利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
サイクルは歪む
皆さんこんにちは。前回は「サイクルの複合」について解説しました。小さなサイクルがいくつか合わさり複合して強気になったり、弱気になったりしました。これを理解することで次に来る大きなサイクルが強気になるか、それとも弱気になるかが予測できました。また、次に来るボトムの日柄も予測できるようになりました。今回はサイクルの変則的な部分と未来予測を更に深掘りしていきますので楽しみにしておいてください。
前回まではサイクルの基本的なことをお話してきました。基本を理解した皆さんには、ここから応用編のお話をします。それは、サイクルは歪(ゆが)むということです。どういうことかというと、仮にある通貨ペアが50週の複合で強気のサイクルを形成していたとします。そうすると、サイクルの基本を学んだ方は、次のサイクルは50週のサイクルがきて次のサイクルも強気になりやすいと考えます。その考え方自体は正しいです。しかし、全ての投資家に共通することですが、大事なことが抜け落ちています。
それが何かというと、例えば皆さんが移動平均線のゴールデンクロス(GC)が「買い」のサイン、デッドクロス(DC)が「売り」のサインと学んだとします。そうすると、条件反射的にGCだから買い、DCしたから売りとなりやすいのです。それは一見正しいようで間違っています。そうではなくて、なぜ、GCになると買いになるのか、DCになると売りになるのかといった本質を理解することが大事なのです。なぜ移動平均線がGC・DCすると売買サインとなるのか、そもそも、移動平均線とは何を見ている指標なのか、計算式から導かれるものは何なのか、などを理解するからこそ正しく移動平均線を使うことができるのです。サイクルも同じです。正解だけを覚えてその正解までの過程を理解せずにトレードをしている投資家が非常に多いように思われます。
同様に、サイクルの特性も理解する必要があります。サイクルは規則性がありそうで不規則な部分があるのです。そして、小さなサイクルは大きなサイクルに内包されやすい傾向があるということも理解する必要があります。つまり、小さなサイクルは大きなサイクルの周期によって縮小したり延長したりすることがあるということです。
サイクルの短縮
強気のサイクルが2回続き、3回目のサイクルが弱気のサイクルという複合の強気サイクルで考えてみます(図①)。仮に2回続いた強気のサイクルが20週ずつだったとします。その前の複合のサイクルが50週の強気サイクルだったとすると、今回の3回目のサイクルが2回の強気のサイクルと同じように20週だと合計60週となってしまいます。そのようなときには、最後のサイクルが10週前後で終わり、複合した大きなサイクルで見れば50週となりますが、小さなサイクルで見ると周期が合わないといったことが起きるのです。これを理解せずにサイクルの基本だけだと間違った捉え方になってしまいます。
サイクルの延長
サイクルの縮小があれば、サイクルの延長もあります。先ほどと同じように複合のサイクルが50週だったとします。ところが、1回目のサイクルも2回目のサイクルも15週ずつで終わったとします。そうすると、合わせて30週となります。そこで、15週が2回続いたから3回目も15週となるのではなく、大きなサイクルの50週に内包されるように3回目が20週のサイクルとなり大きなサイクルの周期に合わせてくるということがあります。
歪みにはどういう傾向があるのか
サイクルの短縮と延長の話をしましたが、それぞれどういうときにそういった傾向があるのかを見ていきましょう。基本的には複合で強気のサイクルになるときは最後のサイクルが短縮する傾向があります。なぜ、そうなる傾向にあるかというと、強気のサイクルは上昇している時間帯が長く、下がる時間帯が短い傾向があるからです。
また、延長の場合はその逆の傾向があります。複合で弱気のサイクルは、上昇している時間帯よりも下降している時間帯の方が長いからです。この理屈が難しく感じる方は図で確認しながら上昇トレンドと下降トレンドの基本を確認してください。
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未来予測の応用
このサイクルの歪みを理解すれば、複合のサイクルが終わったときのサイクルの周期と強気か弱気かを確認し、次のサイクルが複合の周期とその一つ小さな周期がどうなるかを予測することができるようになります。全てのチャート分析は基本があって応用があります。そして、実際のチャートは応用の連続なのです。そのことをしっかりと頭に叩き込んでおきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2021年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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