9月と10月は要注意
今年も残すところあと4か月となりました。長年相場に関わってきた私ですが、毎年9月から年末までの期間は非常に神経を使います。過去の相場を振り返ると、9月と10月は世界的金融危機などの特殊要因が起こりやすく、特に今年は新型コロナウイルスのパンデミックにも関わらず米国株の上昇率が大きかったので、その反動が一気に来るのではないかと気を使っています。株価動向は為替市場へも波及するため、今まで以上の注意が必要になることには留意したいものです。
最初に、9月と10月に起きた過去の出来事を年代順にまとめた下画像をご覧ください。
株価暴落と為替市場の動き
なお、米国の代表的株価指数であるダウ平均株価やS&P500と円は逆相関性が高いといわれています。これはリスクオン/オフで色分けすると、分かりやすいかもしれません。例えば、投資家たちのリスク許容度が上がるリスクオン相場では株高円安へ、その反対のリスクオフ相場では株安円高という具合です(図①)。
秋は円の変動幅が大きいのか?
冒頭でも申し上げた通り、9月と10月は金融危機勃発などの特殊要因が起こりやすいため、世界的な株価下落に伴い為替市場でも相場の変動率が激しくなると思われがちです。
ここでは日本人に人気のあるドル円・ユーロ円・ポンド円の3通貨ペアに絞り、毎月の値幅と方向性について、2001年から振り返り検証してみました(表①、②、③)。果たして株式相場が大きく動く9~10月は、円相場も同様の動きをするのでしょうか? そして、金融危機による株価下落が起こりやすいため、円高となるのでしょうか?
青字は各月の始値から終値までがプラスで推移した月(ローソク足の陽線、円安月)、赤字は始値から終値までがマイナスで推移した月(ローソク足の陰線、円高月)、緑字は始値から終値までの値幅が60~80ポイント以下で推移した月(十字線または下影/上影陽線・陰線)となっています。黄色のハイライトは、各年で値幅が大きかった2か月です。
9~10月の円相場
結論としては、ドル円では特にはっきりした傾向は確認できませんが、ユーロ円・ポンド円では円安傾向が強いことが分かりました。具体的な数字を挙げると、2001年~2019年までの19年間で、ユーロ円でユーロ高円安となったのは9月が11回、10月が10回。ポンド円では9月・10月共に10回ずつとなっています。
ただし、最も動く月はドル円が3月、ユーロ円が1月。そしてポンド円では2月ということが分かり、クロス円は年初に動くようです。
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まとめ
特殊要因が起こりやすく、株価下落に伴い為替市場でも相場の変動率が高くなると思い込まれていた秋相場ですが、ドル円ではあまりその傾向はなく、クロス円で円安方向へ振れる可能性が高いことが分かりました。これは、文頭で書いた「株高=円安」という図式に当てはめると、9~10月は金融危機が起きやすいのに、株は上昇するというおかしな結論になってしまいました。
もちろん、こちらでご紹介したデータは過去19年間に限ったものです。米株式指数の過去50年間ほどの長期データを見ると、9月は下落する可能性が高いことが確認されています。
結論としては、秋に株が下がったからといって円高になるに違いないという思い込みを持たず、常にマーケットには柔軟に対処することが必要ということでしょう。
※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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