今月はRSI(アールエスアイ)という有名なテクニカル指標についてお伝えしましょう。
※この記事は、FX攻略.com2013年5月号の記事を転載・再編集したものです
RSIとは何か?
これまでに私は本誌で、「乖離(かいり)率」「移動平均線」「MACD(マックディー)」「ボリンジャーバンド」といったテクニカル指標を解説してきました。それらの指標は移動平均線そのものか、値動きが移動平均線からどの位離れているかを各々別の数式で処理しています。
それに対して、今回取り上げたRSIは、「相対力指数」という意味のテクニカル指標の一種で、まったく違う考え方で組み立てられています。過去の値動き幅に対する上昇値幅の割合をグラフ化し、直近の一定期間において、上昇変動と下落変動の勢いがどれくらい強いのかわかり易くする指標です。
期間は日足の短期的な見方なら、9日から14日に設定することが多いようです。直近のある期間の各時点における変動幅、すなわち上昇幅の累計と下落幅の累計を合計し、そのうち上昇幅の累計が全体の何%を占めているのかを計ります。よって、RSIは、0から100%の範囲で動くわけです。相場が上昇する勢いが強ければ数値が50%以上になり、一方で、下降局面ならば数値が50%未満となるということですね。RSIは短期から中期的な相場予想によく使われています。
ボックス相場での予想
さて、どのような相場でも、買ったポジションはいつか売られます。ですから、買われ過ぎたら、その後には売りが優勢になるものです。通常、RSIが70%以上であれば相場は買われすぎ、逆に、RSIが30%以下であれば相場は売られ過ぎであると考えます。売られて安くなり過ぎたら、今度は買う人が増えるので、間もなく上がるだろうということですね。従って、RSIが30%以下になったら、もうすぐ上がる可能性が高いと観て買います。逆に、RSIが70%以下になったら、まもなく下がると予想して売ります。
ボックス相場というのは、ある範囲で上げ下げを繰り返すことですが、ボックス相場ではRSIでの売買の判断が容易です。そのため、テクニカルの解説書のなかには、RSIはボックス圏だけで使えと書いてある本も多いです。図の下に赤い線で表示されているのがRSIです。RSIが30%と70%の直線を書き加え、相場予想を下に矢印で書き込みました。
大きな動きのある相場
では、ボックス相場ではなく、はっきりしたトレンドが出たらどうなるでしょうか? 図のオレンジで囲まれた場所では、上昇(円安)に向かう動き(トレンド)ができています。そこでは、RSIは70%以上に張りついてしまいます。ですから、前節でのRSIを使ったボックス圏での考え方だけでは、正しく相場を予想できません。
逆に、RSIが30%以下、もしくは70%以上が続いたら、相場にトレンドが出ていると考えましょう。相場にトレンドが出ているか、そうでないかを判断するためには、他のテクニカル、たとえば、私が本誌3月号で述べたボリンジャーバンドを観ると良いでしょう。いずれにせよ、RSIを使う場合は、相場がボックスであるのか、あるいはトレンドが出ているのかを意識しておくことが大切です。為替相場では、上がったかと思うと下がるという方向感をつかみにくいボックス相場の時間は、ハッキリとしたトレンドが出ている時間よりはるかに長いことは意識しておいて下さい。
天井と底の予想
レートが上昇しているのに、RSIは下がることがあります。このような時期にRSIが値動きと逆行している状態では、そろそろ天井、あるいはトレンド転換が近いのではと考えましょう。逆に、レートが下がっているのに、RSIが上昇してきたら、底が近いと観ます。トレンドが出ているときにも、RSIで相場の勢いを知ることができます。RSIが真ん中の50%に近づいてきたらトレンドが終わる、あるいは一段落の可能性が高いです。
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RSIの実際の使い方
これまで述べてきたような方法で、RSIだけで相場を予想することもできますが、判断を間違えてしまうと損をする恐れが高いので、私は初心者の方にはおすすめしておりません。それよりも、RSIは移動平均線、ボリンジャーバンドなど別のテクニカル指標と組み合わせて、双方を見るほうがより正しく相場を予想できます。
移動平均線を応用したテクニカルは、設定によっては相場の予想が遅れ勝ちになってしまいますが、RSIは他の多くのテクニカルよりも素早く相場の転換を示すのが長所です。このようにテクニカル指標には各々特徴があるので、いくつかの指標を観ながら相場を判断するのが王道です。(月刊FX攻略.com 2013年5月号掲載)
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