田嶋智太郎

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    これからの外国為替場の行方 第128回(FX攻略.com2020年12月号)[田嶋智太郎]
    2021年1月15日
    これからの外国為替場の行方 第128回(FX攻略.com2020年12月号)[田嶋智太郎]
    ユーロドルの弱気転換は大台到達の達成感も一因  本稿が読者の皆様の目に留まる頃、欧米における新型コロナウイルスへの感染再拡大に、果たして歯止めは掛かっているだろうか。むろん、歯止めが掛かっているとすれば、それは再び厳しい営業規制や行動規制を広範に実施した結果であると考えられ、そのマイナスの影響はいずれ確実に明らかなものとなろう。  本稿執筆時、英国やフランスの新規感染者数は過去最多を記録している。すでに、両国の大都市部では一部の飲食店の営業時間を制限するなどの措置を講じ始めており、これは「いつか来た道」でもある。当然、各国・地域の景気の先行きが案じられることとなり、製造業や非製造業の購買担当者景気指数(PMI)なども悪化する。  実際、9月のユーロ圏の総合PMIは前月比マイナス1.8ポイントの50.1となり、4月以降の回復ペースは一旦途切れた。そして、こうした現実を横睨みしながら9月初旬以降、執筆時までのユーロドルは弱気のトレンドに転じている。  チャート①に見るように、9月半ば過ぎまでは21日移動平均線(21日線)や1.1800ドル処を挟んでのもみ合いが続いていたが、9月21日以降は…
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    これからの外国為替場の行方 第127回(FX攻略.com2020年11月号)[田嶋智太郎]
    2020年12月20日
    これからの外国為替場の行方 第127回(FX攻略.com2020年11月号)[田嶋智太郎]
    FRBの政策枠組み見直しでバブルの可能性は高まった?  去る7月27日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は毎年恒例のジャクソンホール会議で講演し、今後の新たな金融政策の枠組みについて「平均で2%」のインフレ目標に言及し、景気低迷期にあってはインフレ率が一時的に2%を超えても、暫く容認する方針を明らかにした。  つまり、これまでの想定以上にFRBは低金利状態を長期化させる意向であるということであり、その内容が伝わった後の米株相場は、当然のことながら総じて強含みで推移することとなった。  もっとも、そのような方針が示されるのは大方事前に予想されていたことで、それまでに相場がかなりの部分を織り込んでいたことも事実。すなわち、その時点で一旦は「材料出尽くし」ということになるわけで、実際に同日の米債市場は「セル・ザ・ファクト(事実で売り)」の反応を露わにした。結果、米10年債利回りは0.75%台まで一気に跳ね上がることとなり、一旦はドルが全体に買い戻される展開となった。  とはいえ、相場変動要因の本尊は「FRBの低金利政策がより長期化する可能性」にあるわけであるから、手放しでドル買い…
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    これからの外国為替場の行方 第126回(FX攻略.com2020年10月号)[田嶋智太郎]
    2020年11月1日
    これからの外国為替場の行方 第126回(FX攻略.com2020年10月号)[田嶋智太郎]
    コロナ禍で加速する!?悲願の欧州統合への歩み  奇しくも、新型コロナウイルスの感染拡大が様々な形でかねて必要とされてきた社会の劇的な変容をグローバルに後押しする格好となってきている。それは、このところ話題として取り挙げられることの多いDX(デジタルトランスフォーメーション)の大きな流れといったものが代表するところとなるが、他方で長年の悲願とされてきた欧州統合について、その実現に向けた貴重な一歩がようやく踏み出されるきっかけにもなったことは非常に興味深い。  既知のとおり、欧州連合(EU)は去る7月21日、コロナ禍からの経済再生を図るため、総額7500億ユーロ規模の復興基金を創設することで合意した。当初、EU首脳らの協議は一部加盟国の抵抗によって難航し、望ましい結論は得られない可能性もあると伝えられていたが、結局は5日間にも及ぶ「マラソン交渉」を経てなんとか最終合意に漕ぎつけた。  このことは、欧州統合に必要な要件の一つである財政統合への足取りに弾みをつける結果となる可能性があり、とりあえずは欧州安定の重要な後ろ盾となり得るポジティブな材料であるとして、合意の事実が伝わった後の市場は素直…
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    これからの外国為替場の行方 第125回(FX攻略.com2020年9月号)[田嶋智太郎]
    2020年10月6日
    これからの外国為替場の行方 第125回(FX攻略.com2020年9月号)[田嶋智太郎]
    5月下旬以降の豪ドル円はテクニカルの教科書的値動き  前回更新分の本欄で特に注目した豪ドル円が、その後に一旦大きく上値を伸ばす動きを見せた。3月19日に一時60円割れの水準を試した豪ドル円だが、執筆時点での直近高値までは最大で17円もの戻りを見ている。  そんな豪ドル円の大幅な切り返しのなかで今後の参考にしておきたいと思うのは、まず5月下旬に、それまで重要な節目として意識されていた70円処をクリアに上抜け、同時に一目均衡表の日足の遅行線が日足「雲」を上抜けたところからグンと大きく上値を伸ばしたことである。  また、ほぼ同じタイミングで21日移動平均線(21日線)と89日移動平均線(89日線)のゴールデンクロスが示現し、そこから上げの勢いが増したことも、まさに「テクニカルの教科書通り」の値動きであったと言える(チャート①参照)。  その結果、6月第1週の豪ドル円の週足ローソクは、下から31週移動平均線(31週線)、62週移動平均線(62週線)を次々に上抜け、結局は週足「雲」をも一気に上抜けて長い陽線を描く格好となった。この点については、当時一つに「少々オーバースピード気味ではないか」と率…
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    これからの外国為替場の行方 第124回(FX攻略.com2020年8月号)[田嶋智太郎]
    2020年8月30日
    これからの外国為替場の行方 第124回(FX攻略.com2020年8月号)[田嶋智太郎]
    米・日株高でリスク選好もドル円は方向感なし  米国の代表的な株価指数であるNYダウ平均は、執筆時までに2万5000ドルの大台を回復した。3月下旬につけた安値=1万8213ドルからの上昇率は38%にもなるというから驚く。同様に、足下では日経平均株価が2万1400円台まで値を戻す場面も目の当たりにされており、3月安値=1万6358円からの上昇率は30%を超える。その結果、今年1月高値から3月安値までの下げに対する61.8%戻しを達成することとなった。  前回更新分の本欄で、3月の株価急落後に2番底を見に行く可能性について、筆者は「誰もが口を揃えて『2番底』の到来を警告するといった状況にあって、果たして実際に彼らの予想通りに事が運ぶなどということがあろうか」と述べた。そして案の定、執筆時まで2番底を探る動きは見られていない。  より論理的に解釈すれば、やはり新型コロナウイルス感染拡大の影響で、後に目の当たりにすることが当初から容易に想像できた「実体悪」の部分を、相場が先回りして織り込み、実際に酷い経済指標や景気データが次々に出てきても、そこで一旦「悪材料出尽し」と捉えたことが大きい。  むろ…
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    これからの外国為替場の行方 第123回(FX攻略.com2020年7月号)[田嶋智太郎]
    2020年7月27日
    これからの外国為替場の行方 第123回(FX攻略.com2020年7月号)[田嶋智太郎]
    NY原油初のマイナスでも全体の反応は比較的穏やか  執筆時点(2020年4月下旬)の国際金融市場における最大の“事件”と言えば、それは「まさに驚天動地のNY原油初のマイナス価格」ということになるだろう。  周知のとおり、NY原油(WTI)先物5月限の価格は4月20日に一時マイナス40ドルまで急落することとなった。これは、折からのコロナショックで原油需要が世界的に激減し、実需の買いが消滅するなか、先物の限月交代に伴う売りを市場が吸収できなかったことに因る。  口さがない一部の関係者は、このときの現象を「粗大ゴミの有償処理」に例えていた。言い得て妙と思えなくもないが、冷静に考えれば「恐ろしい感染症のパンデミック(世界的拡大)下で生じた先物取引に固有のテクニカルな出来事であったに過ぎない」と捉えることもできる。  むろん、世界が共に協調して新型コロナウイルスとの戦いに挑もうとしている状況にあって、それでも直ちに具体的な対応策を繰り出すことができないサウジアラビアやロシア、米国などといった産油国のリーダーらの罪は大いに咎められるべきである。  ただ、それも言うなれば「時間の問題」ということにな…
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    これからの外国為替場の行方 第122回(FX攻略.com2020年6月号)[田嶋智太郎]
    2020年6月27日
    これからの外国為替場の行方 第122回(FX攻略.com2020年6月号)[田嶋智太郎]
    ドル枯渇懸念の解消に一役買ったFRBの支援策  前回更新分の本欄でも触れたように、ことのはじまりは、一つに新型コロナウイルスの感染が2月下旬からイタリアや韓国などにまで拡がりはじめたとの報が伝わったところからであった。  チャート①であらためて確認されたいが、その後、ドル円は一時101円台前半の水準まで急落したものの、3月10日以降は一気に切り返して、再び112円台をうかがうほどの水準にまで値を戻すこととなる。  ちなみに、3月9日の急落というのは、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国との間における追加減産協議が決裂したことへの「一時的なショック」と「想定外の結果に対する失望」といったものが大きく作用した結果と見ていいだろう。その実、よく見れば同日以降は概ね104円台半ばあたりの水準が下値となっている。  それにしても、104円台半ばあたりから111円台後半の水準までの急上昇には、やはり目を見張るものがあった。既知のとおり、そのとき市場に蔓延したのは「ドル枯渇」の懸念である。当時の市場では「とにかく、何をおいてもドルキャッシュを手当てしておかねば」との思いから世界中の…
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    これからの外国為替場の行方 第121回(FX攻略.com2020年5月号)[田嶋智太郎]
    2020年5月27日
    これからの外国為替場の行方 第121回(FX攻略.com2020年5月号)[田嶋智太郎]
    ドル円が比較的底堅いのは「日本売り」の結果との声も  既知のとおり、2月19日以降にドル円が一時的にも112円台まで急上昇する場面というのを目の当たりにした。当時の市場の受け止めは、米国で発表された複数の経済指標が強めの結果を示したことに加えて、中国政府による景気対策の発動期待が市場で盛り上がったことが主要因ということであった。  見逃せないのは「加えて、日本のリセッションへの懸念が円安を呼び込んでいるとの見方もある」とされたことである。前回更新分の本欄では「今後も円が『安全通貨』と見做されることに疑問符が付き始めている」などと述べたが、実際、執筆時の市場からは「ドル円の上昇は『日本売り』の結果」との声も聞かれ始めている。  新型肺炎ウイルスの感染者数が中国に次いで多い日本の通貨「円」を、これからも安全通貨と見做し続けることは難しくなってきていると言われれば、それも道理と考えざるを得ないところはあると言えよう。  結局、ドル円が112円台で推移したのは一時的なものとなった(執筆時点)が、後に再び110円前後の水準まで売り戻されたのは、主にドル安の結果であった。東京市場が天皇誕生日の振替…
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    これからの外国為替場の行方 第120回(FX攻略.com2020年4月号)[田嶋智太郎]
    2020年5月6日
    これからの外国為替場の行方 第120回(FX攻略.com2020年4月号)[田嶋智太郎]
    新型ウイルス感染拡大でユーロ安からドル買いの動き  執筆時の市場は、新型コロナウイルスの話題で持ちきりとなっている。ウイルス感染拡大のニュースが報じられるごとに、リスクオフのムードが全体に色濃くなり、米・日を中心に世界の主要な株価指数が大きく値を下げる場面も目の当たりにされている。  むろん、ドル円が一気に下押す場面では、日本株の反応も大きくなりがちで、例えば1月27日の日経平均が一時500円超の下げとなったのは、同日の寄り前のオセアニア時間にドル円が窓を開けて大きく下押したことが大きいと思われる。  ただ、その割にドル円の下値がある程度限られた印象であることも確かである。それは、決してウイルス感染拡大の行方を楽観視しているわけではなく、リスク回避で円買いと同時にドル買いの動きが強まっていることによる。もちろん、中国との経済的関りが深く、ウイルス感染被害の影響が大いに危惧される欧州経済の先行き不透明感からユーロに売りが浴びせられているためで、結果として相対的にドルが強みを増していることもある。  実際、執筆時の「ドル指数」は昨年末を底に持ち直す動きを続けており、ウイルス感染拡大の報が伝…
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    これからの外国為替場の行方 第119回(FX攻略.com2020年3月号)[田嶋智太郎]
    2020年4月3日
    これからの外国為替場の行方 第119回(FX攻略.com2020年3月号)[田嶋智太郎]
    米株価&米景気は上向きで経済はバブルへと向かう  2019年の年の瀬を迎えた執筆時においても、なお米株式市場ではNYダウ平均をはじめとする主要な株価指数が、連日のごとく史上最高値を更新し続けている。なかでも、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の値動きは特に好調であると言え、年初に1130ポイント前後だった同指数が執筆時には1850ポイント前後と、ほぼ1年間で60%以上の上昇となった。文字通り、米株式市場における半導体関連株の値動きが総じて好調であるということになるわけだが、それは同時に2020年の米景気を楽観視する向きが増えることにもつながっている。  世界半導体市場統計(WSTS)が12月初旬に発表した半導体市場予測によれば、2019年の半導体市場は前年比12.8%減となったものの、2020年は第5世代移動通信システム(5G)の本格的な普及やデータセンターへの投資の回復、次世代ゲーム機の登場といった要素から、2019年比で5.9%増の回復基調になるという。  いまや「産業の主役」となっている半導体の市場に底打ちの兆しが見えてきたことは、世界経済全体にとっても明るい兆候であり、…