売り」の結果との声も  既知のとおり、2月19日以降にドル円が一時的にも112円台まで急上昇する場面というのを目の当たりにした。当時の市場の受け止めは、米国で発表された複数の経済指標が強めの結果を示したことに加えて、中国政府による景気対策の発動期待が市場で盛り上がったことが主要因ということであった。  見逃せないのは「加えて、日本のリセッションへの懸念が円安を呼び込んでいるとの見方もある」とされたことである。前回更新分の本欄では「今後も円が『安全通貨』と見做されることに疑問符が付き始めている」などと述べたが、実際、執筆時の市場からは「ドル円の上昇は『日本売り』の結果」との声も聞かれ始めている。  新型肺炎ウイルスの感染者数が中国に次いで多い日本の通貨「円」を、これからも安全通貨と見做し続けることは難しくなってきていると言われれば、それも道理と考えざるを得ないところはあると言えよう。  結局、ドル円が112円台で推移したのは一時的なものとなった(執筆時点)が、後に再び110円前後の水準まで売り戻されたのは、主にドル安の結果であった。東京市場が天皇誕生日の振替…
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    これからの外国為替場の行方 第120回(FX攻略.com2020年4月号)[田嶋智太郎]
    2020年5月6日
    これからの外国為替場の行方 第120回(FX攻略.com2020年4月号)[田嶋智太郎]
    新型ウイルス感染拡大でユーロ安からドル買いの動き  執筆時の市場は、新型コロナウイルスの話題で持ちきりとなっている。ウイルス感染拡大のニュースが報じられるごとに、リスクオフのムードが全体に色濃くなり、米・日を中心に世界の主要な株価指数が大きく値を下げる場面も目の当たりにされている。  むろん、ドル円が一気に下押す場面では、日本株の反応も大きくなりがちで、例えば1月27日の日経平均が一時500円超の下げとなったのは、同日の寄り前のオセアニア時間にドル円が窓を開けて大きく下押したことが大きいと思われる。  ただ、その割にドル円の下値がある程度限られた印象であることも確かである。それは、決してウイルス感染拡大の行方を楽観視しているわけではなく、リスク回避で円買いと同時にドル買いの動きが強まっていることによる。もちろん、中国との経済的関りが深く、ウイルス感染被害の影響が大いに危惧される欧州経済の先行き不透明感からユーロに売りが浴びせられているためで、結果として相対的にドルが強みを増していることもある。  実際、執筆時の「ドル指数」は昨年末を底に持ち直す動きを続けており、ウイルス感染拡大の報が伝…
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    これからの外国為替場の行方 第119回(FX攻略.com2020年3月号)[田嶋智太郎]
    2020年4月3日
    これからの外国為替場の行方 第119回(FX攻略.com2020年3月号)[田嶋智太郎]
    米株価&米景気は上向きで経済はバブルへと向かう  2019年の年の瀬を迎えた執筆時においても、なお米株式市場ではNYダウ平均をはじめとする主要な株価指数が、連日のごとく史上最高値を更新し続けている。なかでも、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の値動きは特に好調であると言え、年初に1130ポイント前後だった同指数が執筆時には1850ポイント前後と、ほぼ1年間で60%以上の上昇となった。文字通り、米株式市場における半導体関連株の値動きが総じて好調であるということになるわけだが、それは同時に2020年の米景気を楽観視する向きが増えることにもつながっている。  世界半導体市場統計(WSTS)が12月初旬に発表した半導体市場予測によれば、2019年の半導体市場は前年比12.8%減となったものの、2020年は第5世代移動通信システム(5G)の本格的な普及やデータセンターへの投資の回復、次世代ゲーム機の登場といった要素から、2019年比で5.9%増の回復基調になるという。  いまや「産業の主役」となっている半導体の市場に底打ちの兆しが見えてきたことは、世界経済全体にとっても明るい兆候であり、…
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    これからの外国為替場の行方 第118回(FX攻略.com2020年2月号)[田嶋智太郎]
    2020年3月17日
    これからの外国為替場の行方 第118回(FX攻略.com2020年2月号)[田嶋智太郎]
    米株価指数は最高値更新もドル円の上値は重いまま  前回更新分の本欄で、米国株の今後について「S&P500種には少し長い目で3200ポイントあたりが次の上値の目安になってきてもおかしくない」などとし、ドル円が109円処の節目水準をクリアに上抜けるかどうかは「一つに、主要な米株価指数が史上最高値を更新する強気の展開となるかどうかにかかっている」などと述べた。  実際、S&P500種は執筆時までに3142ポイントまで上昇する場面があり、NYダウ平均も連日のごとく史上最高値を更新する展開となっている。こうした状況は大方想定していた通りなのであるが、如何せんドル円の上値は相変わらず重い。  実際、執筆時のドル円は、依然として200日移動平均線と109円処の節目をクリアに上抜けたとは言えない状況で、1か月前とほとんど変わらない水準で推移しているのだ。それは一つに、善かれ悪しかれ「米中貿易協議の進展状況が10月下旬から1か月間、あまり変わらなかったこと」に因るとみていいだろう。  既知のとおり、かねて11月に予定されていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、開催地であったチリの反政府デモ…
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    2020年3月2日
    これからの外国為替場の行方 第117回(FX攻略.com2020年1月号)[田嶋智太郎]
    米株価指数が最高値更新ならドル円も一段の上値を追う  前回更新分の本欄では、9月のNYダウ平均について「今年7月につけた史上最高値=2万7398ドルに迫る動きが見られた」と述べたうえで、一気にリスク選好ムードが盛り上がった市場に関しては「9月を通じて上昇した米・日株価にも、さすがに目先の高値警戒感が募ってきている(一旦調整の可能性がある)」とも述べておいた。  そして案の定、10月に入って間もなく米・日の株価は一旦大きく下押す場面を迎える。直接的な要因として大きかったのは、10月1日に発表された9月のISM製造業景況指数が10年ぶりの低水準になったことである。その結果、NYダウ平均は一時的にも2万5700ドル台まで大きく下落することとなった。  このケースでは、米指標の悪化によって市場で米景気の減速懸念が強まったことが株安の一因となったわけではあるが、やはりそれ以前に一旦大きく株価がリバウンドしたことで、当面の高値警戒感が拭えない状況にあったことも軽視はできない。その意味で、執筆時点において再び米株価が史上最高値水準を試すような展開となってきていることに対して、あらためて目先の警戒を要…
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    2018年5月27日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年5月号)[田嶋智太郎]
    ※この記事は、FX攻略.com2018年5月号の記事を転載・再編集したものです 本邦機関投資家が米国債の損切りを実行? 執筆時(2018年2月下旬)の外国為替市場からは、なおも「年初からのドル安・円高の流れが明らかに逆転した」との感触は得られない。 ただ、2月初旬あたりから一段と強まったドル円の下落傾向が、2月半ばあたりに一旦落ち着いたことも見逃せない事実ではある。実際、ドル円は2月16日に一時105.55円まで大きく下押すこととなったものの、そこで一旦底入れして執筆時までには幾度か108円を試す動きとなっている。ドル円が目先的にも一旦底入れ&反発の動きを見せたのは一体なぜだろうか。 まず、一つに重要なこととして2月15日は「米国債の償還・利払いが行われるタイミングである」ということをあらためて押さえておきたい。つまり、もともと2月半ば頃というのは「米国債の償還金・利払い金の円転に伴うドル売り・円買いが基本的に生じやすい時間帯」にあたる。そして今年も、そのタイミングでドル売り・円買いの動きが一旦ピークを迎えたということだ。 思い起こしておきたいのは、ドル円が105.55円の直近(執筆時…
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    2018年4月28日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年4月号)[田嶋智太郎]
    日銀の異次元緩和策に「出口」などあるのか? ついに2018年(=戌年)の幕が開けた。当たり前のことではあるが、戌年というのは「4年に一度の統一地方選と3年に一度の参院選が同じ年に行われる12年に一度の亥年」の『前年』である。また、件の亥年にあたる来年の10月には消費税率の再引き上げも予定されている。 よって、政府・与党としては何が何でも今年、来年と景気の好調な流れを持続させたい。また、安倍首相にしてみれば、景気鈍化によって消費税率の再引き上げ時期をまたも延期するようなことは絶対に避けたい。 そのうえで、今年の自民党総裁選において「総裁3選」を確実に勝ち取り、来年の統一地方選と参院選で与党の基盤をより強固なものとし、いよいよ悲願の憲法改正を実現に導きたい。 したがって当面、基本的に政府は景気刺激的な政策の運営に努めようとするだろうし、当然、日銀もそれに足並みを揃えようとするだろう。「株価が命」の安倍政権が、円高の行き過ぎを為す術もなく見逃すわけはないし、黒田日銀が自分からわざわざ円高のタネを振り撒こうとするはずもないだろう。 実際、1月22—23日に行われた日銀金融政策決定会合は現行の政…
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    2018年4月17日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年3月号)[田嶋智太郎]
    2018年のドル円は少々大きく動く可能性? あらためて振り返ると、2017年のドル円は実に狭い値幅レンジ内での値動きに終始し、いわゆる「市場関係者・参加者泣かせ」の展開を続けた。 前回更新分の本欄でも述べたように、3月下旬あたりから形成していた「フラット型の保ち合いレンジ」は、大よそ108—114円の値幅で、少なくとも年末まで9か月続けて展開された。そのレンジの「中心」にあたる111円処というのが、前回執筆時のドル円が位置していたところであり、故に筆者は「ここ(レンジの中心)が一つの瀬戸際、正念場と理解する必要」「無用にまとまったポジションを構えないようにすることが肝心」などと述べたわけである。 そして案の定、ドル円は11月下旬につけた111円処(110.84円)で一旦底入れ&反発し、一時的にも113円台後半の水準まで戻りを試す展開となった。つまり、11月6日高値からの調整が再びレンジ下辺水準にまで辿り着くことはなかったわけである。繰り返すも、ここで大事なことはレンジの「中心」などという大事な節目の水準にあるときには、そこで一旦立ち止まってじっくり考え、決して軽々に売買の判断をしないこ…
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    2018年3月10日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年2月号)[田嶋智太郎]
    なおもドル円は保ち合いレンジ内の値動きを続ける 振り返れば、10月のドル円の月足・終値は、辛うじて31か月線を上抜けることとなった。しかし、執筆時(2017年11月下旬)の状況から考えるに、11月の月足・終値で31か月線(現在は113.37円に位置)を上抜けることはどうやら難しそうである。 つまり、ドル円は依然として2017年3月下旬あたりから続く「フラット型の保ち合いレンジ」のなかでの値動きを続けているということになる。このレンジの上辺は114円処、下辺は108円処であり、その中心軸となっているのは111円処と考えればいいだろう。もちろん、この111円処という水準も重要な節目として意識されるところである。 周知のとおり、111円処というのは「9月8日安値から11月6日高値までの上昇に対する半値押しの水準」にあたる。11月27日には、この水準を下抜けようとする動きも垣間見られたが、執筆時点ではいまだクリアに下抜けたとは言えない。 結局のところ、ドル円は、9月初旬に107.32円の安値をつけて一旦底入れ&反発し、執筆時までにフラット型の保ち合いレンジの下辺から上限まで一旦値上がりした後、…
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    2018年3月10日
    これからの外国為替相場の行方(月刊FX攻略.com2018年1月号)[田嶋智太郎]
    ECB理事会の決定は案の定「期待外れ」! 前回更新分の本欄で「ECB(欧州中央銀行)の『出口戦略』に期待しすぎることなかれ」「おそらく、現実的には市場が一頃想定していたよりもずっと緩やかなペースでしか『出口』へのアプローチは為されないであろう」などと述べた。 そして案の定、2017年10月26日に行われたECB理事会において決められた出口戦略は、市場関係者や参加者が想定していたものに比べてかなり緩やかで、言うなれば「期待外れ」なものとなった。 今回、ECBは国債などの資産購入措置の終了時期を来年9月末まで延長したうえで、来年1月以降の資産購入量を減額することを決めたものの、必要に応じて9月以降の延長も検討する用意があるとし、場合によっては購入量を再増額する可能性もあるとした。 そして、ご丁寧にも「終了時期をオープンエンドにすることをメンバーの大多数が支持した」とアピールし、資産購入量の減額はテーパリング(定期的に一定量ずつの減額を続ける措置)ではないと言明までしたのである。 非常に柔軟性に富んだ対応と言えなくもないが、何やら非常に頼りない、心もとない感じがすることも事実である。 その実…