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完全放置OK!レンジ相場でコツコツ稼ぐトラリピの始め方|第6回 利益を伸ばす応用テクニック[長瀬博雅]

マネースクエア(M2J)の特許コンテンツ、トラップリピートイフダン、略してトラリピ。名前を聞いたことはあっても、どういう仕組みなのかよく分からない方も多いのでは? そこで、トラリピトレーダーとして活躍する長瀬博雅さんに、今月はトラリピでさらに利益を伸ばす応用テクニックを解説していただきました。

【完全放置OK!レンジ相場でコツコツ稼ぐトラリピの始め方[長瀬博雅]】
第1回 トラリピとは
第2回 運用のメリット
第3回 コスト削減のコツ&含み損の考え方
第4回 リスク管理の方法
第5回 リアル運用の注意点
第6回 利益を伸ばす応用テクニック
第7回 利益を出せるトレーダーの傾向

長瀬博雅さんプロフィール

ながせ・ひろまさ。岐阜県高山市在住。本業のWEBマーケティングコンサルタントのかたわら、トラリピを中心とした副業FXでも利益をあげている。FX歴10年以上。著書に『朝30分!会社勤めをしながら稼ぐ私のFX投資法』(明日香出版)。

運用に慣れてきたらより稼げる戦略を

トラリピ設定の際には、過去1年分の日足データを参考に「今後もこのレンジ内で推移しそうだな」とおおよその目途をつけて仕掛けることをお勧めしています。

また「100円から110円」のように仕掛ける間隔は10円以上が望ましいとお伝えしてきました。

最初は基本に忠実に、ロスカットにならないようリスク管理を徹底して取り組んでいくことが大切です。まずは基礎を身につけることが、レベルアップのために欠かせないからです。

そして、次第に運用に慣れてくると、「もっと利益を伸ばすにはどうしたらいいか」と自然に考えるようになります。相場観が身についてきたり運用資金にも余裕が出てきたりした頃が、初心者を卒業してよりよい戦略を検討する時期といえるでしょう。

今回は僕自身が実践している利益を伸ばすテクニックを、3つ紹介したいと思います。

想定レンジの下限でポジション量を増やす

仕掛け1本あたりのポジション量は、1000通貨なら1000通貨で全て仕掛けるのが基本になります。シンプルですし設定の手間もほとんどかかりません。さらにリスク管理も容易です。

しかし、「利益を伸ばす」という視点で考えると、価格帯によってポジション量に変化をつけるというアイデアが思いつきます。

例えば「米ドル/円」の買いで100円から110円の価格帯で、トラリピを発注すると考えてみましょう。

設定条件は1000通貨単位、トラップ値幅20銭、利益金額200円(20銭)です。過去1年の値動きを見たところ「103円を下回っても短期間で103円以上に戻ってくる」という傾向が読み取れたとします。

このような状況で利益を伸ばすためには、トラップ値幅は20銭のまま103円から110円までは1000通貨で仕掛け、100円から103円までは倍の2000通貨で仕掛けます。こうすることで100円から103円の間で値動きしているときは、1回決済するごとに2倍の400円(40銭)が積み上がることになりますね。

ある程度値動きの傾向を把握している通貨ペアでしたら、想定するレンジの下限付近ではポジション量を増やすことで利益を伸ばしやすくなるでしょう。

さらに工夫して、105円から110円までは1000通貨、102円から105円までは2000通貨、100円から102円までは3000通貨のように3段階でポジション量に変化をつけることも有効かもしれません。

過去の値動きから反発しやすい価格帯を読み取ることで、さまざまなアレンジが可能です。

ただ想定レンジの下限でポジション量を増やせば、利益を伸ばすことも可能ですが、同時に含み損が拡大するリスクがあることは常に頭の片隅に入れておきましょう。

相場の世界に絶対はありません。欲を出して過剰なポジション量にすることだけは避けましょう。資金的にも精神的にも、余裕をもって取り組むことが大切です。

想定レンジの下限で仕掛け間隔を狭める

先ほどは想定するレンジの下限付近でポジション量を増やす、というアイデアをご紹介しました。次は1本あたりのポジション量は同じままで、仕掛ける間隔に変化をつける方法について考えてみましょう。

先ほどの例と同様、「米ドル/円」の買いで、100円から110円の価格帯でトラリピを発注すると仮定します。

基本の設定では1000通貨単位、トラップ値幅20銭、利益金額200円(20銭)という感じで一律にイフダン注文を仕掛けていきます。

先ほどと同様、過去の値動きから「103円を下回っても数日の間に103円以上に戻ってくる」という傾向が読み取れた場合、どうしたら利益を伸ばしやすいでしょうか?

103円から110円までは1000通貨・トラップ値幅20銭で仕掛け(103円新規買い→103.2円決済売り、103.2円新規買い→103.4円決済売り)、100円から103円までは1000通貨・10銭間隔で仕掛けます(100円新規買い→100.2円決済売り、100.1円新規買い→100.3円決済売り)。

こうすることで100円から103円の間で値動きしているときは、イフダン注文の数が2倍になっているのでより利益が積み上がることになります。

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決済トレールを活用する

トラリピがレンジ相場で利益をあげやすい発注機能であることは、これまで何度もご説明してきました。相場の8割がレンジといわれている状況の中で、手間をかけず効率よく利益をあげる手段として向いています。

ただトラリピの欠点として、残り2割のトレンド相場では利益をあげにくいという側面がありました。この点は、M2Jも重要課題として検討してくれていたのでしょう。ユーザーからも、多くの要望が寄せられていたと思います。

ユーザーからの要望に応える形で、2015年1月31日に「決済トレール」が正式リリースされました。どのような機能なのか簡単にご説明したいと思います。

決済トレールとは、決済価格がトレンドを追いかけることで、利益の極大化を狙うトラリピ専用の機能のこと。値動きの激しい局面やトレンド相場で、利益を伸ばせることが最大の特徴です。

決済トレールを使用すれば、自動で決済価格が利益を伸ばす方向に移動していき、利益金額が増えていくのです。

日々の値動きの中では米雇用統計や政策金利発表などの重要経済指標発表時に、数分で1円~2円動くことはよくありますよね。また短期間で押し目なく3円~5円上昇するようなトレンドが発生することもあります。

そのような場面で威力を発揮するのです。

通常は利益金額400円(40銭)と設定すると、400円の利益が出る価格で決済されます。しかし決済トレールを使用すると、600円、800円のように2倍以上に利益が伸びる可能性があるのです。

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決済トレールの肝はトリガー価格

ポイントとなるのは「トリガー価格」。トリガー価格とは決済価格が移動するきっかけとなる価格のことです。買いトラリピの場合は決済価格からプラス0.20円ごとに、売りトラリピの場合は決済価格からマイナス0.20円ごとに自動設定されます(ドルストレート通貨では0.0020ごと)。

決済トレールではレートがトリガー価格に達するごとに決済価格が移動します。

例えば「米ドル/円」で「100円新規買い→100.4円決済売り」という買いトラリピを仕掛けたとします。

通常はレートが100.4円に達した瞬間に利益確定されますよね? しかし決済トレールを使用すると、100.4円に達しても利益確定されず、0.20円上昇した100.6円になったとき初めて100.4円の決済注文が有効になるのです。

100.6円まで上昇後、100.4円まで下がった時点で利益確定されることになります。

もし100.4円まで下がることなくさらに0.20円上昇して100.8円になった場合、決済価格も自動的に0.20円分上昇して100.6円になります。この0.20円のことを「トレール値幅」と呼び、0.20円に固定されています。0.20円以外に変更することはできません。

決済トレールの使い方は簡単!トラリピ発注画面で「決済トレール」の項目にチェックを入れるだけ。トラリピ発注時に一緒に設定するだけで大丈夫です。

あとは自動で決済価格が移動していきます。10本発注したら、10本全てに決済トレールが有効になりますから大変便利ですよ。

決済トレールのデメリットも理解

最近M2Jのマイページ内に、利益をあげたお客さんのインタビュー記事が掲載されています。

2016年5月13日に掲載された「F式トレールトラリピ」を見ると、「ユーロ/円」の売りで「トラリピ+決済トレール」を活用し、利益金額5000円だったのが1万7000円や1万9000円に伸びたこともあると書かれていました。

裁量トレードでは、最も重要と言われる「利益を最大限伸ばす」ことが実現できているわけですね。

僕自身も利益金額が伸びた経験をたくさんしていて、トータルの利益が増えているので非常に重宝しています。

決済トレールにはいくつかの注意点があります。

1点目
決済が成行注文となるため成立価格にずれ(スリッページ)が発生することがあること。

2点目
窓開けのときなど急にレートが飛ぶような動きが発生したときは決済損益がマイナスになる可能性があること。

3点目
決済トレール設定時は「せま割30」「せま割10」の手数料割引サービスが適用されないこと。

僕の経験では決済損益がマイナスになったことは今まで一度もありません。ごく稀に発生するという認識でいいと思います。M2Jの公式サイトでより詳しく解説されていますので参照ください。

「トラリピ+決済トレール」は利益を伸ばす最強のテクニックです。ぜひ取り入れてみてください。

今月のトラリピ活用術のまとめ

美味しい水準の「枚数」を増やす

高い確率ですぐに反転しそうな価格帯があれば、通常より多くの取引数量にすることで、より大きな利益を狙うことができます。ただし、予想に反して逆行した場合の含み損も大きくなります。

美味しい水準の「本数」を増やす

反転が濃厚な価格帯が予想できるなら、もう一つのトラリピを仕掛けるなどして、イフダン本数を増やすテクニックも有効です。ただしこちらも、反転時のダメージも大きくなることは変わりません。

トレール注文を有効活用する

トレール注文を有効にすることで、強いトレンドの発生を追いかけることができ、通常の設定よりも広い値幅を獲得することができます。ただし、いくつかデメリットがあることも覚えておきましょう。

でも、慣れるまでは堅実に!

応用テクニックで利益を増やすチャレンジをする前に、十分にトラリピの運用に慣れていることが大切です。いきなり難しいことをすると、資金的にもメンタル的にも負荷がかかりますので、あせらず上達していきましょう。

※この記事は、FX攻略.com2016年10月号を転載したものです

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第1回 トラリピとは
第2回 運用のメリット
第3回 コスト削減のコツ&含み損の考え方
第4回 リスク管理の方法
第5回 リアル運用の注意点
第6回 利益を伸ばす応用テクニック
第7回 利益を出せるトレーダーの傾向

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