先週市場の注目を集めたジャクソンホール経済シンポジウムで、イエレンFRB議長は「この数ヵ月で追加利上げ実施への論拠が強まった」と述べたものの、9月会合での利上げに関する言及はなく、逆に「将来、幅広い資産の購入を検討する価値がある」「FRBの金融政策はあらかじめ決まっておらず、データ次第」とも発言。
米ドル/円は一時100.06円まで急落したが、フィッシャーFRB副議長ら複数の当局者から9月利上げに肯定的な発言が相次いだことから、101.94円まで急反発した。
先週金曜のドル円急騰の原因は?
イエレン議長の講演内容は予想の範囲内だった。景気に対してはある程度の自信を示したものの、利上げ時期にはコミットしておらず、9月利上げを示唆したとまでは言えない。FF金利先物が織り込む9月利上げの確率は、講演前の21%から上昇したとはいえ36%にとどまっている。
金曜日の米ドル/円の急騰は、9月利上げ期待の高まりというより、市場心理があまりに利上げに無警戒だったことの反動と考えるべきだろう。
ほかの当局者からは早期利上げに積極的ととれる発言も出ているが、市場の金利観が過度に下振れしないように予防線を張っているだけのようにも見える。今確かに言えることは「年内利上げは可能だが、あくまでデータ次第」ということのみだ。
次の注目は今週金曜の米雇用統計
となると、今週金曜日に発表される米8月の雇用統計がこれまで以上に重大な意義を持つこととなる。
フィッシャー副議長も「8月雇用統計がFOMCの決定に影響する」と発言している。非農業部門雇用者数(NFP)は6月+29.2万人、7月+25.5万人と2か月連続でトレンドを上回る増加を示しており、もし8月も好悪の分岐点である+20万人を大幅に上回るようなら、9月FOMCでの利上げを正当化する有力な論拠となる。
その場合ドルはそれなりの上昇を示すことになるだろう。7月以来の下落幅(107.49円→99.54円)の半値戻しにあたる103.50円前後までの上昇は可能かもしれない。
結果次第では100円割れの可能性も
一方雇用統計がさえない結果となった場合には厄介なことになりそうだ。9月利上げの確率は急低下し、米ドル/円は金曜日の上昇を帳消しにし、100円を割り込んでいく可能性もある。
NFPよりブレが小さい民間調査のADP雇用報告によれば、雇用増は過去3か月17万人台で安定しており、米労働市場の実力は17万人程度とみてよさそうだ。今回のNFPの予想も17.0万人となっているが、6月・7月とNFPがADP雇用報告から大幅に上方乖離していることから判断すると、8月は逆に下振れでもおかしくない。
予断を持つべきではないが、あえてヤマを張るならば、NFPが予想を下回った場合のドル反落リスクを想定しておきたい。
ADP雇用報告とNFPの比較(8月は予想)
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