マネースクエア(M2J)の特許コンテンツ、トラップリピートイフダン、略してトラリピ。名前を聞いたことはあっても、どういう仕組みなのかよく分からない方も多いのでは? そこで、トラリピトレーダーとして活躍する長瀬博雅さんに、トラリピを実際にスタートする際のポイントを解説していただきました。
【完全放置OK!レンジ相場でコツコツ稼ぐトラリピの始め方[長瀬博雅]】
・第1回 トラリピとは
・第2回 運用のメリット
・第3回 コスト削減のコツ&含み損の考え方
・第4回 リスク管理の方法
・第5回 リアル運用の注意点
・第6回 利益を伸ばす応用テクニック
・第7回 利益を出せるトレーダーの傾向
長瀬博雅さんプロフィール
ながせ・ひろまさ。岐阜県高山市在住。本業のWEBマーケティングコンサルタントのかたわら、トラリピを中心とした副業FXでも利益をあげている。FX歴10年以上。著書に『朝30分!会社勤めをしながら稼ぐ私のFX投資法』(明日香出版)。
運用資金はどのくらい必要か?
トラリピでは、基本的に広い価格帯に複数のイフダン注文を発注するので、「たくさんの資金が必要なのでは?」と感じるかもしれません。実践者のブログを見ると、100万円以上の資金で運用している人が多いのも事実です。100万円あれば広い価格帯に細かく仕掛けることができるので、利益も積み上がりやすくなります。
ただ僕のブログにいただく問い合わせによると、最初は10万円から30万円程度の資金で始めたいという方が多いと感じます。まずは少額でスタートし、本当に利益が出るのか試してみたいという気持ちがあるのでしょう。
試しに運用資金10万円として「らくトラ運用試算表」で計算してみました。通貨ペアは「豪ドル/円」を選択し、現在79円で推移していると仮定します。買いで70円〜80円の価格帯に1円間隔で11本発注、1本あたりは1000通貨、利益金額は500円という条件で計算してみました(パターン1)。計算結果を見ると、自動ロスカットは約68円になります。
現在価格から自動ロスカットまで11円も余裕があると考えるか、11円しか余裕がないと捉えるかは人それぞれでしょう。
自動ロスカットまでもう少し余裕を持たせたいということであれば、70円〜80円の価格帯を65円〜75円にずらしてみます(パターン2)。
すると自動ロスカットは約63円になります。歴史的最安値は約55円ですから、ロスカットのリスクはかなり減りました。ただ75円以下まで円高が進まないとイフダン注文が約定しないため、利益が積み上がるまで時間がかかる可能性があります。
このあたりのリスクとリターンのバランスは難しいところです。ただ最初は攻めよりも守りを重視した方が良いです。なぜなら「相場で長く生き残る」を実現しやすいからです。
長く相場を経験していればうまくいったこと、思い通りにいかなかったことをたくさん経験するでしょう。経験値が増えれば増えるほど賢明なトレーダーに近付くことができるわけです。
まずは資金10万円から始めてみて、自動でイフダン注文が発注される感覚に慣れることが大切だと思います。利益が積み上がるペースに満足できるかどうか、値動きによって含み損が増減したときに精神的負担はどの程度なのか、ノートなどに記録しておくと良いでしょう。
この記録の蓄積が、よりよい運用につながっていきます。
どの通貨ペアが最初は良いか?
通貨ペアの選択基準として一番多いのはスワップではないでしょうか。2009年9月から2010年11月にかけて、オーストラリアは政策金利を3.0%から4.75%まで段階的に引き上げました。
一方日本は2008年12月以来ゼロ金利を維持しています。円を売って豪ドルを買う「豪ドル/円」の通貨ペアは買いスワップがたくさん付くということで、当時は非常に人気がありました。
雑誌やFXブログを見ても「豪ドルを買えば儲かる!」という記事が多かった記憶があります。
2014年は政策金利が10%に跳ね上がったトルコリラの人気が急騰しました。M2Jでは、2014年9月20日より「トルコリラ/円」の取り扱いを開始し、トルコに関するさまざまな情報提供やキャンペーンを行っています。
トラリピでは金利が高いとたとえ含み損があったとしても、毎日スワップ分はプラスになるので含み損を相殺してくれるメリットがあるのは確かです。長期運用する過程でスワップの利益はばかになりません。総利益に対して比較的大きな割合を占めていきますからね。
この記事を書いている2016年6月後半時点で、買いのトラリピを行うと、1万通貨あたり「豪ドル/円」で28円、「NZドル/円」で36円、「トルコリラ/円」で76円のスワップが毎日プラスされていきます。
さらにこの3通貨ペアは「米ドル/円」や「ユーロ/円」「ポンド/円」と比べても価格水準が低いので、同じ量のポジションを保有しても証拠金必要額が少なく済みます。
初めてトラリピを行う際は、この3通貨ペアの中から一つを選択すると良いのではないでしょうか。
注意点としては、各国の中央銀行が政策金利を上げていくのか、現状維持なのか、もしくは下げる方針なのか把握しておくことが重要です。
高金利通貨の場合、金利の動きと値動きが連動することが多いためです。M2Jのマイページに「各国の政策金利の推移」のデータが掲載されているので、過去の動向を月に1回は確認するようにしてください。
現在、米国はリーマンショックの後に7年間続けてきたゼロ金利政策を解除して、利上げサイクルに入りました。FRBは緩やかなペースながらも利上げを推し進める姿勢を示しています。
そのため「米ドル/円」でも高スワップが見込めるようになるかもしれません。「米ドル/円」は今後注目している通貨ペアの一つです。
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どのタイミングでトラリピを仕掛ける?
トラリピの本領が発揮されるのは、ある一定の値幅で上下動を繰り返す「レンジ相場」のときです。過去1年分の日足データを参考に「今後もこのレンジ内で推移しそうだな」とおおよその目途が付いたら、トラリピを仕掛けるタイミングといえるでしょう。
M2Jのマイページ内にある「FX&日経225コアレンジ」「トラリピプラン」などの情報も参考にしてみてください。
チャート分析や統計的な視点から、自分にしっくりくる仕掛けを見つけられるでしょう。あとは「らくトラ運用試算表」を使って、運用資金に対する仕掛けとリスクのバランスを見ながら設定していく流れになります。
基本的には「米ドル/円」なら105円〜115円といったように、10円以上の間隔に仕掛けるようにしてください。3円や5円の間隔だと、1週間で動くこともあるので、頻繁に設定変更する手間が発生してしまいます。これではトラリピのメリットを生かしきれません。
ほったらかしにするなら「間隔は10円以上」と覚えておいてください。広ければ広いほど良いです。
「豪ドル/円」「NZドル/円」などクロス円の買いで仕掛ける場合、一番良いタイミングは円高トレンドが終了した直後でしょう。もし何らかの不安要因(ギリシャの財政問題、中国の経済減速など)で円高が進行しているときなら、その円高の終わりをしっかり確認してから買いで仕掛けると良いです。
円高には必ず調整が入り、一時的な反発を経てレンジを形成するパターンが多いです。このタイミングなら含み損が拡大するリスクも減らせるメリットがあります。
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トラリピで両建ては有効か?
裁量トレードで「両建て」というと、やってはいけな手法の代表格で、リスクが高いとされています。同じ通貨ペアで買いと売り両方のポジションがあるわけですから、どのタイミングで決済するか、つまり手仕舞いが非常に難しくなるためです
それではトラリピの両建てはどうでしょうか。例えば「豪ドル/円」で75円〜85円の価格帯に買いと売り両方のトラリピを仕掛けたとしましょう。このケースではトラップ値幅を何銭間隔にするか、1本あたり何通貨単位にするのかにもよりますが、75円〜85円で値動きが続く間はダブルで利益が積み上がります。攻めの面から見ると理想的に感じるかもしれません。
ただ守りの面から見ると、「75円よりも円高が進んだとき」「85円よりも円安が進んだとき」にどう対応するのかが重要になります。
事前に「ストップロス」機能で損切り価格を決めておくなど出口戦略を明確にする必要があるでしょう。
相場が分からないときの対処法
トラリピは少し特殊な発注機能ですから、慣れるまでは疑問点がたくさん出てくると思います。
実際の仕掛けでは発注するタイミング、通貨ペアの選択、どのレンジを狙うかなど自分で判断しなければいけませんから不安や迷いも生じるでしょう。一番いけないのは分からないことを分からないままにしておくことです。分からないことが出てきたら、専門家に分かるまで貪欲に聞きましょう!
僕がよくやっていたのは、FXのセミナーに参加して専門家に直接質問することです。大勢の前で質問するのは恥ずかしかったので、休み時間に個別に聞いていましたが(笑)。
「自分は今この通貨ペアで、この価格帯にこのように仕掛けようと考えている」とA4用紙にまとめて見てもらいました。
これを1人だけではなく何人にも聞くのです。そうすると今までになかった視点が得られますし、改善点が見えてきます。少しでも不安や迷いが解消できれば、実際の運用がスタートしてからも落ち着いていられますからね。
M2Jでは全国各地でトラリピセミナーを開催しています。時間を作って1度だけでなく2度、3度と足を運んでみてください。さまざまな学びが得られることは間違いありません。
もし遠くて参加できない場合は、ウェブセミナーを活用しましょう。20時以降からスタートするものが多く、仕事が終わってからでも視聴しやすいです。また質疑応答の時間もあるので疑問や不安を解消するのに役立ちます。
僕のブログでも、トラリピに関する質問を受け付けています。初心者向けのレポートをプレゼントする企画なども行っていますので、ぜひ訪問してみてください。
今月のトラリピ活用術のまとめ
守備重視でトラリピを計画
収益性を求めるほど、相場が逆行したときのリスクも増します。このリターンとリスクのバランスは人それぞれですが、初心者のうちはなるべくロスカットになりにくい守備重視の設定で、運用にまずは慣れましょう。
円高終了後に10円幅以上
トラリピの仕掛ける幅は、10円以上に。狭いと飛び出しやすく、再設定の手間が発生します。また、クロス円通貨ペアを買いトラリピする場合には、円高の流れが一段落したタイミングが望ましいです。
初めての通貨は高金利で
スワップポイントが期待できる上に、価格水準が低く少ない証拠金でポジションをたくさん保有できる、「豪ドル/円」「NZドル/円」「トルコリラ/円」が、入門用通貨ペアとしてお勧め。ドルの金利上昇にも注目。
分からないことは質問!
会場&オンラインのセミナーを積極的に受講しつつ、講師に質問できる場面ではどんどん質問し、疑問点を解消していきましょう。分からないことを放置しないことで、今までにない視点が得られ、不安が解消されます。
※この記事は、FX攻略.com2016年9月号を転載したものです
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【完全放置OK!レンジ相場でコツコツ稼ぐトラリピの始め方[長瀬博雅]】
・第1回 トラリピとは
・第2回 運用のメリット
・第3回 コスト削減のコツ&含み損の考え方
・第4回 リスク管理の方法
・第5回 リアル運用の注意点
・第6回 利益を伸ばす応用テクニック
・第7回 利益を出せるトレーダーの傾向
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |