※この記事は、FX攻略.com2016年6月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)
【一目均衡表入門 連載記事】
・第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第4回 三波動と時間関係、値段関係から分かること[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第5回 転換線と基準線①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第6回 転換線と基準線②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第7回 転換線と基準線③[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第8回 先行スパンと遅行スパン①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第9回 先行スパンと遅行スパン②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第10回 準備構成の「型」と9週足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第11回 9週足と9か月足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第12回 週間実線のB、Yと仲値線[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第13回 B、Yの活用方法[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第14回 『一目均衡表』原著の内容[監修:細田哲生(三世一目山人)]
騰落(上げ下げ)を波動として考える
前回では、見開きページいっぱいに「米ドル/円」の週足チャートを広げ、その上に一目均衡表を表示、さらに対等数値、計算値を記載しました。
それこそが、本家の使い方であるということを、皆さんに知ってもらうためです。一般的に解説されている使用方法と、あまりにギャップがあるため、驚いた人も多いのではないでしょうか。
一目均衡表は、5本の線(転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2、遅行線)だけを用いるのではなく、この対等数値と計算値、加えて三波動という概念を併せて考えることで、より相場変動への理解や予測が深みを増すものなのです。そして、その使い方が、一目均衡表の真の力を引き出すための鍵となります。
相場が上がる流れも、下がる流れも、三つの波動の変遷である—この三波動の考えが、基礎となります。そこで今回は、この三波動について、初歩から学んでいきます。
一目均衡表の著作権は株式会社経済変動総研が有し、原著の出版販売をしています。原著のご購入については一目均衡表公式ホームページをご覧ください。
相場の動きを4種類に単純化
三波動の在り方(「上げ」の場合)
三波動とは、単純化すると、「上げ(下げ)」の流れを第一、「押し(戻り)」の流れを第二、そして再度「上げ(下げ)」ていく流れを第三波動と捉える考え方です。相場はこの三波動を繰り返しながら、方向性を成したり、転換したり、もみ合ったりしていると考えるのです。
なお三波動は、N波動、P波動、Y波動、S波動の4種類に分類できます(上図参照)。このうち、方向性を成すのはN波動のみであり、これを基本波動として重要視します。残るP、Y、S波動は、方向性が定まっていないものであり、もみ合いにおいて(あるいは相場の転換時に)見られる中間波動であると考えます。
重要な三波動を見いだす条件
相場の変遷は、三波動が連続したものであると考えられます。方向性を成しているときにはN波動が連続し、それ以外のときには中間波動(P、Y、S波動)が現れる。このように単純化できるのです。
とはいえ、相場変遷からは、無数の三波動を見いだせてしまい、整理がつきません。そこで、「時間関係」「値段関係」をともなった三波動を重視することにより、影響力のある三波動を特定します。
ページ下で、「時間関係」をともなった三波動について、図解しています。AB=BD、AB=CD、AC=CDの関係で成り立つN波動を追いかけ、予測することで、その後の相場の見通しが立つようになります。
もう一方の「値段関係」をともなった三波動については、次回に解説をします。
三波動の考え方
① 相場変動は、三波動を基本とする
② いかなる値動きも、結果的に三波動となる
③ 時間関係や値段関係をともなった三波動を重視する
時間と値段の関係から、重要な三波動を見つける必要があります。
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相場変遷と三波動の例
方向性を成すのはつねにN波動
上図は、上げて下げた相場変遷の一例。二つのN波動(NaとNb)が上昇を生み出し、P波動で転換を迎え、下げの三波動(Nc)が始まることを示しています。このように、相場は三波動が連続した(重なった)形と捉えることができます。
「時間関係」をともなった三波動について
第一波動(あるいは第一+第二波動)が第三波動に時間的な影響を及ぼすと考えます。
【AB=BD】
第一波動(AB)の形成に9日間の時間を要した場合、第二波動(BC)と第三波動(CD)形成に同日数の影響が及ぼされると考える。
【AB=CD】
第一波動(AB)の形成に9日間の時間を要した場合、第三波動(CD)の形成に同日数の影響が及ぼされると考える。
【AC=CD】
第一波動(AB)と第二波動(BC)の形成に9日間の時間を要した場合、第三波動(CD)の形成に同日数の影響が及ぼされると考える。
「米ドル/円」週足の主な三波動
チャートに示した三波動の例から、起点を変えつつも結果的には何らかの三波動が確認できるということが分かるでしょう。第一、第二と波動が形成されたときに、その影響が及ぶ第三波動(あるいは第二+第三波動)の時間を予測できるようになります。例えば水色で示した直近の10週間(第一波動)、2週間(第二波動)という変遷は、第三波動に対して10週あるいは12週にわたる「下げ」の影響力があると考えられるのです。
一目均衡表 豆知識
『一目均衡表』原著
一目均衡表の作図や使い方は、1969年(昭和44年)に発行された『一目均衡表』一目山人(経済変動研究所)にて、世の中に公開されました。「一目均衡表七部作」と呼ばれる原著は、個人出版されたものでした。
一目均衡表の各線①
「転換線」は、過去9日間の半値を転換値として日々記入し、それをつなげた線。「基準線」は、過去26日間の半値を基準値として日々記入し、それをつなげた線。一目山人はこの二つを均衡表と指しました。
一目均衡表の各線②
「先行スパン(上限)」は、転換値と基準値の半値を26日先行させてつなげた線。「先行スパン(下限)」は、過去52日間の半値を26日先行させてつなげた線。「遅行スパン」は終値を26日過去にずらしてつなげた線。
※この記事は、FX攻略.com2016年6月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)
【次を読む】
・一目均衡表入門|第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
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